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クロマツの育て方と特徴

地面から力強く佇む黒松(クロマツ)。和風庭園と昔から庭の主木として親しまれている庭木です。
マツ特有の剪定方法を知れば、育て方は意外と簡単で、初心者でも育てやすいです。
今回は、クロマツの特徴や花言葉、挿し木での増やし方、アカマツとの違いを、たっぷりとご紹介!!

クロマツ(黒松)の木の管理方法はこちら
アカマツ(赤松)の木の管理方法はこちら

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基本5データ

分類
庭木-常緑
学名
Pinat thunbergii
科・属名
マツ科・クロマツ属
別名
男松、雄松
草丈・樹高
10〜40m
栽培可能地域
全国
花色
赤・黄
開花期
4〜5月
結実期
6〜翌4月
耐暑性 / 耐寒性
やや強い/やや強い

庭木として魅力あるクロマツの特徴

クロマツとは|剪定を怠らなければ、育て方も簡単で育てやすい庭木

クロマツは、日本や朝鮮半島に自生し、冬に葉を一斉に落とさない常緑性高木樹。
樹高は大きくなると40mを超え、寿命も何百年と生きるものもあります。
乾燥、湿気、煙害、塩害に強く、水はけが良ければ砂地でも育ち、生命力あるたくましい木です。
その分、育て方も簡単で、初心者でも枯らさずに育てられます。
「みどり摘み(芽かき)」作業や、「もみあげ」作業という、マツ特有の剪定方法があり、
佇まいがよく、力強い樹形になるよう、きれいに仕上げるためには、
毎年かかせない剪定作業が必要です。そちらについてもご紹介します。

クロマツの花と花言葉|「不老長寿」の花言葉をもつ縁起の良い木

・花
クロマツの開花は、4〜5月ごろで、1本の木に、赤や黄色の棒状の雄花と雌花が付きます。
雄花の開花が終えたころに、木の上部に雌花が咲き、遠くから飛んできた別の木の花粉を受粉。
初夏には緑色の実がなりますよ。
・花言葉
クロマツの花言葉は「不老長寿」「同情」「哀れみ」「慈悲」です。

クロマツの松ぼっくり|大きくて、長く鑑賞できる!

初夏にできた緑色の実は、8月ごろに茶色く変色し、傘を広げ、松ぼっくりに。
松ぼっくりは、自然落下をして、種を広げますが、そのまま冬を越して、1年以上木についたものもあり、通年鑑賞ができますよ。

クロマツの葉・幹・樹形|力強く、勇ましい姿

クロマツの魅力ともいえるその樹形は、力強く、勇ましい姿です。
葉は緑濃い色で固く、幹は、名前の由来であるように、黒味がかり、成木になるにつれ、樹皮が亀甲状に割れます。
その姿から和風庭園では、主役の木として使われることが多く、目を引くような魅力があり、
庭木として植えたら、立派な庭がつくれますね! 盆栽では、身近にその姿を楽しめるでしょう。

クロマツの増やし方|種からでも挿し木からでもできる

松ぼっくりについた種で、株を増やせますが、春に伸びた新しい芽を挿し木にすると、種よりも早く増やせます。
ここでは挿し木の増やし方について紹介します。

春に「みどり摘み」の剪定作業をしたときに出る、不要な芽を使って挿し木ができます。

【Step1.】まずは、「挿し穂」をつくりましょう。
摘み取った芽を、枝の半分より下の葉をかき取り、増やすための枝「挿し穂」をつくります。
【Step2.】挿し穂を水に数時間浸します。
【Step3.】挿し穂を、赤玉土など、水はけの良い土を入れたポットに挿し、明るい日陰で管理する。
【Step4.】3〜6ヶ月ほどで発根するので、大きくなったら、一回り大きめの鉢で育てましょう。

クロマツとアカマツとの違い

クロマツとよく似たアカマツは、「女松」や「雌松」と呼ばれることがあります。
アカマツはクロマツに比べ、木全体がやわらかい雰囲気があり、美しさのある庭木。
違いは、木全体の雰囲気だけではなく、ほかにもあります。

生息地の違い

クロマツは主に海岸近くで育ち、アカマツは山など内陸で育ちます。
クロマツは、強い潮風や強風、砂嵐などと行った過酷な環境でも耐え、強い木へと生長します。

幹の違い

名前の由来にもなっている、幹の色は、クロマツは黒色で、アカマツは赤色です。
また、樹皮も違い、アカマツは、古くなると薄い皮が向けて、太く生長していきます。

葉の違い

クロマツの葉は、長くて太く、固いため、触ると痛いです。
それに対しアカマツの葉は、クロマツよりも短くて細く、やわらかいため、触っても痛くはありません。
生息地の違いがあることから、葉の固さに違いがでるようです。

冬芽の色の違い

クロマツの冬芽は白色で、アカマツの冬芽は茶色です。

松ぼっくりの違い

見た目の大きな違いはわかりにくいですが、
クロマツの方が、アカマツよりも若干大きいといわれています。
一つだけではなく、複数の松ぼっくりを観察して、その違いを見つけてみてくださいね!

クロマツの育て方と特徴の育て方・管理方法

植え付け・植え替え

●植え付け
クロマツの植え付けは、2〜4月中旬ごろが適期。水はけがよければ、土の質は選びません。
掘り起こした土に、赤玉土や腐葉土を混ぜて、有機質がたっぷりと入った、肥沃な用土で育てると、すくすくと育ちやすくて良いです。

●植え替え
クロマツを盆栽など、鉢植えで育てている場合は、植え替えを3〜4年に1度の頻度で行います。新芽が出る4〜5月ごろが鉢植えの植え替えに適しています。

肥料

1月に、クロマツの株周りに、油かすなど、固形の有機肥料を与えます。

剪定

クロマツなどのマツは、特有の剪定があり、季節にあわせて、年に2度以上は作業する必要があります。
放置すると、美しい自然樹形にはなりにくく、幹や枝が間延びして、樹形が崩れやすいです。

特に、新芽や若い枝は、間延びしやすいです。

クロマツを庭木で、また盆栽で育てている場合も、葉が下に垂れていると、不格好な全体像となり、印象も悪くなってしまいます。できるだけ、葉が上に向いた枝葉を残し、見栄え良く剪定をしましょう。

●みどり摘み(芽かき)作業
マツ特有の剪定方法の1つ、「みどり摘み(芽かき)」作業は、6~7月の間にでる、新芽を間引き、枝葉を調整する作業です。枝から、3本ほど新しい芽がでるので、Y字になるように摘み取って、樹形が崩れないように仕立てます。

作業する時期が遅れてしまうと、芽が固くなってしまい、作業が大変になるので、時期は逃さないようにしましょう!

●もみあげ作業
「もみあげ」作業は、11~3月ごろに、古い葉が落葉する前にかき取り、病害虫の予防や、健康な株になるよう、仕立てることです。常緑のマツの葉は、1年を通して木についているので、古い葉が株の内側の日当たりや風通しを悪くさせます。

放置すると、病害虫の被害にあいやすく、木にとっては大きなストレスです。Y字に枝分かれした箇所の、すぐ下の1本の古い枝、新しい2本枝の付け根をかき取り、すっきりとさせます。

詳しくは、こちらの記事も参考にしてください!
クロマツ(黒松)の木の管理方法

病害虫

クロマツは、枝や葉に黒い斑点模様のような「すす病」にかかることがあります。
原因はアブラムシやカイガラムシの排泄物によって引き起こします。
また、マツ特有のカミキリムシやケムシが、幹や葉を食害することもあります。

害虫は見つけ次第捕殺しますが、被害にあわないよう、害虫それぞれにあった薬で予防しましょう。

日当たり

庭に地植えの場合は、幼木のうちや、植え付けてから2年未満のうちは、土壌を乾かなさいよう、水をたっぷりと与えます。成木や植え付けてから2年以上たった株は、毎日水を与える必要はなく、雨の水などに切り替えて管理しましょう。夏の猛暑日が続く場合は、土の具合を確認しながら、水を与えてくださいね。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、水をたっぷりと与えます。

水やり

庭に地植えの場合は、幼木のうちや、植え付けてから2年未満のうちは、土壌を乾かなさいよう、水をたっぷりと与えます。成木や植え付けてから2年以上たった株は、毎日水を与える必要はなく、雨の水などに切り替えて管理しましょう。夏の猛暑日が続く場合は、土の具合を確認しながら、水を与えてくださいね。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、水をたっぷりと与えます。

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年間実績
3万件

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瀬尾 一樹
監修者 樹木医 瀬尾 一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。

執筆者 柴﨑光一

リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。 カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。 現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。 植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。

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