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カキ、柿
2021.10.04

カキ

古くから親しまれてきた、歴史ある果樹。タンニンが多く含まれる渋柿も、干せば美味しく食べることができる。食べるためだけでなく、盆栽につかわれるロウヤガキのような観賞用の種類や品種も豊富。
 
カキ(柿)の木の管理方法はこちら

基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Diospyros kaki Thunb.
  • 科・属名カキノキ科カキノキ属
  • 別名カキノキなど

昔ながらの歴史ある果樹

カキとは

 
カキは、カキノキ科カキノキ属の落葉樹です。
日本では本州から九州まで広く分布し、山や雑木林で自生している姿がよくみられます。
よく似た仲間として西日本に分布するリュウキュウマメガキや、中国などが原産のマメガキ、カキ自体にも葉がやや小型のヤマガキという変種があり、正確な識別には葉っぱの毛などを確認する必要があります。
果樹として古くから育てられていて、今でも庭先や柿農園などでよく育てられている人気のある果樹です。
果実の旬は秋ですが、花は春から初夏にかけて小さな花が咲きます。
花言葉は「自然美」「やさしさ」など。
 

古くから親しまれてきた歴史ある木

 
日本に生えているカキは中国原産だと言われている説がありますが、いまだにカキがどう生まれてどこからどうやって来たのかははっきりしません。
ただ古くから日本で親しまれてきたというのは事実で、縄文時代の遺跡からカキの種が発掘され、明治時代末期にはおよそ千品種ものカキが記載されていたそうです。
カキには大きく分けて甘柿と渋柿の品種があり、市販されているのは一般的に甘柿品種。
甘柿品種は中国では20世紀後半に初めて発見されたのに対し、日本では13世紀には最も古いといわれる甘柿品種ができていました。
干したりしなくても手軽に甘くて大きな果実が食べられたというのも、日本で古くから親しまれてきた要因かもしれません。
 

食べる以外の魅力も

 
カキと聞くと皮を剥かれて食卓に上げられた美味しい果実を想像する方が多いと思いますが、カキには食べること以外にも魅力があります。
秋に葉っぱが落ちてオレンジの実がぶら下がっている様子は昔の農村を思わせる心温まる光景で、渋柿でも放っておくと渋みが取れて野鳥たちの憩いの場となります。
鑑賞用としてもよく植えられていて、果実が小さく食用にならないロウヤガキなどが盆栽や庭木として広く栽培されていて人気です。
また、渋みがなくなるメカニズムも品種によって色々あり、種でつくられる成分によって渋みの原因であるタンニンが溶け出さなくなるものや、タンニンを蓄積する能力が低いものなどがあり、科学的にも面白い植物です。

見て楽しみ、食べて楽しむ

鑑賞したあとはデザートに

 
カキの一番の魅力はやはり果実のおいしさです。
実がたくさんなって秋を感じさせる風景に心温まったあとは、収穫しておやつや食後のデザートにしましょう。
カキは基本的に一つの木に雄花と雌花が咲く雌雄同株の木です。
ただし品種によっては雌雄別々に咲くものもあり、そうした場合は雄花も咲く株と一緒に植えなければいけないので注意が必要です。
甘柿には雌花しか咲かないものがよくあるので植える前に品種をよく調べてみるようにしましょう。
 

庭に生き物が集まる

 
ここまで大きくて目立つ果実は自然界にあまりないというのもあって、カキにはたくさんの生き物が集まります。
熟して柔らかくなった果実にはハナムグリやタテハチョウが集まるほか、鳥がたくさん集まってくるのが特徴です。
冬までの短い間ですが、庭先が鳥たちでにぎわっているのを楽しんでみるのも良いかもしれません。
また、鳥たちは多すぎると糞害などがありますが、少し賑わう程度なら庭の害虫を食べてくれたり植物の種を運んでくれたりするので、そういったメリットもあります。
 

いろいろな品種を植えてみる

 
カキには数えきれないくらいたくさんの品種があるので、カキの育て方を覚えたらいろいろな品種を植えて食べ比べてみても良いかもしれません。
甘柿にもさまざまなものがあり、少ないですが渋柿の品種もあります。
品種ごとの微妙な違いや、それぞれの魅力がわかると楽しいです。
もしかするとうまく掛け合わさって、より良いカキができるかもしれません。

育て方・管理方法

詳細情報

 
草丈・樹高
5~10m

 
栽培可能地域
東北以南

 
花色
淡黄色

 
開花期
5月~6月

 
結実期
10月~11月

 
耐暑性/耐寒性
どちらも普通

 

育て方

 
植え付け・植え替え
11月~3月の、葉っぱが落ちている間に行います。
苗木を植える場合は寒い時期を避け、3月ごろに行うのが賢明です。
また、移植はやや失敗しやすいので、大木になってからの移植は控えましょう。
 
土をあまり選ばない木ですが、多少排水性が低くても保水力と保肥力のある土が好きです。
暗い場所でも育ちますが、つく実の数が少なくなるのでなるべく明るいところを選びましょう。

 
肥料
果実をつけた場合、12月~2月の冬の間にお礼肥として鶏糞や油かす、化成肥料などを与えます。
また、果実を大きく甘くするためには8月下旬~9月ごろに塩化カリウムを与えるのが良いと言われています。

 
剪定
12月~3月の葉っぱが落ちている間に行います。
風通しをよくするために混んだ枝をすかして整理するほか、放っておくと10mにもなって果実の収穫が難しくなるので、こまめに高さを抑える剪定をするのも大事です。
だいたい脚立があれば収穫できる2mくらいに留めておくのが良いでしょう。

 
病害虫
比較的多いです。
菌による病害としては円星落葉病や角斑落葉病などが特に目立ちます。
どちらも葉っぱに斑紋ができる病気で、円星落葉病は葉っぱに丸い斑紋が、角斑落葉病は葉っぱに葉脈で区切られた斑紋ができるのが特徴です。
 
いずれも庭に植えてあるようなカキには大概発生しているような印象ですが、対策としては病気の出ている落葉を全て焼却処分することと、病気の発生初期に登録された薬剤を散布し、それ以上の蔓延を防ぐようにします。
 
害虫としては、アメリカシロヒトリやイラガ類のようなガの幼虫に葉っぱを食べられることがありますが、特に被害が大きいものにカキノヘタムシガがいます。
カキノヘタムシガは、幼虫が果実を食べてヘタを残して地面に落としてしまうのが特徴です。
 
果実を収穫したい場合はとてもやっかいなので、発生初期に登録された薬剤を散布するか、ヘタの部分に幼虫がいるので駆除したり、樹皮の隙間で繭になって冬を越す性質があるので、樹皮に冬の間こも巻きをして春が来る前に繭を駆除するなどの方法があります。

 
日当たり
日当たりの良い場所が好きです。
少しくらいなら日陰でも育ちますが、果実のできる量が少なくなるのであまりおすすめしません。

 
水やり
植え付けてしばらくは行いますが、普通あまり気にしなくても大丈夫です。
夏場乾燥がひどくて、見るからに元気がないようなときはたっぷり水をあげましょう。

出典(引用元)

日本樹木医会
「樹木医必携」
村越匡芳監修
「庭に植えたい樹木図鑑」
山と渓谷社
「山渓ハンディ図鑑 木に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物」
岩谷美苗著
「散歩が楽しくなる樹の手帳」
矢口行雄監修
「樹木医が教える緑化樹木辞典」
神崎真哉. 柿の起源と品種分化. 日本食品科学工学会誌, 2016, 63.7: 328-330.

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