マグノリアはモクレン属の総称であり、コブシやハクモクレン、タイサンボクなどの園芸品種もマグノリアの仲間です。
全国的に広く植えられている人気の花木で、枝先に付く大振りの花が特徴。
花付きがよく、香りも楽しめる華やかな庭木をご紹介します。
基本5データ
- 分類
- 庭木-落葉
- 学名
- Magnolia
- 科・属名
- モクレン科・モクレン属
- 別名
- モクレン
- 草丈・樹高
- 2〜10m
- 栽培可能地域
- 東北以南
- 花色
- 赤、ピンク、白、黄色、オレンジ
- 開花期
- 3月〜4月
- 結実期
- 10月
- 耐暑性 / 耐寒性
- 強い/強い
庭木に広く植えられている人気の花木
マグノリアとは
マグノリアはモクレン属の総称です。
日本では和名の「木蓮(モクレン)」が馴染み深いですね。
しかし、欧米ではモクレン属の学名である「Magnolia(マグノリア)」と呼んでおり、近年は世界中でさまざまな園芸品種が生み出されていることから日本でもマグノリアと呼ぶことが増えてきました。
マグノリアは春の季節に咲く花がとても美しく鑑賞価値が高いことから、全国的に植えられている人気の花木です。
庭木にはもちろんのこと、街路樹や公園、庭園などさまざまな場所に植栽されています。
マグノリアの特徴
マグノリアは落葉または常緑の性質を持つ樹木です。
樹皮は灰褐色で滑らか。
葉は卵形で8〜18cmと長く、花の開花と同時に芽吹きます。
3月〜4月はマグノリアの開花期で、大振りの花姿が特徴的。
実は袋状になり、秋に熟したものは実が破れて赤色のタネが現れます。
マグノリアの種類と原産地
日本の野生種として知られるマグノリアには、コブシやタムシバ、オオヤマレンゲなどがあげられます。
コブシは北海道から九州まで分布する落葉樹で、開花期には白色の花が開きます。
タムシバとオオヤマレンゲは樹高がやや低く、本州や四国、九州などに分布している種類です。
中国原産の野生種には、日本でも馴染み深い白色の花が咲くハクモクレンやピンク色の花のシモクレンなどがあります。
北米ではキモクレンや常緑性のタイサンボクなどが分布しており、タイサンボクはミシシッピ州とルイジアナ州の州花にも指定されているポピュラーな樹木です。
花言葉は「自然への愛」「崇高」「持続性」「威厳」
マグノリアの花言葉は「自然への愛」「崇高」「持続性」「威厳」など。
「自然への愛」の花言葉は、春の季節に植物がいっせいに花を咲かせる中、大きな花をたくさんつけるマグノリアの姿が自然を謳歌しているように見えたことに由来します。
「持続性」は大昔の地層からモクレン科の植物の化石が発見され、現在も美しい花を咲かせることにちなむとのこと。
また、丈夫でどっしりと根付くことから「威厳」の花言葉が付けられたのに加え、仏教で高貴な花として知られる蓮の花に似ているのが由来し「崇高」の花言葉が付けられたと言われています。
春の季節が待ち遠しい!香りも楽しめるマグノリア
手間要らずで気軽に楽しめる庭木
マグノリアはローメンテナンスで楽しめる樹木なので、シンボルツリーやサブツリーにおすすめの庭木です。
盛んな品種改良により、現在では鉢植えで育てられる低木から中木程度のサイズが登場して気軽に育てることも可能になりました。
樹形は自然とまとまり、病害虫や寒さ・暑さにも強いため、ガーデニング初心者にもうってつけです。
常緑樹は1年中緑の葉を鑑賞でき、落葉樹なら春の清らかな新緑から秋の紅葉へ至るまで1年を通して季節の移ろいを感じることができるでしょう。
春が待ち通しくなる美しい花
マグノリアの1番の魅力といえば、思わず見惚れてしまう花の美しさでしょう。
春の訪れとともにふくよかな花が顔を出し、樹木を埋め尽くすほどのたくさんの花が咲き誇ります。
品種によって白やピンク、赤、黄色など、さまざまな花色があるので、自分好みのマグノリアを選べるのも嬉しいポイントですね。
春の訪れが待ち遠しくなるマグノリアを迎えて、心が潤う美しいお庭づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
花の香りは世界中で愛される
香り高い花を咲かせるマグノリアは、爽やかで甘さも含んだ香りが特徴的です。
香水や精油などにも使われており、リラックス効果も期待できるとのこと。
花の咲く時期は心地よい香りを楽しみながら、春の訪れを感じてみましょう。
人気のマグノリアリーフ
スワッグやドライフラワーに使われる人気のマグノリアリーフは、タインボクの葉っぱです。
タイサンボクの葉は表裏で葉色に違いがあるため、美しいコントラストを楽しめるのが魅力。
ほかの植物と組み合わせて花束作りに活用したり、スワッグやドライフラワーを作ったりするのも面白そうですね。
大振りのリーフなので、存在感抜群のおしゃれな花束作りに活躍すること間違いなしです。
マグノリアの育て方・管理方法
植え付け・植え替え
植え付けに適した時期は、落葉中の1月〜2月です。
マグノリアは基本的に大きく成長する樹木なので、コンパクトに育つ品種以外のものは鉢植えでの栽培はおすすめしません。
地植えする場合は、庭の広いスペースにゆったりと植え付けましょう。
土壌は水はけがよく肥沃な土壌を好むので、堆肥や腐葉土などをよくすき込んでから苗木を植え付けます。
このとき、根を切らないように注意して植え付けるのがポイントです。
また地植え栽培では、植え替えの必要はありません。
鉢植え栽培に限り、2年に一度は一回り大きな鉢に植え替えて根詰まりを防ぎましょう。
肥料
肥料は1月と5月に緩効性化成肥料もしくは油かすなどの有機質肥料を施します。
若木の場合は9月にも骨粉などを追肥するといいでしょう。
剪定
マグノリアは自然に樹形が整うので、定期的な剪定の必要はありません。
もし剪定を行うのであれば、花の開花後に伸び過ぎた枝や混み入った枝などを2〜3芽ほど残して剪定します。
枯れ枝や不要枝、徒長枝については付け根から切り取ってください。
病害虫
病害虫の被害は少ない樹木ですが、カイガラムシやカミキリムシの被害にあうケースがあります。
カイガラムシは大量に発生する生育が悪くなり排泄物からすす病などの病気を発症する場合もあることから、見つけ次第駆除することが大切です。
成虫は薬剤が効きにくいため、ブラシを使ってこそぎ落としましょう。
カミキリムシの幼虫はマグノリアの幹に穴を空けて、中から侵食していきます。
最悪の場合枝が折れたり枯死したりすることもあるので、こちらも発見次第すぐに薬剤を使って駆除しましょう。
日当たり
苗木を地植えしたばかりの時期は、根の張りがまだ浅いため土の表面が乾いたタイミングで水やりをします。
根付きさえすれば、降雨のみで問題ないでしょう。
鉢植え栽培では、土の表面が乾いたら水を与えてください。
夏は特に水が乾きやすいので、水切れしないように注意しましょう。
水やり
苗木を地植えしたばかりの時期は、根の張りがまだ浅いため土の表面が乾いたタイミングで水やりをします。
根付きさえすれば、降雨のみで問題ないでしょう。
鉢植え栽培では、土の表面が乾いたら水を与えてください。
夏は特に水が乾きやすいので、水切れしないように注意しましょう。