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2020.06.08

ハイノキ

繊細な葉が人気の常緑樹。近畿地方より西の地域で自生。西日を嫌うため半日陰がおすすめ。

基本データ

  • 分類庭木-常緑
  • 学名Symplocos myrtacea
  • 科・属名ハイノキ科・ハイノキ属
  • 別名イノコシバ

繊細な葉が人気のハイノキ

細い枝と繊細な葉を持つハイノキ

 

ハイノキは繊細な雰囲気を楽しめ、育てやすい一面も持ち合わせている庭木です。株立ちは特に美しく野性味があるので、シンボルツリーとしても大変人気があります。特徴は細やかな枝と葉です。細い枝はしなやかに伸び、美しい自然樹形が楽しめます。小ぶりな葉は明るい緑色なので爽やか。風でそよそよと揺れる様子はとても涼しげで風情があります。

 

生長が遅い庭木

 

生長スピードは庭木を選ぶうえで重要なポイントとなります。生長が早い庭木の場合は、高さを抑えるための剪定が必須となり、手入れに苦労することが難点です。また、家や庭木とのバランスが合わなくなり、当初の植栽計画との相違が出てくるケースもあります。その一方で、ハイノキは1年に20cmほどしか生長せず、生長スピードがとても遅いことで知られています。剪定や手入れが簡単に済むのもメリットですね。ハイノキを選ぶ時は生長が遅いことを踏まえて、高さのあるものを選ぶといいでしょう。庭に木を植えることで、広く感じさせたり、奥行きを出したりする効果も得られます。
 

暖かい地域の山で自生

 

ハイノキは近畿地方より西の地域や、関東より南の地域の山で自生しています。木漏れ日が差し込むような環境が適しているため、植え付けるなら半日陰がおすすめです。寒さにはあまり強くないため、寒風を避けられる場所を選ぶのもポイント。常緑樹ですが、寒さが厳しい地域では葉を落として落葉樹のようになることもあります。
 

西日と乾燥に弱いので注意

 

半日陰向きの庭木なので、西日が当たる場所は避けてください。7月〜9月の直射日光はハイノキに強すぎるため、葉焼けを起こすことがあります。葉焼けが起きた場合、葉が茶色くなって枯れ落ちてしまうので、植えてから1年目のハイノキは、特に西日に注意してあげましょう。また、ハイノキの根は浅く張る特徴を持ちます。そのため、乾燥にも弱い傾向があります。基本的には降雨だけで問題ありませんが、植え付けてから約半年〜1年の間は、定期的に水やりをするなど、注意して育ててください。

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ハイノキの魅力

名前の由来

 

昔はハイノキを燃やして灰にし、染色の媒染剤(発色を繊維に定着させるもの)として活用していました。ここから「灰の木」と呼ばれるようになったのが名前の由来と言われています。また、別名の「イノコシバ」は、九州でイノシシを縛るための枝として使用していたため、このような名前が付いたそうです。

 

ハイノキが庭木で重宝される理由とは?

 

ハイノキは徐々に人気や需要が高まっており、戸建て住宅で植栽される機会も増えてきました。やはり、和風と洋風のどちらにも合う樹形と、生長の遅さやお手入れのしやすさが人気の理由でしょう。他に、シマトリネコやソヨゴも植栽されることの多い庭木です。ただ、シマトリネコは生育旺盛なため、定期的に剪定をしなければ大きく育ち過ぎてしまいます。常緑樹のソヨゴは生長が緩やかな木ですが、枝や葉から少し堅い印象を受けるので、素朴さや自然な雰囲気を求めるなら、ハイノキがおすすめです。
 

4月〜5月は花と香りが楽しめる時期

 

ハイノキは4月〜5月に小さな白い花を咲かせます。5枚の花弁が可愛らしく、スッと伸び広がった雄しべが花を際立たせます。花は数輪がまとまって咲くので、小さいながらも観賞価値があり、可憐で美しいです。また、花は甘い香りがするので、開花時期はぜひ香りも楽しんでみましょう。
 

黒い実は庭に鳥を呼び込む

 

花が咲き終わると、8月〜10月には黒い実が結実します。この実を食べに野鳥が訪れることもあるので、自然豊かな情景が楽しめます。庭に鳥や蝶、昆虫など、さまざまな生き物が訪れる庭づくりも面白みがありますね。

育て方・管理方法

詳細情報

 

草丈・樹高

3m以上

 

栽培可能地域

関東以南

 

花色

 

開花期

4月〜5月

 

結実期

8月〜10月

 

耐暑性/耐寒性

普通/やや弱い

 

育て方

 

植え付け・植え替え
ハイノキを植え付けるなら4月〜5月が適期です。水はけがよく、有機質に富んだ土壌に植え付けましょう。赤玉土と腐葉土、堆肥を混ぜ合わせて用土を作ると効果的です。土と根の間に隙間ができないよう、水を入れたり木を動かしたりして、しっかり土を入れていきます。ハイノキの乾燥対策を兼ねて、水鉢を作ることも大切です。植えた穴の周りに土を盛って土手を作り、水鉢を作りましょう。水やりの際には水鉢に水がたっぷりと溜まるように与えてください。また、根が浅いため強風で倒れないように、支柱を立てて紐で結び、しっかりと固定しましょう。植え替えの必要はありませんが、植え付けた場所の環境が適さない場合は、植え替えが必要となります。

 

肥料
肥料は与えなくても育ちます。しかし、与えた方が生育がよくなります。追肥をするなら、1月〜2月の時期に与えましょう。この時期に与える肥料は寒肥と言い、木が休眠している時に与える肥料になります。速効性のある肥料は避けて、緩効性肥料を与えてください。有機肥料なら骨粉や油かすがおすすめです。微生物がゆっくりと分解してくれるため、春から始まる生育に効果的です。寒肥を与える時は、根に直接触れないようハイノキの枝先がある位置の地面に穴を掘り、肥料を埋めて与えましょう。

 

剪定
ハイノキは自然な樹形を楽しむ庭木なので、あまり剪定を必要としません。生長スピードも遅いので、剪定をする場合は枝が伸びすぎたり、バランスが気になったりする時におこないます。3月〜4月は剪定に適しているので、この時期に枯れ枝や混みいった枝を剪定するといいでしょう。11月〜12月も剪定ができるので、必要な方は不要枝をカットしてください。

 

病害虫

病気や害虫の被害にあうことは少ないハイノキですが、アブラムシ、カイガラムシなどがつくケースもあります。アブラムシは養分を吸汁し、排泄物はすす病やウイルスなどの病気を引き起こすこともあるため、大量発生には注意しましょう。春と秋に多く発生するので、数が少ないうちに害虫用の薬剤やテープを使って取り除きます。カイガラムシは枝に寄生する害虫です。幼虫の時は薬剤でも駆除できますが、成虫になると固い殻のようなものを被るため、薬剤の効き目が悪くなってしまいます。この場合は、手袋やブラシを使ってこそぎ落とすか、不要な枝なら剪定する方法が有効です。風通しが悪い環境で多く発生することがあるため、剪定時期に風通しをよくするためのすかし剪定をしておくといいでしょう。

 

日当たり

西日はハイノキの育て方で、特に注意して欲しいポイントです。雑木林のような環境を好むため、夏の直射日光は特に苦手とします。強い日差しで葉焼けを起こすと、葉が落ちてしまうリスクも少なくありません。ハイノキは午前中に日が当たり、午後には日陰になるような場所が生育にもっとも適しています。このような西日が嫌いな庭木や植物は、あらかじめ東側に植栽すると、適した環境で上手に育てられるでしょう。また、ハイノキは日陰でも育てられますが、健康的に育てるには半日陰で育ててください。

 

水やり

植え付けてから約半年の間は、地中に根が張っていないため、株元に水やりをしましょう。植え付けた時に作った水鉢へ、水が溜まるようにしっかりと与えます。夏の間は朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをしましょう。ときどきホースを使ってハイノキ全体に水をかけてあげると、温度が下がり葉がいきいきとします。根付いてしまえば降雨だけで問題なく育ちますが、夏に雨が降らない日が続く場合には、乾燥を防ぐためにも水やりをするといいでしょう。

 

育てやすさ

★★★★★

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