庭をもっとカジュアルに愉しむ。smileスタイル
月桂樹 ゲッケイジュ
2021.11.04

ゲッケイジュ

ゲッケイジュは、葉に芳香のある常緑樹。乾燥させた葉は、ローリエやローレルと呼ばれる香辛料として活用できる。放任しても樹形がまとまりやすく、楕円形の美しい形に育つのが特徴。好みの形に刈り込み、シンボルツリーや生垣として楽しむこともできる。
 
ゲッケイジュの管理方法はこちら

基本データ

  • 分類庭木-常緑
  • 学名Laurus nobilis
  • 科・属名クスノキ科ゲッケイジュ属
  • 別名ローリエ、ローレル、スイートベイ、ベイツリー

芳香のある葉はカレーやシチューのスパイスにもなる

ゲッケイジュとは

 
ゲッケイジュ(月桂樹)は、クスノキ科ゲッケイジュ属に分類される、地中海原産の常緑高木です。
 

葉が香辛料として利用できることや、暑さや乾燥に強く管理しやすいことから、庭木として人気のある樹木です。
 

シンボルツリーやサブツリーとして活躍するほか、芽吹きが強い性質を活かし、自由に刈り込んで生垣やトピアリー仕立てにすることもできます。
 

4月~5月には黄色い小花が咲きます。
雌雄異株なので、実を楽しむためには雌株を選んでください。
挿し木で増やされることが多く、日本では雄株のほうが多く流通しています。
 

乾燥させた葉は香辛料の「ローリエ」

 
ローリエ写真

ゲッケイジュの葉には爽やかな香りがあり、乾燥させた葉はクッキングハーブの「ローリエ」になります。
ローリエは、カレーやシチュー、ポトフなどの煮込み料理のほか、魚や肉の臭み消しにも役立つスパイスです。
 

ローリエは、自宅の庭に植えたゲッケイジュの葉を摘んで作ることもできます。
新芽や若い葉よりも、半年~1年経過したような古い葉が収穫に適しています。
 

ローリエの作り方は次の通りです。
 

【ローリエの作り方】
・ゲッケイジュの葉を必要な枚数摘む
・軽く水洗いして沸騰したお湯にサッとくぐらせる
・水気をきり、風通しの良い場所で陰干しする
・1週間~2週間ほど乾燥させる
 
 

勝利や栄誉のシンボルでもある

 
ローリエ写真その2
ゲッケイジュは、ギリシャ神話の神アポローンの聖樹として崇められてきました。
アポローンの祭りである「ピューティア大祭」の勝者に、ゲッケイジュの枝葉を編んだ「月桂冠」が与えられたと言われています。
 

このことから、ゲッケイジュは勝利や栄誉の象徴として扱われ、記念樹として植えられることも多々あります。
 
花言葉は「勝利」「名誉」「栄光」です。
 

シンボルツリーから生垣まで用途は幅広い

大きくしたくない場合は鉢植えがおすすめ

 
1年中緑を楽しめるシンボルツリーやサブツリーとして人気です。
大きく育てば樹高10m以上にもなるため、ある程度のスペースを確保できる場所に植え付けます。
小さく維持したい場合は、こまめに剪定するか、鉢植えで栽培するのがおすすめです。
 

芽吹きが旺盛で、しっかりと刈り込えめば生垣やトピアリーとしても使えます。
枝葉が密集しているため、外部からの視線を遮る目隠しにもぴったりな樹です。
 

花も楽しめる

 
ゲッケイジュの花の写真
ゲッケイジュは、4月~5月に小さな黄色い花を咲かせます。
一つひとつの花は小さいですが、密集して咲くため遠目には見ごたえがあります。
 

1年を通して見た目に変化の少ない常緑樹とはいえ、開花で季節感を味わえます。
雌株なら、秋の結実も楽しめますよ。
 

明るさを出したいときには斑入りや黄金葉品種がぴったり

 
ゲッケイジュの品種の中には、葉に黄色~白色の斑が入るものや、黄金葉品種の「オーレア」もあります。
 

濃い緑色の葉が密集しているゲッケイジュは、得てして重めの印象になりがちです。
明るさや軽さを演出したいときは、斑入りや黄金葉品種を検討してみてください。

育て方・管理方法

詳細情報

 
草丈・樹高
3m~10m

 
栽培可能地域
東北以南

 
花色
黄色

 
開花期
4月~5月

 
結実期
10月

 
耐暑性/耐寒性
耐暑性・耐寒性共にあります。ただし、暖かい地域が原産なので、地域によっては冬期の管理に気を付けてください。
越冬温度は-8℃を目安とし、それ以下となる場合は防寒対策をしましょう。

 

育て方

 
植え付け・植え替え
適期は、4月~5月または9月です。水はけがよく肥沃な土地が向いています。
 
鉢植えでは、根が鉢いっぱいになり次第、一回り大きな鉢に植え替えます。
移植を嫌うため、根を傷つけないように注意してください。
植え付けてから根付くまでは、地植え・鉢植え共にたっぷりと水をやってください。
 
芽吹きが良く生育旺盛な樹です。生長する速度も早いため、植え付ける場所は熟慮しましょう。
小さな庭や、隣家との間隔が狭い場所には、よく考えてから植栽してください。
コンパクトに維持する場合、こまめに剪定する必要があります。

 
肥料
地植えの場合、極端に生育が悪くないようであれば、元肥のみで追肥は特に必要ありません。
鉢植えでは、3要素等量の緩効性肥料を元肥として施し、春~夏にかけてチッ素多めの液体肥料を月に2~3回与えてください。

 
剪定
剪定や刈り込みに適した時期は、4月および10月ごろです。
株全体のバランスを見ながら、樹形を整えるように剪定します。
芽吹きが良いため、やや強めに刈り込んでも問題ありません。
 
樹形が乱れにくい性質なので、大きくなってもかまわない場合は、ある程度放任しても大丈夫です。枝葉が混みあいすぎて風通しが悪そうであれば、透かすように剪定してください。

 
病害虫
枝葉に発生するハマキムシやカイガラムシに注意します。葉を食害したり、吸汁したりして樹を弱らせます。見つけ次第捕殺するか、ブラシなどでかき落としてください。
カイガラムシの成虫には薬剤が効きにくいため、幼虫のうちか発生前に薬剤散布し予防しておくと良いでしょう。風通しを良くすることも対策になります。
 
また、カイガラムシが誘発するスス病にも要注意。葉や枝がススで覆われたように真っ黒になり、見た目が悪くなるだけでなく、光合成を妨げて樹の生育にも悪影響を及ぼします。カイガラムシを発生させないことがスス病の予防方法です。

 
日当たり
日当たりの良い場所を好みますが、建物の陰など半日陰でも栽培可能です。

 
水やり
一度根付いてしまえば、特に水やりは必要ありません。
庭植えの場合は植え付け直後に、鉢植えの場合は鉢土が乾ききったら、たっぷり水をやります。ある程度の乾燥には耐えるので、鉢植えでも水を過剰に与える必要はありません。

出典(引用元)

平野隆久『よくわかる樹木大図鑑』永岡書店
椎葉林弘『よくわかる庭木大図鑑』永岡書店
小幡和夫ほか『樹木博士入門』全国農村教育協会

TOPへ