庭をもっとカジュアルに愉しむ。smileスタイル
2020.07.22

ソメイヨシノ

日本で最もポピュラーともいえるサクラ。クローン個体のため一斉に開花する。

基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Cerasus x yedoensis (Matsum.) Masam. et S.Suzuki
  • 科・属名バラ科サクラ属

最も馴染みのある桜“ソメイヨシノ”の特徴を解説!

ソメイヨシノとは

 

ソメイヨシノとは、エドヒガンとオオシマザクラの雑種といわれているサクラの一品種で、土手や道路沿いなど全国的に植えられています。江戸時代頃までは花見といえばヤマザクラでしたが、ソメイヨシノが作出されてからはとってかわられるようになりました。毎年行われる桜の開花予想というのも、ほとんどの地域でソメイヨシノを対象として行われています。東京の上野公園に植わっているものが、ソメイヨシノの原木と考えられています。
 

すべてクローン個体

 

あちこちに植えられているソメイヨシノはすべて接ぎ木でつくられたクローン個体です。同じ地域に植えられた桜が同時に開花するのはそのためで、どのソメイヨシノも全てにおいて全く同じ性質を持っています。また、ソメイヨシノは自家受粉では種ができない性質をもっているため、めったに果実(さくらんぼ)ができません。他の種類の桜の花粉がつくとソメイヨシノでもさくらんぼができますが、あまりおいしくないです。
 

寿命は60年!?

 

ソメイヨシノの寿命が60年ほどで、もうすぐ各地の桜の名所がなくなってしまうという話をよく聞きますが、それは街路樹のような過酷な環境に植えた場合のことです。本来の寿命はもっと長く、実際に青森県の弘前公園には、樹齢100年を超えたソメイヨシノがたくさん植わっています。成長が速く、40年もすれば立派な大木になるのがソメイヨシノの特徴で、比較的手軽に立派な桜を楽しむことができます。

ソメイヨシノの楽しみ方

庭で満開の桜を独り占め!

 

クローン個体のソメイヨシノは、言わずもがな桜の名所に植わっているようなソメイヨシノと全く同じ遺伝子のものです。毎年多くの人が集まる桜と同じものを、自分の庭にも植えられると考えるととても嬉しいですよね。なにしろ、これだけ多くのソメイヨシノが全国どこでも植わっているというのは、それだけこの品種が人々に選ばれてきたということです。自分の庭が自分だけの花見スポットとなり、満開の桜を家で独り占めできます。
 

桜の花漬けに

 

花漬けとは、桜の花を塩漬けしたものです。一般的に八重桜のものが使われますが、ソメイヨシノでも花漬けをつくることができます。1年ほど保存することができるので、一度つくったら春以外でも花の色や香りを楽しむことができるのです。料理やお菓子の彩りとして使ってみるとよいでしょう。公園や街路樹のソメイヨシノでも同じものがつくれますが、そういった場所から花を採っていくのは法的な観点からもおすすめできないし、何よりどこか後ろめたいですよね。自分の庭なら、花見のあとに手軽に好きなだけ花漬けをつくって、いつでも春を楽しむことができます。
 

鳥たちを呼んで雑木の庭に

 

満開の桜の木には、蜜を求めてたくさんの鳥たちが集まります。普通に、花見と一緒にスズメやメジロなどのかわいい鳥を見ても楽しいですし、鳥はフンと一緒に植物の種を運んできます。それらをうまく育てていけば、庭木に十分な量の木を揃えることができるでしょう。自然に近い雑木の庭をつくりたい場合などにおすすめです。鳥が運んでくる種は、地域の自然をそのまま反映したものです。全部庭木として育てなくても、次はどんな植物が生えてくるのか観察してみるのも楽しいですよ。
 

盆栽にして楽しむ

 

ソメイヨシノを盆栽として育ててみるのもおすすめです。接ぎ木で新しい苗木を用意する必要がありますが、早い段階で花を楽しむことができるのは成長の速いソメイヨシノならでは。横に広がる樹形も、風流な雰囲気を出すのにぴったりです。

育て方・管理方法

詳細情報

 

草丈・樹高

10~15m

 

栽培可能地域

全国

 

花色

ピンク

 

開花期

3~4月

 

結実期

5~6月(あまり結実しない)

 

耐暑性/耐寒性

どちらも強いが、沖縄以南だと開花しない。

 

 

育て方

 

植え付け・植え替え

葉っぱの落ちた11月~3月の時期に植え替え・植え付けを行います。水はけのよい肥沃な土に植えると良いです。横に広がる樹形になるので、スペースを十分にとって植えるようにしましょう。
 

肥料

基本的には必要ありませんが、やせ地に植える場合や幼木の場合、寒肥として12~1月頃鶏糞や緩効性化成肥料などを与えると良いです。

 

剪定

大きく枝を広げる木なので、主に大きさを制限するときに行います。太い枝を剪定すると、樹勢が弱まったり切り口から病気が入るもととなったりするので控えましょう。その後の成長を考えながら、芽生えて1~2年目の枝を剪定すると良いです。十分なスペースがある場合、基本的に剪定の必要はありませんが、てんぐ巣病がでている場合は都度剪定して焼却処分するようにしましょう。

 

病害虫

観賞用につくられた品種にはありがちなことなのですが、病害虫は比較的多いです。ただ、クローン個体のソメイヨシノはその性質もよく知られているので、丁寧に処置すればさほど問題はありません。病気として代表的なものは、葉に虫食いのような丸い穴が空く穿孔褐斑病や、枝が1か所から密生して花の時期にも葉っぱがつくてんぐ巣病などが発生します。てんぐ巣病は湿気を好むので、街中より郊外の山に近い地域で発生することが多いです。いずれも病気の発生している落ち葉や枝などを除去して焼却処分し、周囲の桜に伝染させたくない場合は、薬剤を散布して対処しましょう。害虫としては樹皮の内側を食べるコスカシバや、葉っぱを食べるモンクロシャチホコやアメリカシロヒトリなどが発生します。どの虫も、毒があるわけでも木の活力をそれほど下げるものでもありません。ただ、人によっては不快に思うこともあるし、よっぽど大発生したら木の活力に多少は影響してくるでしょう。そういった場合は薬剤などで対処すると良いです。また、外来生物のクビアカツヤカミキリの被害が近年問題になっています。幼虫が幹に穿孔して食い荒らす害虫で、大木なら枯れることは少ないですが、直径10cm程度の若木なら簡単に枯れてしまいます。植える場所の地域で発生しているか、あらかじめ調べておきましょう。

 

日当たり

日当たりのよいところに植えましょう。半日陰でも育ちますが、花付きが悪くなります。
 

水やり

植え付け時や夏場の乾燥がひどい場合などは水やりが必要ですが、基本的には活着してからは水やりしなくても大丈夫です。
 

育てやすさ

★★★★★

出典(引用元)

日本樹木医会
「樹木医必携」
矢口行雄著
「樹木医が教える緑化樹木事典 病気・虫害・管理のコツがすぐわかる!」
岩谷美苗著
「散歩が楽しくなる樹の手帳」
村越匡芳監修
「庭に植えたい樹木図鑑」

TOPへ