ザクロの育て方と特徴

植え付け・植え替え

●排水性・通気性のある土に

生命力の強いザクロは、基本的には用土の質は選びませんが、有機質がたっぷりと入った土で育てるのが最適です。
ただし、水はけが悪くて硬い土では根腐れが起こりやすく、枯れてしまうことも。
植え付ける前には、掘り起こした土に赤玉土、腐葉土を混ぜて、排水性・排水性を良くしておきましょう。用土の混合率は、赤玉土：腐葉土が7：3になるようにして、ダマにならないようしっかりと混ぜ合わせてくださいね！

●ザクロの適切な植え付け・植え替え時

ザクロの植え付けや植え替えの時期は、葉が落ちて休眠期に入る12〜2月ごろにします。
ただし、氷点下を下回るような極寒日に植え付けをしてしまうと、株が弱ってしまうこともあるので、できるだけ極端な気温日は避けましょう。

鉢植えの場合は、2年に1回ほどのペースで植え替えをします。
根詰まりを起こしやすく、根鉢がパンパンになってしまうと、根が呼吸できずに枯れてしまうこともあります。

●直径3〜5mほどのスペースを確保してから、ザクロの木を植え付ける

庭木に使われる木には、大きく分けると地面から出る幹が1本の「単幹樹形」と、幹が複数出てくる「株立ち樹形」と呼ばれる種類があります。
ザクロは株立ち樹形になりやすいため、最低でも直径3〜5m程度のスペースを確保しましょう。
スペースが広いと枝葉が周辺の草花に覆いかぶさってしまったり、周りの建造物を傷つけてしまったりする可能性も少なくなります。
苗木が小さくても植え付ける場所は、大きくなったときを想定して、できるだけ広めの場所に植え付けるといいです。

●ザクロの苗木の選び方と植え方

地植えで育てるザクロの苗木は、50〜70cm程度のものが丈夫で枯れる心配があまりありません。

植え穴の深さは根鉢の高さよりも3cm低くし、根鉢の表面が少し地面から出るように植え付け、足で踏んで固定します。
最後に苗木の横に支柱を立て、強風によって木が倒れないようにしましょう。

肥料

花や実をたくさん付けるザクロは、定期的に肥料を与えた方がよく育つので、植え付け時と年3回の肥料を与えましょう。
植え付けるときに元肥を、花芽が膨れはじめる3月に追肥を、花が咲き終わった7月にお礼肥を、実が付きはじめる10月に追肥を与えます。
3月と7月は花芽や実の付きが良くなるように、リン酸（P）が多めに入った緩行性化成肥料か、窒素（N）・リン酸（P）・カリウム（K）のバランスが取れた緩効性化成肥料かを与えます。
10月は速効性の液体肥料が最適です。

剪定

ザクロの木は、枝葉が横に広く伸びてキノコのような樹形になります。
成長が緩やかなので、剪定は2年に1回のペースで行いますが、背丈が高くなり過ぎたときや、地面から伸びる枝（ひこばえ）が出たときなどにもするといいです。
枯れた枝葉や不要な枝を切り落とす程度で剪定すると、花や実の付きが良い自然樹形に仕立てられますよ！

●ザクロの適切な剪定時期｜12〜2月

ザクロの剪定は、休眠期間中の12〜2月にします。
時期を間違えると、花芽を切り落としてしまったり、ザクロの株にストレスを与えて弱らしてしまったりすることもあるので、注意しましょう。

●ザクロの剪定の手順
ザクロの樹高が高過ぎてしまうと、実を収穫するときに脚立を使わないと背が届かなくなってしまうので、できるだけ2m前後に収まるように剪定するのがポイントです。

Step1. 株元から伸びるひこばえを切り落とす

地面や株元から真っ直ぐと伸びるひこばえは、生育を悪くさせるので、付け根から切り落としましょう。
花が咲きにくくなった古い株がある場合は1本のひこばえを残して、株を新しく更新することもできます。

Step2. 不要な枝や枯れた枝を取り除く

幹から伸びる太めの枝には、空へ一直線と伸びる立ち枝や、枝先から真っ直ぐと長く伸びる徒長枝が伸びやすいです。
不要な枝葉は花芽を付けないので、付け根から全て切り落としましょう。このとき、枯れて黒くなった枝も一緒に取り除きます。

Step3. 下向きに伸びる枝を残しながら、枝の数を整理する

前年に伸びた枝の先に花芽を付けるザクロは、地面に向かって斜めに垂れるような枝に実が付きやすいです。
空に背を向けた1本の枝から、斜め下に向かって伸びる枝を残しながら、上に伸びる枝を間引きましょう。
株の内側に光や風が通りやすく、生育環境も良くなりますよ！

病害虫

ザクロの日当たりや風通しが悪いと、葉の表面に白い粉が吹いたような「うんどこ病」にかかる場合もあります。
梅雨の時期や乾燥した秋ごろにはアブラムシやカイガラムシといった害虫が発生しやすいです。
また害虫の排せつ物によって菌やウイルスが繁殖し、すすびょうなどの病気にかかる場合もあるので注意しましょう。

●病気

・うどんこ病
・すす病

●害虫

・アブラムシ
・コナカイガラムシ
・ゴマダラメイガ

日当たり

ザクロは、日当たりと風通しが良い場所で育てると、葉の色味も鮮やかで元気に生長します。
日陰過ぎる場所だと幹や枝葉が間延びしやすく、初夏に花が咲かない、秋に実がならない、紅葉しない場合も。
春から夏の間にしっかり陽が当たるような、暖かい場所に植え付けるのがおすすめです。

水やり

乾燥した場所でも元気に生長するザクロは、極端に地面が乾燥しているとき以外は、基本的には自然に降る雨だけの水分で大丈夫です。
ただし、植え付け直後と、苗木が地面にしっかりと根付くまでの1年間は、土が乾燥しないように定期的に水やりをしましょう。
また、水分が実の中に入ってしまうと壊死（えし）することも。
実が付きはじめてから水分が入らないように、ビニール袋をかけておくといいです。