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オウバイモドキの育て方・特徴

オウバイモドキの育て方と特徴

早春に黄色い花を咲かせるオウバイモドキは、和風・洋風・和モダンなどさまざま庭にあい、育て方も簡単で人気の庭木!
花・葉の特徴から、適切な剪定時期・方法や植え付け・植え替えの仕方、さらにオウバイモドキに似たオウバイとの違いなど、魅力をたっぷりと紹介します!

基本5データ

分類
常緑生低木
学名
Jasminum mesnyi
科・属名
モクセイ科・ソケイ属
別名
ウンナンオウバイ、ウンナンソケイ
草丈・樹高
1〜5m
栽培可能地域
全国
花色
黄色
開花期
3〜5月
結実期
なし
耐暑性 / 耐寒性
強い / 強い

オウバイとオウバイモドキの違い

どちらも同じソケイ属の木で、遠目に見ると花の形や色が似ていてしばしば混同されることが多い「オウバイモドキ(Jasminum mesnyi)」と「オウバイ(Jasminum nudiflorum)」。春に黄色い花を咲かせる美しい植物ですがそれぞれ異なる特徴を持っています。以下に、オウバイモドキとオウバイの違いについて詳しく説明します。

オウバイモドキ(Jasminum mesnyi)

オウバイモドキは、主に春に花を咲かせる常緑低木です。中国原産で、園芸用として人気があります。

  • 花の特徴
    • 花色:鮮やかな黄色
    • 花期:春(3〜5月)
    • 花の形:大きめで、半八重の花びら
    • 香り:無香
  • 葉の特徴
    • 葉の形:対生の単葉で、楕円形
    • 葉色:濃い緑色
    • 葉の落葉性:常緑
  • 生長習性
    • 生長習性:直立性の低木で、アーチ状に枝が広がる
    • 樹高:約1~3m
    • 茎:灰褐色で堅く直立する
  • 生育環境
    • 日照:日向を好む
    • 土壌:排水の良い土壌を好むが、やや乾燥気味の環境でも育つ
    • 耐寒性:高い耐寒性を持つ

オウバイ(Jasminum nudiflorum)

オウバイは、主に冬から早春にかけて花を咲かせる落葉低木です。こちらも中国原産で、庭園や公園で観賞用に広く栽培されています。

  • 花の特徴
    • 花色:明るい黄色
    • 花期:冬から早春(2〜3月)
    • 花の形:小さく、星形の花びらが6枚
    • 香り:無香またはわずかに香る
  • 葉の特徴:
    • 葉の形: 対生の複葉で、小葉は3枚
    • 葉色: 明るい緑色
    • 葉の落葉性: 冬季に落葉
  • 生長習性
    • 成長習性:つる性の低木で、地面を這うように広がる
    • 樹高:約1~2m
    • 茎:緑色で細長く、柔軟性がある
  • 生育環境
    • 日照:半日陰から日向を好む
    • 土壌:排水の良い土壌を好むが、比較的土壌条件に適応する
    • 耐寒性:比較的耐寒性が高い
特徴 オウバイ(Jasminum nudiflorum) オウバイモドキ(Jasminum mesnyi)
花の色 明るい黄色 鮮やかな黄色
花期 冬から早春(2〜3月) 春(3〜5月)
花の形 小さく、星形の花びらが6枚 大きめで、半八重の花びら
香り 無香またはわずかに香る 無香
葉の形 対生の複葉(小葉は3枚) 対生の単葉(楕円形)
葉色 明るい緑色 濃い緑色
葉の落葉性 冬季に落葉 常緑
成長習性 つる性の低木(地面を這う) 直立性の低木(アーチ状に枝が広がる)
樹高 約1~2メートル 約1~3メートル
茎の特徴 緑色で細長く、柔軟性がある 灰褐色で堅く直立する
日照 半日陰から日向を好む 日向を好む
土壌 排水の良い土壌を好むが適応力が高い 排水の良い土壌を好むが乾燥にも強い
耐寒性 比較的耐寒性が高い 高い耐寒性を持つ

オウバイモドキとオウバイの違いのまとめ

オウバイモドキは直立性で早春に花を咲かせるのに対し、オウバイはつる性で冬から早春にかけて花を咲かせる植物です。
また、オウバイは小さな複葉を冬に落とす落葉性ですが、オウバイモドキは冬でも葉を落とさない常緑性の単葉です。
両者とも美しい黄色い花を咲かせますが、それぞれの特徴を活かして植栽することで、庭や景観に異なる魅力を加えることができますよ。

オウバイモドキの育て方と特徴の育て方・管理方法

植え付け・植え替え

オウバイモドキは有機質がたくさん入った水はけの良い土がベスト!


春に枝節にたくさんの黄色い花を咲かせるオウバイモドキは、肥料成分の少ない土でも育ちますが、観賞を十分に楽しむなら有機質がたっぷりと入った水はけの良い土がベストです。
ただし、水はけが悪くて粘土質のように泥のように固まってしまう土では根腐れが起こりやすく枯れてしまうことも。

地面に植え付ける前に、腐葉土、赤玉土を、掘り起こした土に混ぜて、排水性・保水性を良くしておきましょう。
土が乾きやすい場合は黒土を混ぜるのもおすすめです。

オウバイモドキの適切な植え付け時期


寒さに耐性があるオウバイモドキは、3月~4月に植え付けができます。もし時期が過ぎてしまったら秋の9月~10月ごろにも行うといいです。
暖かい時期であれば、植え付け後も根の張りが良く、株が急激に弱ることも少ないです。

直径2〜4mほどのスペースを確保してから


オウバイモドキは、生長すると地面からたくさんの幹を伸ばしつる状に横へ大きくなります。
最低でも直径2〜4m程度のスペースを確保して植え付けましょう。

植え付けるスペースが小さ過ぎると、オウバイモドキの枝葉が建物や周辺の庭木にぶつかって樹形が乱れたり周りの建造物を傷つけたりする可能性も。
苗木が小さくても、植え付ける場所はある程度の広さが必要です。

オウバイモドキの苗木の植え方


太い根を地面にまっすぐと伸ばすミツマタ。
苗木を植え付けるときは、あらかじめ深く耕しておくと植え付け後でも根の張りが良くなります。
植え穴の深さは根鉢の高さよりも3cmほど低くし、根鉢の周りに片足が入るぐらいの広さをつくりましょう。

植える前に一度ポットから抜いた苗木を穴に入れてみて、深さ・横幅を確認し微調整を行うといいです。
手を離しても苗木が直立するように、穴の底に土を加えてから植え付けます。
足で踏み固めながら用土を継ぎ足し、しっかりと地面に定着させましょう。

オウバイモドキの鉢植えの植替え


オウバイモドキを鉢植えで育てている場合は、2〜3年に1回のペースで植え替えをします。
生長スピードは比較的早く、放置していると根詰まりを起こして枯れてしまうことも。
定期的に植え替えをして、根が回りやすい状態を作りましょう。
水が土に浸透しにくくなったときや、鉢底から根が出ているときにも植え替えをするといいです。

肥料

オウバイモドキは、肥料を与えることで黄色い花の付きが良くなり、色鮮やかな姿を楽しめます。
花が咲く3月上旬に追肥として、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)のバランスの取れた緩行性化成肥料を与えましょう。

ただし、肥料の与え過ぎはオウバイモドキ生長の流れを増長させすぎてしまいます。
大きくなり過ぎたり、剪定などの管理が大変になったりする場合もあるので、追肥は1回ずつ与えてあとは様子を見てから再度与えるようにしましょう。

剪定

生長スピードが早いオウバイモドキは、1年に1回のペースで剪定します。
基本的に伸び過ぎた枝葉や、地面から伸びる幹(ひこばえ)などを間引く程度で剪定をします。
オウバイモドキの背丈が高くなり過ぎたときや、枝葉が混み合ったりしたときにも剪定するといいですが、切り過ぎると枝がたくさん出て樹形が暴れることもあるので、切り詰め過ぎや強剪定は避けましょう!

オウバイモドキの適切な剪定時期|4月下旬〜5月下旬


オウバイモドキの剪定は、花が咲き終わるころの4月下旬〜5月下旬に行うのがベスト。
夏を過ぎてからだと、翌年の花芽を切り落としてしまい花が咲かなくなります。

オウバイモドキの剪定の手順


オウバイモドキは地面から「ひこばえ」といわれる幹が伸びやすいです。
放置していると、株がどんどん横に広がりやすいので、株を新しく更新しない場合は切り落としましょう。

Step1. オウバイモドキのひこばえや胴ふき枝を剪定する


まずは、オウバイモドキの主幹となる幹周りから生えるひこばえを、根元から切り落とします。
また、幹の数がすでに多い場合は、地面に近いところから生える胴吹き枝も付け根から切り落としましょう。

Step2. 長く伸びた枝葉は、枝先を切り詰める


長く伸び過ぎたオウバイモドキの枝葉は、先端部を枝分かれした箇所まで切り詰めて短くするといいです。
あまり深く切り詰め過ぎてしまうと、オウバイモドキの美しい枝振りが損なわれるので注意してくださいね!

Step3. 混み合った箇所を切り落とす


最後に、オウバイモドキの株の内側で混み合った不要な枝を中心に剪定します。
太い枝から強く伸びる枝葉は花芽が付きにくいので、枝分かれした箇所まで切り詰めましょう。

また、下記の不要な枝は生えている付け根から全て取り除き、株の内側の日当たりと風通しを良くします。
このとき、枯れた枝も取り除きます。

  • 徒長枝:株から強く飛び出すように、太く長く伸びる枝

  • 立ち枝:横に伸びている太い枝に対して、直立したように上に強く伸びる枝

  • 内向枝:株の内側に向かって伸びる枝

  • 交差枝:枝同士が十字に交差する枝

  • 絡み枝:太い枝に絡みつくように伸びる枝

  • 平行枝:近い位置で平行に同じ方向へ伸びる枝

  • 逆さ枝:地面に向かって伸びる枝

病害虫

病気


特になし

害虫


特になし

日当たり

オウバイモドキは、乾燥した場所を好む植物なので、基本的には自然に降る雨だけの水分で育ちます。
ただし、真夏に乾燥し過ぎると生長不良を起こすことも。
夏場は地面を乾かさないように、水をたっぷりと与えましょう。
また、植え付け直後やオウバイモドキの苗木が地面にしっかりと根付くまでの1年間は、土が乾燥しないように定期的に水やりをするといいです。

水やり

オウバイモドキは、乾燥した場所を好む植物なので、基本的には自然に降る雨だけの水分で育ちます。
ただし、真夏に乾燥し過ぎると生長不良を起こすことも。
夏場は地面を乾かさないように、水をたっぷりと与えましょう。
また、植え付け直後やオウバイモドキの苗木が地面にしっかりと根付くまでの1年間は、土が乾燥しないように定期的に水やりをするといいです。

氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 柴﨑光一

リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。 カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。 現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。 植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。

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