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シマトネリコ シンボルツリー
2020.06.05

シマトネリコ

南西諸島などに自生する常緑高木。美しい葉や涼しげな樹形が人気で、庭木などによく用いられている。

基本データ

  • 分類庭木-常緑
  • 学名Fraxinus griffithii C.B.Clarke
  • 科・属名モクセイ科トネリコ属
  • 別名タイワンシオジ、コーバナキ、コナツキなど

庭木として人気のシマトネリコの特徴

シマトネリコとは

 

シマトネリコは、日本では沖縄などの山地に自生する常緑高木で、他では中国やインドなど、東南アジアを中心とした亜熱帯~熱帯に分布している木です。とても成長の速い木で、放っておくと10m以上に育つこともしばしば。雌雄異株といってオスの木とメスの木がある種類で、メスの木のみ実をつけます。

 

近年都市部での人気が急増

 

寒さに弱い木とされていましたが、近年ヒートアイランド現象などにより冬が暖かくなり、関東地方中部までなら外でも冬を越せることが判明。成長も速く扱いやすいため、街路樹や庭木などでよく植えられるようになり、最近では東京の新築ビルの植え込みなどで見かけることが多くなりました。

 

花や実も楽しめる美しい外見

 

シマトネリコは羽状複葉の葉をもつ木で、小さな光沢のある葉っぱが規則正しく並ぶ様子が特徴的です。小さな葉っぱの隙間から木漏れ日が溢れ、涼しげな印象を与えます。春~夏ごろ、黄白色の小さな花をライラックのような円錐状にたくさん咲かせ、メスの木の場合、夏~秋ごろに翼果(よくか)と呼ばれる実をつけます。

 

暑さに強く、寒さに弱い

 

シマトネリコは熱帯に自生する木の中では比較的耐寒性はありますが、それでもやはり寒さには弱く、東北地方や北海道では栽培できません。植栽が可能なギリギリの地域では、冬に葉が赤や茶色に変色し、落葉してしまうこともあります。その分暑さにはめっぽう強く、東京の灼熱のコンクリートジャングルでもぐんぐん成長する木です。

シマトネリコの楽しみ方

美しい姿を楽しむ

 

シマトネリコの魅力は、なんといっても小さくて光沢のある美しい葉っぱと、涼しげな樹形。キラキラ光る葉っぱが風にたなびく様子が心を潤してくれます。また、まるで泡のように咲く花と、薄いリボンのような実もとても美しく、見ていると気持ちが爽やかに。西洋風の景色にとても馴染む木で、一本植えるだけで庭の雰囲気がガラッと変わります。シンボルツリーとしてもオススメです。

 

季節ごとに違った姿

 

シマトネリコは常緑樹なので、冬でも寒かったり乾燥したりしない限り落葉しません。観葉植物のように楽しむこともできますし、冬にはまるでトングのようなかわいらしい冬芽を観察することができます。春は新緑の芽吹き、夏は花、秋は実、冬は冬芽と、一年中違った姿を見ることができる、飽きのこない木です。実を楽しみたい場合は、メスの木を植えるようにしましょう。

 

挿し木や実生で増やす

 

シマトネリコは挿し木や実生で比較的簡単に増やすことができます。実生は実が成熟した秋ごろに採取し、冷蔵庫などで保存したあと春ごろに種まきを、挿し木は新しい葉っぱが固まった夏ごろに行いましょう。挿し木は成功率が少し低いので、剪定した枝などを使って多めに挿すのがオススメです。幼木のシマトネリコは成木のミニチュアのような雰囲気で、普段大きなシマトネリコを見慣れていると、そのかわいらしさにウットリしてしまいます!剪定で多少なら大きさをコントロールできるので、鉢植えから大木までいろいろな大きさのものを育ててみるのも楽しいです。

 

カブトムシが集まる木

 

シマトネリコは、樹液にカブトムシが集まることでも有名な木です!小さなお子様がいるご家庭では、お家で虫とりができるようになります。また、シマトネリコに限り、カブトムシが幹をかじって樹液を出すという変わった行動をすることが確認されています。これは、他の木では見られない行動なので、夏休みにお子様と一緒にじっくり観察してみるのもいいかもしれません。

 

樹液が青く光る

 

あまり知られていないことですが、シマトネリコをはじめとするアオダモの仲間の樹液には、蛍光物質が含まれています。切った枝をしばらく水につけてから、暗い場所でブラックライトを当てると、幻想的に光る様子が観察できます。剪定をしたついでにそうやって遊ぶこともできますし、先ほど紹介したカブトムシと一緒に、お子様の夏休みの自由研究にするのもいいかもしれませんね(冬~春にはあまり光らない場合があります)。

育て方・管理方法

詳細情報

 

草丈・樹高

8~12m

 

栽培可能地域

関東以南

 

花色

黄白色

 

開花期

4~6月

 

結実期

10~11月

 

耐暑性/耐寒性

耐寒性は低く、関東以南でないと露地では越冬不可。耐暑性は強い。

 

 

育て方

 

植え付け・植え替え

成長が速い木なので、鉢植えの場合は根詰まりをふせぐため、1年~2年ごとを目安に植え替えが必要です。二回りほど大きな鉢に植え替えるようにしましょう。時期は3月中旬~下旬、または9月下旬~10月中旬ごろに行うと木への負担が少なくなります。植えつける土は水はけのよい土がオススメです。

 

肥料

あまり肥料をあげる必要のない木ですが、若木のうちは2月~3月頃に寒肥として緩効性の化成肥料を堆肥に混ぜて与えるとよいです。

 

剪定

基本的には自然樹形を保つ形で、内部の混みあった枝をすくように剪定すると美しくなります。また、大きくなると10m以上に育つ木で、成長も速いので、大きさを制限したい場合は早めに芯止めを行い、管理をしっかり行うようにしましょう。大きくなってからがっつり強剪定すると、樹形が崩れるばかりか木が弱ってしまう原因となります。樹形が美しい木でもあるので、こまめな管理を行い、葉の半分以上を失ってしまうような強剪定はしないように注意しましょう。剪定をする場合は、3月の新芽が芽吹く前の時期か、9月頃に行うと木への負担が少ないです。また、枝葉が密生しすぎると病害虫が発生することがあります。その場合は内部の重なっている枝や細い枝を剪定し、風通しをよくしましょう。

 

病害虫

基本的に病虫害には強いですが、ハダニやカイガラムシ、ガの幼虫などが発生することがあり、病気としてはまれにうどんこ病や褐斑病が発生することもあります。これらは風通しが悪いと発生しやすくなるものです。また、特殊なものとして、カブトムシが樹液を出すために幹を傷つけることがあります。基本的にそれが原因で木が弱ってしまうということはそうそうないのですが、あまりに多くやってきている場合や、美観としてあまり良くない場合は、幹を傷つけられる前に捕まえてしまうようにしましょう。

 

日当たり

半日陰でも育ちますが、基本的には日当たりのよいところを好みます。明るいところに植えてあげましょう。

 

水やり

地植えの場合、植え付けした後はしばらく土の表面が乾いたら水やりをして、その後は基本的に水やりの必要はありません。鉢植えの場合、表面が乾いたら水をあげるくらいでOKです。冬に水をやりすぎると根腐れの原因となるのでほどほどにしましょう。ただし、シマトネリコはもともと湿り気のある場所が好きな木のため、いずれの場合もあまりに乾燥しすぎると落葉してしまうことがあります。日頃から葉っぱの様子をよく観察しておくようにしましょう。

 

育てやすさ

★★★★★★★

出典(引用元)

・矢口行雄監修
「樹木医が教える緑化樹木事典―病気・虫害・管理のコツがすぐわかる! 」
・日本樹木医会
「樹木医必携」
・岩谷美苗著
「散歩が楽しくなる樹の手帳」
・村越匡芳監修
「庭に植えたい樹木図鑑」

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