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インドボダイジュの育て方・特徴

インドボダイジュの育て方と特徴

観葉植物では少し珍しいインドボダイジュは、剪定や植え替えなどの管理がシンプルなので初心者におすすめ。
神聖な木ともいわれ、高い風水効果も期待できるため、縁起の良い観葉植物です。
インドボダイジュの特徴や育て方、適切な剪定時期や方法、さらに花言葉やボダイジュとの違いについてなど魅力をたっぷりと紹介!

基本データ

分類
常緑高木
学名
Ficus religiosa
科・属名
クワ科・イチヂク属
別名
テンジクボダイジュ
草丈・樹高
5〜30m
栽培可能地域
日本では観葉植物
花色
なし(花嚢とよばれる袋状の花の軸に花が咲く)
開花期
4月
結実期
6〜7月
耐暑性 / 耐寒性
強い / 弱い

インドボダイジュの花言葉

スリランカ、インド、ネパール、バングラデシュなどの南アジア地域に自生する半常緑の高木インドボダイジュ。仏教においてとても重要な木であり、特に釈迦(ゴータマ・シッダールタ)がこの木の下で悟りを開いたとされるため、深い宗教的な意味を持ちます。

インドボダイジュの花言葉:「夫婦愛」「情熱の恋」「長寿」

日本において、インドボダイジュは「夫婦愛」、「情熱の恋」、「長寿」といった花言葉が知られています。以下に、これらの花言葉について詳しく説明します。

1. 夫婦愛

インドボダイジュの花言葉の一つ「夫婦愛」は、木が持つ絆の象徴としての特性に由来します。インドボダイジュは長寿の木で、深く根を張り、しっかりとした幹を持つため、夫婦間の強固な絆や長く続く愛情を象徴しているようです。

  • 深い根と絆:インドボダイジュの根は深く地中に広がり、強い支えとなります。これが、夫婦の間の深い絆や信頼関係を表しているとされています。
  • 安定と持続:木自体が長寿であることから、長い年月を共にする夫婦の愛情や安定した関係性を象徴しているようです。

2. 情熱の恋

「情熱の恋」という花言葉は、インドボダイジュの生命力と力強い生長に由来します。過酷な環境でもしっかりと生長し、繁栄する力を持っているといわれることも。これが、情熱的で力強い愛の象徴となっています。

  • 生命力と情熱:インドボダイジュの旺盛な成長力は、情熱的な愛を表現しています。困難を乗り越えて育まれる強い愛情を象徴しています。
  • 熱烈な愛:繁栄し続ける姿が、恋愛における情熱やエネルギーを象徴し、情熱的な恋愛を意味します。

長寿

自生地では樹齢100年を超えるものもあるインドボダイジュ。長い生命は、健康と長生きを象徴し「長寿」という花言葉が与えられたようです。

  • 永続性:インドボダイジュの長い寿命は、長寿や健康を象徴します。これは、人々の健康と長い人生を祝福する意味があります。
  • 不朽の象徴:インドボダイジュは何世代にもわたって生き続けることができるため、永遠の生命や不朽の象徴としても捉えられています。

インドボダイジュの置き方で風水

風水において、インドボダイジュは「生命力」と「繁栄」を象徴します。適切な場所に配置し、日光や水の管理をしっかりと行うことで、家庭全体に正のエネルギーをもたらし、健康と繁栄を促進することができます。風水の原則を理解し、インドボダイジュを正しく取り扱うことで、心地よい生活空間を作り上げましょう。

インドボダイジュの適切な置き場所

  1. 庭の中心または玄関付近
    インドボダイジュはエネルギーの中心を象徴するため、庭の中心や玄関付近に置くのが理想的です。家庭全体に正のエネルギーを広げる効果が期待できます。
  2. 東または南東の方向
    東は「成長と健康」、南東は「富と繁栄」を象徴する方角です。インドボダイジュをこれらの方向に置くことで、家庭に健康と繁栄をもたらすとされています。
  3. リビングルーム
    家の内部では、リビングルームに置くのが適しています。家族全体の精神的な調和と心の平穏を促進します。

インドボダイジュを避けるべき場所

  1. 寝室
    インドボダイジュは強いエネルギーを発するため、寝室には置かないほうが良いでしょう。寝室は安静と休息の場であるため、強いエネルギーが安眠を妨げる可能性があります。
  2. 浴室やキッチン
    湿度が高い場所や温度変化が激しい場所は、インドボダイジュには適していません。また、これらの場所ではエネルギーの流れが乱れやすくなります。

ボダイジュとの違い

インドボダイジュ(Ficus religiosa)とボダイジュ(Tilia spp.)は、名前が似ているため混同されがちですが、実際には異なる属と種に属する全く別の植物です。それぞれの特徴や用途、文化的・宗教的な意味合いについて詳しく説明します

インドボダイジュ(Ficus religiosa)

分類と原産地

  • クワ科(Moraceae)
  • イチジク属(Ficus)
  • 原産地: インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタン

特徴

  • :ハート形の葉で、先端が細く尖っている
  • 樹高:高さ30メートル以上にする
  • 果実:小さな無花果(いちじく)状の果実
  • 花期ほとんど目立たない

文化的・宗教的意義

  • 仏教において非常に神聖であり、釈迦(ゴータマ・シッダールタ)がこの木の下で悟りを開いたとされる。

ボダイジュ(Tilia spp.)

分類と原産地

  • アオイ科(Malvaceae)
  • シナノキ属(Tilia)
  • 原産地: ヨーロッパ、北アメリカ、アジア

特徴

  • :大きなハート形の葉で鋸歯(ぎょし)があり、やわらかい質感
  • 樹高:高さ20~40メートルに生長する
  • 花期:夏に小さな黄色または白色の芳香のある花を咲かせる
  • 果実:小さな球形の果実

文化的・宗教的意義

  • ヨーロッパでは、町の中心に植えられ、集会の場や儀式に利用されることが多い。
  • 仏教において「ボダイジュ(菩提樹)」としても言及されるが、これはインドボダイジュの別名として用いられることが多い。

よくわかるインドボダイジュとボダイジュの違いの表

特徴 インドボダイジュ(Ficus religiosa) ボダイジュ(Tilia spp.)
クワ科(Moraceae) アオイ科(Malvaceae)
イチジク属(Ficus) シナノキ属(Tilia)
原産地 インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタン ヨーロッパ、北アメリカ、アジア
葉の形状 ハート形、先端が細く尖っている 大きなハート形、鋸歯あり、柔らかい
樹高 30メートル以上 20~40メートル
果実 小さな無花果(いちじく)状 小さな球形
花の特徴 ほとんど目立たない 夏に小さな黄色または白色の芳香のある花を咲かせる
文化的・宗教的意義 仏教で神聖、釈迦が悟りを開いた木 ヨーロッパで集会の場や儀式に利用される

インドボダイジュとボダイジュとの違いまとめ

インドボダイジュとボダイジュは、見た目や文化的・宗教的背景、原産地などにおいて大きく異なる植物です。インドボダイジュは仏教において神聖な木とされ、特に釈迦が悟りを開いた木として知られています。一方、ボダイジュはヨーロッパや北アメリカ、アジアに広く分布し、地域社会の集会の場として重要な役割を果たしています。

インドボダイジュが「絞め殺しの木」と言われる理由は?

インドボダイジュ(Ficus religiosa)が「絞め殺しの木」と言われる理由は、その独特な成長の習性にあります。

絞め殺しの木としての成長過程

  1. 種子の分布:
    • インドボダイジュの種子は、鳥や動物によってほかの木の枝や幹に運ばれます。種子は樹皮の隙間や裂け目に入り込み、そこで発芽します。
  2. 着生と生長
    • 種子が発芽すると、インドボダイジュの若い植物は宿主の木に着生。初めは寄生植物として生活し、宿主の木の栄養を吸収しながら成長します。
  3. 根の発達
    • 生長するにつれて、インドボダイジュは長い根を下方に伸ばし、地面に到達しようとします。これらの根は、宿主の木の幹や枝を巻き込むようにして生長します。
  4. 絞め殺し
    • 時間が経つにつれて、インドボダイジュの根は宿主の木を締め付け始めます。締め付けが徐々に強まり、宿主の木の水分や栄養の流れを阻害します。
    • 最終的に、宿主の木は窒息するように枯死し、インドボダイジュは独立した樹木として生長を続けます。

生態的背景と適応戦略

  • 適応戦略
    • 絞め殺しの戦略は、熱帯雨林などの競争が激しい環境での生存戦略として進化したものです。森林の床には光が少ないため、ほかの木の上で生長することで、より多くの光を得ることができます。
  • 他動植物の生活環境への影響
    • インドボダイジュは、宿主の木を枯死させることで、自らの生存を確保しますが、森林の動態に影響を与えます。一部の生態系では、絞め殺しの木が形成する空洞は、ほかの動植物にとって新たな生息地となることもあります。

インドボダイジュの育て方・管理方法

植え付け・植え替え

インドボダイジュを元気に育てるためには、生長するにつれて植え替えをすることが大切です。
目安としては、2〜3年に一度、5月から6月の生長期に、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
ただし、暑さによってインドボダイジュの株にストレスを与えることもあるので、暑過ぎる日は避けて行ってください。
近年温暖化の現象によって猛暑日が多いので、梅雨の時期までに植え替えを済ませると安心です。

また植え替えた直後は、根がダメージを受けているため、肥料を与えないようにしましょう。
肥料を与えると栄養を吸収しきれず、「肥料焼け」という栄養過多で枯れる場合も。
もし根詰まりをしている場合は、生育が悪くなるので、2年未満でも植え替えが必要です。
鉢の底から根が出ていたり、水の吸い上げが悪くなっている場合は、根詰まりのサインです。
適切なタイミングで植え替えて、植物を元気に育てましょう。

肥料

インドボダイジュを健康に育てるためには、「肥料」を与えることが大切です。
春から秋にかけての生長期には、効果が長く続く緩効性肥料を2ヵ月に1回、置き肥として使いましょう。
冬の休眠期には、根が傷むことがあるので肥料は必要ありません。

肥料は毎年、毎回必ずしも必要ではありませんが、鉢植えの場合は鉢の中の栄養が限られているため、植物の様子を見ながら必要に応じて与えるようにしましょう。

剪定

インドボダイジュの剪定をすることで見た目が良くなるだけでなく、通気性が良くなり、病害虫が付きにくくなります。
気温が20℃以上になる5月中旬〜7月ごろの生長期に剪定しましょう。
ただし、植え替え・植え付け同様に暑過ぎると株の回復が遅れるため、猛暑日は避けてください。

インドボダイジュの枝や葉が込み合っている部分を間引き、大きくなり過ぎた部分は切り戻して形を整えます。
また、クワ科のインドボダイジュは、切り口から白く粘り気のある樹液が出るので注意が必要です。
樹液が衣類や絨毯、床に付くと取れないため、新聞紙などを敷き、エプロンを着用して作業しましょう。
樹液が皮膚に触れるとかぶれることもあるため、手袋を着用して樹液に触れないように気を付けてください。

病害虫

インドボダイジュなどの観葉植物には、ハダニやカイガラムシといった害虫がつくこともあります。
害虫の排泄物を放置すると、すす病などの病気になり植物が枯れてしまう場合も。
害虫を見つけたら、すぐに専用の殺虫剤で駆除しましょう。

成虫には殺虫剤が効きにくいので、ティッシュペーパーや歯ブラシを使って手で取り除いてください。
すでにすす病で黒くなっている部分の枝や葉は切り落とし、再発を防ぐために薬剤を散布しておくと良いです。
また、こまめに葉に水をかけたり、風通しを良くすることも病害虫の予防に効果的です!

インドボダイジュにみられる病気


・うどんこ病
4月上旬〜7月上旬と9月中旬〜10月上旬に、白い粉が吹いたような菌糸が、インドボダイジュの新芽や若葉などやわらかい箇所に発生します。
症状が悪化すると、葉や花が奇形になる場合も。昼夜の温度差が大きい時期は、空気感染によって被害が拡大する場合もあります。
日頃から風通しを良くし、予防として薬剤を散布しておくといいです。

・すす病
春から秋にかけて、インドボダイジュの葉の表面が黒い汚れ(すす)に覆われ、カビが生えます。
放置すると株全体に広がり、落葉の原因となります。カイガラムシの排泄物によって発病するので、害虫対策が大切です。


インドボダイジュに現れる害虫


・ハダニ
1年を通して、インドボダイジュの葉の表裏に発生しやすいです。
風通しがなく、乾燥した枝葉に現れ、放置をするとコロニーを形成し大量に繁殖する場合も。
葉の養分を吸汁するため、落葉の原因になります。
定期的な剪定をして予防をしますが、大量に発生した場合は薬剤で対処するといいです。



・カイガラムシ
1年を通して、インドボダイジュの新芽・枝・幹に発生しやすく、養分を吸汁します。
成虫になると甲羅が硬質化し、薬が効きにくくなります。
できるだけ薬の効く幼虫のうちから、薬剤散布を行うといいです。
成虫は歯ブラシや軍手を使って擦るようにして補殺します。

日当たり

観葉植物の水やりのコツは、季節に応じて変えることです。また、鉢皿に水が溜まっていると根腐れや病害虫の原因になるので、水やりの後は必ず捨ててください。

春から秋の「生育期」の水やり


気温が暖かい春から秋は土が乾きやすく、インドボダイジュもよく育つ時期です。
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまでたっぷりと水を与えましょう。
インドボダイジュは湿気の多い環境が好きなので、夏は葉に水をかけて乾燥を防ぐようにしましょう。

冬の「休眠期」の水やり


冬は気温が低く土が乾きにくくなり、植物の生長も緩やかになります。
この時期に水を与え過ぎると、根が水分を吸収しきれず、土が冷えて根腐れを起こす場合も。
秋の中頃から徐々に水やりの頻度を減らし、冬は土の表面が乾いてから2~3日後にたっぷりと水を与えましょう。
土の状態はやや乾燥気味に保ち、空気は乾燥させないように葉に水をかけて湿度を保ちます。

水やり

観葉植物の水やりのコツは、季節に応じて変えることです。また、鉢皿に水が溜まっていると根腐れや病害虫の原因になるので、水やりの後は必ず捨ててください。

春から秋の「生育期」の水やり


気温が暖かい春から秋は土が乾きやすく、インドボダイジュもよく育つ時期です。
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまでたっぷりと水を与えましょう。
インドボダイジュは湿気の多い環境が好きなので、夏は葉に水をかけて乾燥を防ぐようにしましょう。

冬の「休眠期」の水やり


冬は気温が低く土が乾きにくくなり、植物の生長も緩やかになります。
この時期に水を与え過ぎると、根が水分を吸収しきれず、土が冷えて根腐れを起こす場合も。
秋の中頃から徐々に水やりの頻度を減らし、冬は土の表面が乾いてから2~3日後にたっぷりと水を与えましょう。
土の状態はやや乾燥気味に保ち、空気は乾燥させないように葉に水をかけて湿度を保ちます。

出典(引用元)

日本文芸社:庭木・植木図鑑 ー「インドボダイジュ」
氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 柴﨑光一

リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。 カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。 現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。 植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。

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