防草シートは、通常3~10年ほどで敷き直しが必要になります。
DIYで施工するとかなりの手間と時間がかかるので、一度敷いたらずっと使えたらいいのに…と感じている方は多いでしょう。
残念ながら防草シートは紫外線や天候によって劣化するため、敷くだけでは半永久的に使うことはできません。
そこでおすすめなのが、防草シートの上に砂利を敷くこと。
砂利を組み合わせることで弱点である紫外線を防ぎ、防草シートを半永久的に使うことが可能になります!
この記事では、防草シートを半永久的に使うためのポイントや施工時に押さえるべきポイント、おすすめの防草シートを厳選してご紹介します。
終わらない雑草対策にお悩みの方はぜひご覧ください。
目次
防草シートは本当に半永久的に使えるのか?
「半永久的に使える防草シート」というキャッチコピーを耳にする方もいるかもしれません。
しかし、本当に防草シートは半永久的に使えるのでしょうか?
結論から言うと、一般的な家庭用防草シートが半永久的に使えるわけではありません。
防草シートは基本的に屋外に設置するものであり、紫外線や熱、雨水などによる劣化は避けらないのです。
ただし、防草シートの上に砂利や人工芝といったアイテムを敷くことで、半永久的に使うことが可能になります。
砂利などが紫外線を遮断し、防草シートを保護することで寿命を延ばせるからです。
防草シートを半永久的に使用したい場合は、耐用年数が長い高性能な防草シートを選び、防草シートの上に砂利などのアイテムを敷いて使いましょう。
砂利だけでもさまざまな種類があるので、見た目をおしゃれにしたり、防犯効果を高めることもできますよ。
防草シートの上に敷くアイテムについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
防草シートの一般的な耐用年数
防草シートの耐用年数は使用している素材や構造、設置する環境などで大きく異なります。
一般的にポリエチレン製の安価な防草シートは紫外線や経年劣化に弱く、2~3年程度で破れてしまうことも。
一方、ポリエステルやポリプロピレンの高密度な防草シートは耐久性が高く、適切な施工と環境下であれば10年以上使用できる製品もあります。
ただし、耐久性の高い防草シートであっても、むき出しであれば紫外線や摩擦、動物による損傷などによって徐々に劣化していきます。
商品に記載してある耐用年数は目安として考えておきましょう。
半永久的に使用するためのポイント
防草シートを半永久的に使用するには、第一に高品質な製品を選ぶことが大切です。
もちろん価格は上がりますが、その分使用できる期間が長くなります。
紫外線や人の重さに耐える強度のある防草シートを選びましょう。
素材はもちろんのこと厚みも重要な要素で、厚いシートほど耐久性が高い傾向にあります。
次に、適切な施工方法を守ること。
防草シートをピンで固定し、重なり合う部分や端の部分をしっかりと密着させることで、寿命を延ばすことができます。
適切に施工したうえで、シートの上に砂利や人工芝などを敷き、紫外線からシートを保護しましょう。
防草シートに破れや剥がれが生じていないか定期的に確認することも忘れずに。
必要に応じて修理を行いましょう。
防草シートの耐久性を左右する施工方法
防草シートの寿命は、施工方法によって大きく左右されます。
適切な施工を行うことで防草シートの耐久性を高め、雑草の発生を長期的に抑えることができます。
砂利下施工と曝露施工の違い
砂利下施工は、防草シートの上に砂利や砕石を敷き詰める方法です。
雑草の発生を防ぐだけでなく防草シートを紫外線や物理的なダメージから保護し、耐久性を高める効果も。
見た目の向上にもつながり、庭のデザイン性を高めることができます。
一方、曝露施工は土の上に防草シートを敷いて完結するシンプルな施工方法です。
砂利下施工に比べて施工が簡単で、コストを抑えることができます。
しかし、むき出しの状態の防草シートは紫外線や風雨に直接さらされるので劣化が早く、半永久的に防草効果を持続するのは難しいです。
施工時に押さえるべきポイント
防草シートを砂利下施工する際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 下地は念入りに整える
施工前に、念入りに地盤を整備することが大切です。
草だけでなく石や根を取り除き、平らな状態にしてから防草シートを敷きましょう。
範囲が広い場合は除草剤の使用も効果的です。
砂利を敷く部分と周囲の高さを合わせるため、不要な土は減らしておきましょう。 - 隙間がないように重ねる
防草シートを重ねる部分に隙間があると雑草が生えるだけでなく、風や雨水でシートが剥がれる原因になります。
必ず10cm以上重ねてから固定ピンで留め、隙間ができないようにしましょう。
さらに粘着テープで貼り合わせると安心です。 - 固定ピンで固定する
防草シートを固定する際は、防草シート用のピンを使いましょう。
土に合った形や素材のピンを選び十分な本数で固定することで、風でシートがめくれ上がるのを防げます。
土やゴミが溜まる原因になるので、ピンのかわりに石やレンガを重しとして使うのはおすすめしません。 - 端を丁寧に処理する
防草シートの端の部分は雑草が生えやすいです。
端が壁などに接している場合は隙間ができないように防草シートの端を10cmほど立ち上げ、粘着テープで壁に密着させてください。
大きめにカットして余った部分を折りこみ、二重になった状態で固定しても良いでしょう。 - 砂利は防草シートが見えない厚みで敷く
防草シートに紫外線が直接当たらないよう、隙間なく砂利を敷きつめます。
凸凹があると歩きにくくなったり、水や土埃が溜まりやすくなったりするので、レーキなどを使って均一にならしましょう。
厚さは4~5cm程度がおすすめです。
半永久使用におすすめの防草シート素材と性能
半永久的に使用できる防草シートを選ぶために、素材の特性を理解しましょう。
防草シートにはさまざまな製品がありますが、その中でも耐久性が高く、長寿命なものが求められます。
不織布と織布、防草シートの違い
防草シートは、織り方の構造によって「不織布」と「織布」という2つのタイプに分けることができます。
一般的に不織布の方が防草効果が高い傾向にあります。
不織布タイプの防草シートは、繊維を絡ませたり圧力をかけたりしてシート状にしたもので、緻密で耐久性が高いのが特徴です。
一般的にポリプロピレンやポリエステルなどの合成繊維が使用されています。
強度があり長期間の使用に耐えるので、プロの施工現場でも多く採用されています。
織布タイプの防草シートは糸を縦横に織り込んで作られたもので、不織布に比べて薄く通気性があります。
比較的安価ですが耐久性が低く、短期間での交換が必要になることも。
密度が低いと先の尖った雑草が出てきやすいというデメリットもあります。
貫通抵抗力・透水性・遮光性が重要な理由
防草シートを選ぶ上では、貫通抵抗力、透水性、遮光性という3つの性能も重要です。
これらがバランスよく備わっているシートを選ぶことで、長寿命で効果的な防草対策を実現できますよ。
貫通抵抗力は、雑草が防草シートを突き破るのを防ぐ力です。
スギナやチガヤなどのたくましい雑草は防草シートの下であっても発芽・成長できてしまうことがあります。
貫通抵抗力が高い製品ほど、そういった雑草も生えにくくなります。
水が浸透する力を透水性といいます。防水シートにおいて「透水性が高い」というのは、水はけがいいということ。
透水性が低いと防草シートの上下に水や土が溜まりやすく、加水分解などによって劣化につながったり、雑草が生えたりする可能性があります。
一般家庭向けの防草シートは基本的に透水性がありますが、水を通さないタイプも存在するので、確認したうえで購入しましょう。
遮光性は光を遮断する能力です。
遮光性が低い防草シートだと日光がシート下まで届き、雑草の光合成と成長を止めることができません。
「防草シートが盛り上がっているなと思ったら、シートの下で雑草がたくさん育ってしまっている」ということもあり得ます。
防草効果を持続するためには、遮光率99%以上の遮光性が高いシートがおすすめです。
素材別の耐久性と選び方のポイント
防草シートの素材はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンの3つが一般的です。
素材によって耐久性にも違いが出てきます。
ポリエステル素材の防草シートは、ポリプロピレン、ポリエチレンに比べて特に丈夫とされています。
熱や紫外線に強いので耐久性が高く、直射日光がよく当たるような場所でも劣化しにくいのが特徴です。
価格は高いものの、長寿命が期待できるでしょう。
ポリプロピレンは加水分解しない性質と、酸性・アルカリ性への耐性を持ち、雨などの水分に強いのが特徴です。
紫外線に弱いので曝露施工だと劣化しやすいですが、紫外線での劣化を防ぐUV剤が使われている製品も多くあります。
ポリエチレンを使った防草シートは、ほかの素材に比べて安価で入手しやすい点が特徴です。
デメリットはポリプロピレンやポリエステルに比べて耐久性が低く、紫外線や経年劣化の影響を受けやすいこと。
そのため短期間の防草対策の場合や、交換作業も適宜行える場合に適しています。
構造によっても異なりますが、基本的に耐久性はポリエステルが一番高く、次にポリプロピレン、ポリエチレンの順で続きます。
価格もポリエステルが一番高いですが、半永久的に使うことを考えれば結果的にコストパフォーマンスも優れている素材といえます。
防草シートは素材の特徴を比較し、敷きたい場所や目的、予算に合わせて最適なものを選びましょう。
半永久的に使える防草シートのおすすめ商品
ここでは、半永久的な使用が期待できる防草シートとして、おすすめの3つの製品を比較しながらご紹介します。
ザバーン® 240
ザバーンは、アメリカのデュポン社が開発した高強度な防草シートです。ポリプロピレンの太い繊維を立体的に絡ませた構造で、品質の高さからプロの施工現場でも多く採用されています。ポリプロピレン100%なので、加水分解されないのもポイントです。
ザバーンには136・240・350の3つのグレードがあり、数字によって強度が異なります。
一般家庭で防草シートを半永久的に使いたい場合は、ザバーン 240がおすすめです。
最も防草効果が高いのはザバーン 350ですが、ザバーン 240のほうが薄く、施工しやすさも兼ね備えているためです。
スギナやチガヤといった貫通力の強い雑草も抑えてくれますよ。
ナックスEXエキスパート
ナックスEXエキスパートは、防草緑化用資材などの製造・販売を行う白崎コーポレーションが開発した高性能防草シートです。
ポリエステル高密度長繊維不織布に耐候処理をすることで、高い強度と耐久性を実現しています。
ナックスにはザバーン同様に複数のグレードがありますが、EXエキスパートは特に紫外線に強いという特徴があります。
比較的リーズナブルでありながら長期間の使用が可能なので、コストパフォーマンスを重視する方におすすめです。
KOMA250
小泉製麻株式会社のKOMA250は、繊維と繊維の隙間にムラが生じにくい高密度の長繊維不織布です。
イネ科などの強靭な雑草の突き抜けに特に効果的で、セイタカアワダチソウやヨモギといったやっかいな雑草もしっかり抑制してくれます。
曝露施工にも長く耐える耐久性がありますが、ハサミやカッターで簡単に切れるのもうれしいところ。
表面に施したエンボス加工によって柔軟性があるので、曲面や起伏のある場所にもなじみやすいです。
高性能防草シートの比較表
商品名 | ザバーン®240 | ナックスEXエキスパート | KOMA250 |
製造 | デュポン社 | 白崎コーポレーション | 小泉製麻株式会社 |
素材 | ポリプロピレン | ポリエステル | ポリエステル |
構造(織り方) | 4層スパンボンド長繊維不織布 | スパンボンド長繊維不織布 | スパンボンド長繊維不織布 |
遮光率 | 99.7% | 99.9%以上 | 99%以上 |
重量 | 240g/㎡ | 240g/㎡ | 250g/㎡ |
厚さ | 0.64mm | 0.65mm | 0.6mm |
耐用年数(暴露施工) | 約7~13年 | 約7年~ | 約5年~ |
耐用年数(砂利下施工) | 半永久 | 半永久 | 半永久 |
サイズ展開 | 100cm×30m / 200cm×30m | 100cm×15m / 100cm×30m / 200cm×30m | 110cm×50m / 210cm×50m |
防草シートを長持ちさせるためのメンテナンス方法
防草シートは適切なメンテナンスを行うことで寿命を延ばし、効果的に雑草の発生を抑えられます。
具体的なメンテナンス方法を見ていきましょう。
使用後の防草シートのメンテナンス方法
特に、以下の点に注意してメンテナンスを行いましょう。
- 落ち葉や土を取り除く
防草シートの上にたまった落ち葉や土などは定期的に取り除きましょう。
放っておくと防草シートの劣化を早めるほか、風などで運ばれてきた種子が発芽してしまう原因にもなります。 - シートを補修する
防草シートは、人が歩く際の摩擦や強風などで破れたり剥がれたりすることがあります。
わずかな隙間も雑草が生えてくる原因になるので、見つけ次第補修を行いましょう。
小さい穴であれば、防草シート用の粘着テープで隙間なく貼り合わせればOKです。
粘着テープで対応しきれない場合は、穴より大きくカットした防草シートを重ね、動かないように固定ピンで留めましょう。 - 固定ピンを確認する
固定ピンが緩んでいないか、紛失していないかを確認し、必要に応じて増設や交換を行ってください。
また、固定ピンを挿している穴から雑草が生えていないかも確認しましょう。 - 周辺も整備する
防草シートの上だけでなく、周辺に生えている雑草もこまめに取り除きましょう。
周辺の雑草が大きくなるとシートを押し上げたり、シートの下に根を広げてしまう可能性があります。
雑草が隙間から生えてきた場合の対策
防草シートを敷いていても、完全に雑草の心配がなくなるわけではありません。
シートどうしの隙間や、シートと砂利の間は要注意です。
雑草が生えているのに気づいたら、早めに対策しましょう。
- 雑草の除去
防草シートの隙間や、砂利の層から生えてきた雑草はすぐに取り除きましょう。
根が張ってしまうと抜きにくくなるので、小さいうちに根ごと抜き取るのが理想です。
同じ場所から何度も雑草が生えるのであれば、目立たない穴が開いているかもしれません。
特定して粘着テープなどで補修しましょう。 - 隙間の補修
防草シートを重ねて敷いている場合、重なり部分がせまいと隙間から雑草が生えてくることがあります。
その場合は雑草を抜き取り、防草シート用の粘着テープで貼り合わせて補修しましょう。
防草シートの端とブロック塀などの構造物が接している部分も、雑草が出てきやすいので注意が必要です。 - 防草シートの重なり部分の補修
防草シートを重ね合わせた部分は、下地づくりが不十分だったり、強風にあおられたりしてめくれてしまうことがあります。
再度ぴったりと重ね合わせ、固定ピンと粘着テープで固定しましょう。
長期間効果を保つための注意点
防草シートを長期間効果的に使用するために、メンテナンスだけでなく以下のポイントも意識しておきましょう。
- 紫外線が当たらないようにする
紫外線は防草シートを劣化させ、雑草が育ったり発芽したりする原因になります。
長い間防草効果を保つために、上に砂利を敷いて紫外線を遮りましょう。 - 施工前の準備を念入りに
防草シートを敷く前に、入念に地面を整備しましょう。
手間はかかりますが、雑草の根や石をきれいに取り除き、平らな状態にしてからシートを敷くことで十分に性能を発揮できます。
雑草を抜いたあとに土壌処理型の除草剤を使うのもおすすめです。 - 高性能なシートを選ぶ
防草シートの素材や構造を比較し、耐久性が高く、紫外線に強い製品を選びましょう。
高性能なシートはそのぶん価格も高い傾向にありますが、長持ちすることで結果的にコストダウンにつながりますよ。 - 固定ピンや粘着テープを使って固定する
施工場所の土の硬さに合わせた固定ピンを用意し、十分な本数で防草シートを固定しましょう。
防草シートが重なる部分は、粘着テープで貼り合わせて隙間ができないようにしましょう。
まとめ:ザバーンの防草シート施工を検討しているなら、smileガーデンのキャンペーンがおすすめ!
防草シートを半永久的に使うための主なポイントは以下のとおりです。
あわせてメンテナンスも行うことで、高い防草効果を保ちましょう。
- 高品質な防草シートを選ぶ
- 適切な施工を行う
- 砂利下施工によって紫外線を遮る
ただし、せっかく防草シートを敷いても、施工が不十分だったり、劣化したシートを放置していたりすると効果が得られないことも。
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愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。
植物とコーヒーを愛するWebライター。園芸好きの一家に生まれ、幼いころから花と緑に囲まれて育ちました。現在の住まいでは、ナチュラルな雑木の庭を目指して試行錯誤中です。 趣味はガーデニング、家庭菜園、メディカルハーブ。子どもと一緒に植物のある暮らしを楽しんでいます。