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2020.07.15

ヒメシャラ

赤褐色の樹皮が美しい。白い花と紅葉も楽しめる落葉樹。暖かい気候を好むが西日には弱い。

基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Stewartia monadelpha
  • 科・属名ツバキ科・ナツツバキ属
  • 別名サルタノキ、コナツツバキ

雑木な雰囲気を作り出すヒメシャラの特徴

ヒメシャラとは

 

ヒメシャラは関東地方南部に自生する落葉樹です。明るい幹と密生した葉や枝が印象的で、庭木としても多く植栽されています。本来は、樹高がとても高く成長しますが、樹勢がおだやかなので育てやすく、自然樹形が綺麗なため剪定もほとんどいりません。新緑、花、幹、紅葉と、どれもが美しく、和のあたたかみを感じられる庭木と言えるでしょう。
 

西日と乾燥に弱い

 

木漏れ日のような日当たりと湿潤な環境を好むため、直射日光や西日には弱く、育て方に注意が必要です。植え付け場所は半日陰になる東側か、明るい北側に植え付けることで、葉焼けの予防に繋がります。また、株元に植物を植えて乾燥を防いだり、腐葉土や黒土を混ぜ込んで保水力をUPさせたりすると、ヒメシャラの水保ちがよくなるでしょう。
 

花の特徴

 

5枚の白い花びらと黄色の雄しべが、まるでツバキのよう。小ぶりな花からは素朴な美しさが感じられます。朝に咲き、夕方には散ってしまう一日花なので、6月〜7月の短い開花を、たっぷりと鑑賞しましょう。花後は実がなり、茶色く熟せば種を採取できますよ。
 

幹の特徴

 

幹はとても滑らかで、赤褐色の色味が特徴です。成長するにつれ樹皮が少しずつ剥がれていき、魅力的なまだら模様になります。なお、「サルタノキ」との別名は、サルスベリのように幹がスベスベとしていることが由来とされています。
 

ヒメシャラとナツツバキの違い

 

ヒメシャラとナツツバキは、ツバキ科のナツツバキ属と種類が同じく、花や葉などがよく似ていることから、間違われるケースが多くあります。

しかし、ヒメシャラは花が小ぶりで、葉はギザギザとした鋸歯の縁と白い毛が生えています。ヒメシャラの幹は全体が赤く、ナツツバキは灰色。2種類をよく見比べてみると、違いがたくさんあることがわかりますね。葉や幹の色、花の大きさなどを観察して、違いを見分けてみましょう。

ヒメシャラの魅力と楽しみ方

ヒメシャラで雑木の庭づくりをしよう

 

枝や葉が重なり合い、うっそうたる様子が、庭に雑木な雰囲気を演出します。日差しを遮り、木漏れ日が心地よい空間を庭に作り出してくれるでしょう。秋には葉が紅葉するので、季節の移ろいを鑑賞できます。シンボルツリーにするなら株立ちを選び、優雅な姿を楽しみましょう。
 

盆栽も人気

 

ヒメシャラは雑木盆栽としても人気があります。爽やかな葉と紅葉、白い花が美しく、特徴的な赤褐色の幹肌も鑑賞ポイントです。盆栽の楽しみ方は「自然美」と「人工美」の調和。ヒメシャラの雑木盆栽で、伝統的な園芸にチャレンジしてみるのも面白いでしょう。
 

シェードガーデンの緑化におすすめ

 

半日陰や明るい日陰に植栽が可能なので、シェードガーデン用の庭木としても楽しめます。地表の乾燥予防にキボウシやシラン、ヤツデなどのシェードガーデン向きな植物を植えると、夏場の乾燥と緑化に役立ちます。
 

夏の茶花、切り花で楽しもう

 

ヒメシャラは夏の茶花として重宝されています。ツバキのような和風の花は、おしとやかな茶会にぴったりですね。花が咲いたら思い切って枝ごと剪定して切り花にしましょう。花瓶に活けて、室内でもたっぷり鑑賞してください。
 

箱根の天然記念物「ヒメシャラの純林」

 

純林とは、一種類の木からなる森林のことを言います。ヒメシャラの純林は珍しく、箱根では天然記念物にも指定されているほど。箱根に足を運んだときは、ぜひ魅力的なヒメシャラの純林にも触れて、庭木とは違う魅力に触れてみてはいかがでしょうか。力強く躍動感溢れる様子をぜひ、目に焼き付けましょう。

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育て方・管理方法

詳細情報

 

草丈・樹高

12〜15m

 

栽培可能地域

関東以南

 

花色

 

開花期

6月〜7月

 

結実期

9月〜11月

 

耐暑性/耐寒性

普通/やや弱い

 

育て方

 

植え付け・植え替え
植え付け時期は3月〜4月と、10月〜11月が適します。肥沃な土を好むので、用土に有機物をすき込むといいでしょう。堆肥と腐葉土、黒土などを混ぜて、保水性、保肥性、水はけのいい土作りをします。

植え替えは鉢植えの場合に必要となりますが、地植えで環境が適さないときにも、別の場所への植え替えをおすすめします。鉢植えは、少なくとも2〜3年に1回は植え替えをして、根詰まりを予防しましょう。

 

肥料
肥沃な土壌であれば、肥料はほとんど必要ありません。ただ、肥料不足が心配であれば、1月〜2月の時期に緩効性肥料を与えるといいでしょう。また、この時期に与える肥料は寒肥と言い、土壌改良も兼ねています。できれば、有機質の油かす、鶏糞、堆肥などの肥料を組み合わせて与えると、春以降もゆっくりと肥料効果が続き、肥沃な土作りが可能となります。

開花後は養分が失われている時期なので、速効性のあるタイプの肥料を与えると、ヒメシャラの生育をサポートできるでしょう。

 

剪定
自然な樹形が美しいので、剪定は最小限にとどめます。剪定を行う場合は、12月と2月〜3月の時期が適期です。不要枝や枯れ枝は付け根から剪定しましょう。バランスや形を整えたい場合は、外芽の上で剪定すると、枝ぶりが整います。

 

病害虫

ツバキ科の庭木はチャドクガがつきやすいことで知られます。チャドクガの幼虫は食欲旺盛で、葉をつぎつぎと食べてしまう害虫です。また、毒のある毛が人の肌に触れると、ひどい痒みや痛み、かぶれなどを引き起こすため、手入れをするときにうっかりと触らないよう十分注意してください。孵化したばかりのころは集まって行動しますが、次第に他の葉へと一匹ずつ散っていくため、発見次第、早急に駆除しましょう。害虫対策や毛虫予防のために、薬剤を定期的に散布しておくと効果的です。

さび病、輪紋葉枯病、幹心腐症などの病気に犯されることもあります。害虫と同じく、予防に薬剤を散布しておくと安心です。なお、葉が茶色く枯れ落ちるのは、葉焼けが原因と考えられます。乾燥によっても葉が落ちるケースがあるので、日当たりや水やりにも注意して育てましょう。

 

日当たり

あたたかく日当たりのいい環境を好みますが、西日を苦手とします。東側の半日陰になる場所に植え付けると、葉焼けが防げるでしょう。北側であっても、明るい日陰なら植栽可能です。西日を避けられない場合は、他の庭木を隣に植栽して、西日を防ぐといった方法もあります。

鉢植えは夏の時期のみ半日陰の場所で育て、それ以外の日差しがやわらかな季節は、日当たりのいい環境で育てるといいでしょう。

 

水やり

ヒメシャラは乾燥に弱い庭木です。水分が足らないと葉が枯れ落ちたり、木が枯れたりすることもあるので、水切れには注意して育てることが大切です。水やりのタイミングは、土の表面が乾いたら与えます。ホースやジョウロなどを使い、しっかりと水やりをしましょう。

また、夏の時期は暑さで水分がすぐに蒸発してしまいます。植え付けたばかりの時期も、根が十分に地中に張っておらず、水を吸い上げる力が弱くなっています。夏の時期と植え付けてから約1年間は、降雨がない日が続くようであれば水やりをして育てましょう。

 

育てやすさ

★★★★★

出典(引用元)

ヒメシャラの育て方 – みんなの趣味の園芸 NHK出版栽培管理

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