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イヌツゲ
2021.09.03

イヌツゲ

公園や住宅の生垣としてよく見るイヌツゲ。
実は北海道から九州まで、日本全国で育てられ、寒さ暑さにとても強い木です。
管理のしやすい庭木なので、初心者にはおすすめ。
この記事では、イヌツゲの特徴や枯らさない育て方、ツゲとの違いなどについて解説します!

基本データ

  • 分類庭木-生垣
  • 学名Ilex crenata
  • 科・属名モチノキ科・モチノキ属
  • 別名ヤマツゲ、ニセツゲ

イヌツゲの特徴とは?ツゲとの違いについて解説

イヌツゲとは|初心者でも育てやすい強い木

 
イヌツゲは本州から九州までと日本を始め、朝鮮半島にも広く生息する木です。
日本では住宅やビルの生垣として植えられていることが多く、普段見かける樹高は高くても約5m前後。
けれども、自然界では10m以上生長する常緑高木樹です。
 

放置すると高く生長しますが、芽吹く力が強く、強剪定で深く刈り込むことができ、高さを自由に調整することができます。
比較的初心者でも扱いやすい樹木ですよ。
 

耐寒性、耐暑性に加え、耐陰性も強く、初心者にはとてもやさしい庭木。
また、煙害や塩害などの環境の悪い場所でも育つ生命力の強い木です。
 

似たような姿をする「ツゲ(ツゲ科ツゲ属)」とは、まったくの別物で、種類も異なります。
イヌツゲは高級なツゲよりも、材質が劣るため低級を表す「イヌ」とつけられたようです。
 

イヌツゲの葉|枝から互い違いに展開する

 
イヌツゲの葉は、長さ1〜3cmの楕円形で、枝節から互い違いに出て展開します。
また葉色は濃緑で、葉縁は、バラの葉のようにギザギザした鋸歯をもつ特徴も。
 

ツゲとの違いは枝葉で見分けることができます。
ツゲは葉を枝から対になって出し、展開。
葉の縁は、ギザギザしているので、見分けやすい点です。
 

イヌツゲの花|花言葉は「魅惑」「堅固」

 
イヌツゲは、晩春から初夏にかけて小さな白い花を咲かせます。
葉の付け根から、花茎を伸ばし、儚げに咲く姿がとてもかわいいです。
 

そんなキュートな花を咲かせるイヌツゲですが、花言葉は「魅惑」と「堅固」です。
枝葉の中に小さく咲く白い花は、さりげなく人を引きつける美しさがあります。
 

また、寒さや暑さにも耐えられる強い木なので、「堅固」とつけられたのでしょう。
 

イヌツゲは4弁花で咲かせますが、ツゲは花弁のない花を咲かせる大きな違いがありますよ。
 

イヌツゲの実|秋も楽しめる毒のない果実

 
秋になるとイヌツゲは、黒紫色の果実を実らせます。
落ち着いた色合いは、秋の静けが感じられ、風情のある姿が楽しめられるでしょう。
 

実は食べても問題はありませんが、食用にはならないので、鳥の餌としてあげるのが良いです。

庭木にはとても優秀な木

イヌツゲは、ツゲよりも材質が劣ることから、この名前がつけられましたが、庭木ではとても優秀な木です。
生長がツゲよりも早く、芽吹く力がとても強いので、強剪定で深く刈り込むことができます。
生垣やオブジェ、グランドカバーなどさまざまな用途で使えますよ。
 

また、仕立て方によっては、和風と洋風どちらの庭のテイストでも合うので、選びやすい庭木の一つです。
 

剪定の仕方は自由!樹形を好みの形にできる

 

の写真

イヌツゲは剪定で自由に刈り込むことができる木。
日本庭園では玉散らしや玉仕立てと呼ばれる、雲を並べたような樹形や丸い球体に仕立てものなどが多くあります。
 

イギリスやフランスの庭園では、トピアリーと呼ばれる動物のシルエットをモチーフにした仕立て方もあるので、好みの形にしやすい庭木でしょう。
 

環境が悪くても元気に生長する

 
煙害や塩害などの被害が多い場所で育てられるほか、耐陰性が強い木なので、北側の日当たりの悪い場所でも育てられます。
 

暗すぎると葉は茶色く変色し、枯れることもあるので注意してくださいね。
日の光が樹冠の内側まで届くように透かしてあげるとよいです。

育て方・管理方法

詳細情報

 
草丈・樹高
1m〜4m

 
栽培可能地域
全国

 
花色

 
開花期
5月〜7月

 
結実期
10月〜11月

 
耐暑性/耐寒性
強い/強い

 

育て方

 
植え付け・植え替え
○植え付け・植え替えの時期と仕方
イヌツゲの植え付け、植え替え適期は春と秋の2回です。
春は4月〜6月、秋は9月〜10月の間に、地植え・鉢植えのどちらでも、生長も損なわずできます。
 

庭に地植えする場合は、根鉢よりも一回り大きい穴を掘ったあとに、有機肥料か緩効性肥料を入れて植え付けましょう。
 

鉢植えの場合も、根鉢より一回り大きな植木鉢に入れ、赤玉土(中)と腐葉土を混ぜた用土に植えつけます。
 

○植え付け・植え替えの注意とポイント
イヌツゲは、水はけのよい土を好み、肥沃な土壌で良く育ちます。
地植えで元肥を入れたあとは、土と一緒に、腐葉土やバーク堆肥などを混ぜ込んむと、より通気性の優れた用土ができますよ。

 
肥料
地植えの場合は、2月に有機質肥料を株元に埋めますが、垣根のように密集して埋めにくい場合は、株の上からパラパラとまくと良いでしょう。
葉についた肥料は必ずはたき落としてくださいね。
 

鉢植えの場合は、3月に化成肥料を株元にまきます。

 
剪定
○剪定の時期|夏と秋の2回に分けてやろう!
イヌツゲの生長スピードは早く、4月〜6月の期間は生育旺盛な時期です。
新芽が芽吹き、枝葉がどんどん伸びるので、放置するとすぐ樹形が大変なことに。
 

寒くなる9月以降には生長の勢いは落ち着き、冬は葉を付けたまま、そのままの樹形を保って年を迎えます。
 

ですので、6月以降に一度刈り込みをして、樹形を整え、9月以降になったら、もう一度全体を整えてあげるのがおすすめです!
 

○剪定の注意|表面だけではなく、樹冠の内側にも目を向けよう!
生垣になるイヌツゲは、葉が細かく密集しており、樹冠内は通気性が悪いです。
表面の枝葉は緑色で生い茂っていても、中は茶色く枯れていることが多いでしょう。
 

剪定をするときは、表面だけではなく、内側の枝葉まで刈り込んで、風通しよくすることです。
 

○剪定の仕方|強剪定かつ透かし剪定で
イヌツゲは生長スピードが早く、芽吹く力もとても強い樹木です。
強剪定で刈り込むことができますが、表面に見えている枝だけではなく、枯れ込んだ中の枝葉も切って、透かしていくことが大事!
 
強剪定かつ透かし剪定で、中の混み合った箇所、枯れた箇所を切り落として、風通しよく、涼しい環境を作ってあげてくださいね。

 
病害虫
比較的病気にかかる被害が少ないイヌツゲですが、まれにイヌツゲ特有の「枝枯病」という病気にかかることがあります。
 

また、ガの幼虫の被害が多いので、害虫対策は徹底して行うことがよいです。
 

○病気
・枝枯病:カビによって、幹や枝の側面が陥没、樹皮の剥離が起き、葉が枯死。
次第に株全体に広がり、放置すると株そのものが枯れることもあります。
 

原因は剪定した枝の切り口や、雨風による枝同士の擦傷による切り口からの感染が多いです。
梅雨や夏場の時期、風通しが悪い環境だと発生しやすいでしょう。
 

強剪定と透かし剪定をし、その後は、殺菌剤を散布して対策するとよいです。
 

○害虫
・ハダニ:葉の裏に潜んでいることが多く、葉の養分を吸って生育の阻害をします。
繁殖力も強いので、乾燥させず、日頃は葉水をしたり殺虫剤を散布したりして対策しましょう。
 

・ハマキムシ類(ガの幼虫):葉を食害し、生長を阻害します。
放置すると、見栄えの悪さだけではなく、枯死の原因にもなるので、見つけ次第駆除し、殺虫剤の散布をしましょう。

 
日当たり
イヌツゲは日当たりの良い場所で育てる方が、葉の色合いも濃くなり、美しい生垣や庭木になりやすいです。
 

反対に日が当たらない場所では、葉が茶色く変色し、枯れの原因にもなりやすいので、注意してくださいね。

 
水やり
地植え、鉢植えともに、株が幼木のうちは、土壌を乾かさないように水やりをします。
少なくとも2年未満の株は、生長のために多く必要とするので、確認しながら頻度よく与えましょう。
 

地植えで2年以上たった株は、頻度よく水を与える必要はありませんが、真夏の猛暑日が続いて、土がカラカラになるようなときは、水をたっぷりと与えてください。
 

また、日頃から葉水も行うと、防虫対策にもなります。

出典(引用元)

みんなの趣味の園芸ー「イヌツゲ」
ガーデニングの図鑑ー「イヌツゲの育て方」
庭木図鑑 植木図鑑-「イヌツゲ」

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