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ナツハゼ
2021.03.25

ナツハゼ

ナツハゼ(夏櫨)は、つりがね型の可憐な花と、美しい紅葉を鑑賞できる落葉低木。
ナツハゼの実は食べることができ、生食したりジャムに加工したりと楽しめる。「日本のブルーベリー」と呼ばれることも。
生長がゆっくりで、コンパクトな庭でも育てやすい。

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基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Vaccinium oldhamii
  • 科・属名ツツジ科スノキ属

ブルーベリーの仲間で実が食べられるナツハゼ

ナツハゼとは

 
ナツハゼは、ツツジ科スノキ属の落葉低木です。
日本・中国・朝鮮半島などの東アジアが原産とされ、日本全国の日当たりのよい山野に分布しています。
初夏には、ツツジ科の樹木に多くみられるつりがね型の小さな花を咲かせます。
花色は、赤味を帯びた黄褐色。長さ6cmほどの穂に連なるように咲くのが特徴です。それほど目立つ花ではありませんが、野生の花の持つ繊細な美しさが楽しめます。
葉は、長さ4cm~6cmの楕円形で、両面に粗い毛が生えています。
 

和製ブルーベリーとも呼ばれる

 
ナツハゼは、同じツツジ科スノキ属のブルーベリーの仲間です。
秋になると黒く熟す実は食べることができ、「和製ブルーベリー」や「日本のブルーベリー」と呼ばれることもあります。
ほか、コケモモやクロマメノキ(アサマブドウ)も、日本に自生するブルーベリーの仲間です。
冷涼な環境を好むコケモモやクロマメノキと比較して、ナツハゼは耐寒性も耐暑性も持ち合わせており、庭木として栽培しやすい樹木と言えます。
 
ナツハゼ
 

ナツハゼのジャムの作り方

 
ナツハゼの実は、ブルーベリーよりも酸味・渋味が強く、野性味のある味わいを持っています。生食もできますが、皮が厚く口当たりはいまいちです。ジャムやリキュール漬けにすると美味しく食べられます。
ナツハゼのジャムの作り方を紹介します。
 
【材料】ナツハゼの実・実の全量に対し30~50%のグラニュー糖(ナツハゼの実1kgなら350g~500g)・レモン汁
・ナツハゼの実を水洗いし、ヘタが残っていたら取り除く
・ナツハゼの実とグラニュー糖を混ぜて20分ほど置く
・ナツハゼの実から水分が出てきたら、かき混ぜながら鍋で中火~弱火にかける
・レモン汁を加え、アクをとりつつ、とろみが付くまで煮込む
・とろみが付いたら鍋を火からおろし、粗熱がとれるまで冷ます
・煮沸消毒した瓶に詰める
 

栄養価の高いナツハゼの実

 
ナツハゼの実には、強力な抗酸化作用を持つアントシアニンなどのポリフェノールや、整腸作用のある食物繊維といった栄養素が豊富に含まれています。
実に含まれる紫色の色素は、ブルーベリーよりも濃いと言われ、布を染める染料として利用できます。

1年に2回紅葉を楽しめる

夏にハゼノキのように紅葉することが名前の由来

 
ナツハゼという名前は、夏にハゼノキのように紅葉することから付けられました。
ハゼノキは、ウルシ科ウルシ属の落葉樹です。
ナツハゼの葉は、春から初夏にかけて赤みを帯びたのち、夏には緑色に戻り、秋に再び紅葉します。
1年に2度紅葉を楽しめるため、視覚で四季を味わえる庭木をお探しの方におすすめです。
 

ナツハゼで手がかぶれる心配はない

 
ナツハゼの名前の由来ともなったハゼノキは、ウルシ科の植物です。
ウルシほどではありませんが、ハゼノキの枝を切ったときに出る樹液や、葉枝を燃やしたときの煙に触れると皮膚がかぶれることがあります。
一方のナツハゼは、ウルシ科ではなくツツジ科の植物です。
「ハゼ」という名が付いていますが、ナツハゼに触っても手がかぶれる心配はありません。肌の弱い方でも安心して庭に植え付けられます。
 

鮮やかに紅葉させたいなら日当たりのよい場所に

 
半日陰でも栽培できるナツハゼですが、本来は日当たりのよい山野に自生している樹木です。
そのため、日があまり当たらない場所に植え付けるときれいに紅葉しない可能性があります。鮮やかな紅葉を楽しむには、日向に植え付けるのがベストです。
 

生長がゆっくりで剪定の手間がかからない

 
ナツハゼの特徴のひとつは、生長スピードの遅さ。庭木として植え付けた場合、樹高は2m程度で留まることがほとんどです。
大きくなるまでに時間がかかるため、高さや存在感の欲しいシンボルツリーや、目隠し用の植栽には不向きと言えます。
反対に、コンパクトな庭や玄関前の小さなスペースなど、植栽が大きくなりすぎると困る場所には最適な木です。サブツリーにも向いています。
また、剪定がほとんど必要ないのもポイント。枯れ枝や混み合った枝を間引く程度の管理で十分なので、お手入れが楽な庭木をお探しの方にもおすすめです。
 

盆栽としても楽しめる

 
紅葉の美しいナツハゼは、盆栽の素材としても人気です。マンションのベランダなど、狭いスペースでも楽しめるミニ盆栽としても出回っています。

育て方・管理方法

詳細情報

 

草丈・樹高

1m~3m

 

栽培可能地域

全国

 

花色

赤~黄褐色

 

開花期

5月~6月

 

結実期

7月~10月
 

耐暑性/耐寒性

暑さ・寒さには強い品種で、北海道から沖縄まで日本全国で育てられます。真夏でもよく育ち、冬の寒さにも負けません。

 

育て方

 

植え付け・植え替え

ナツハゼの植え付け適期は、9月~12月または3月です。根が細く、地表近くに浅く張るため、深く植えすぎないように注意します。水はけがよく、乾燥しすぎない酸性土壌がベストです。
植穴には酸度未調整のピートモス・腐葉土・軽石を混ぜ込み、水はけ・水もちのよい土を作りましょう。植え付け直後に表土が乾燥するのを防ぐため、ウッドチップなどでマルチングを施してください。必要な場合は支柱を立てて苗木をサポートしましょう。

 

肥料

油粕などの有機肥料や、緩効性の化成肥料を適宜施します。肥料を与えるタイミングは、開花後の6月ごろと、実を付けたあとの12月~1月です。
 

剪定
生長スピードがゆっくりなため、頻繁に剪定して形を整える必要はありません。基本的には枯れた枝をカットするのみにして自然樹形を楽しみましょう。

 

病害虫

病気・害虫には強く、育てやすい樹木です。ただし、アブラムシ・ハダニ・カイガラムシなど大抵の植物には発生する害虫や、うどんこ病には注意が必要。

風通しが悪いと病害虫の発生リスクが高まります。枝葉が混みあっている場合は、枝をすかすように剪定し、風の通り道を確保してください。
病害虫を発見したら、樹木全体に被害が拡大する前に薬剤で速やかに駆除します。

 

日当たり

西日の当たらない半日陰~日向がナツハゼの植え付け場所に向いています。明るい山野や丘陵地に自生している種類なので、なるべく日がよく当たる場所に植え付けるのがベスト。
日当たりは、紅葉の鮮やかさにも影響します。美しい紅葉を楽しみたい場合は、日当たりのよい場所を選んでください。

 

水やり

植え付け直後を除き、庭植えでは基本的に水をやる必要はありません。
真夏に極度に乾燥した場合のみ、株の根元に水を与えましょう。夏場の水やりは、朝早くか夕方に行うと根にダメージを与えません。
 

育てやすさ

★★★★★★

出典(引用元)

平野隆久『よくわかる樹木大図鑑』永岡書店
ナツハゼとは – 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版
ナツハゼ(夏櫨) | 庭木図鑑 植木ペディア

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