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クランベリー(育て方・特徴)

クランベリーの育て方と特徴

クランベリーは、赤い果実が印象的なツツジ科の樹木。
現在出回っている品種の多くが北米原産のオオミノツルコケモモをルーツとするもの。
地面をはうように成長するツル性の常緑低木で、グランドカバーやハンギングにも向く。
夏の暑さと水切れに注意する。

基本データ

分類
庭木-低木・下草
学名
Vaccinium macrocarpon
科・属名
ツツジ科スノキ属
別名
オオミノツルコケモモ、ツルコケモモ、ヒメツルコケモモ
草丈・樹高
20cm
栽培可能地域
全国
花色
ピンク
開花期
6月~7月
結実期
9月~11月
耐暑性 / 耐寒性
冷涼な気候を好みます。
暑さにはやや弱く、寒さには強い果樹です。

日本全国で育てることができますが、暖地では夏場の暑さ対策が必要でしょう。
温暖な地域で育てるなら、季節によって移動できる鉢植えでの栽培がおすすめです。

栄養たっぷりの実をつける北アメリカ原産の果樹

クランベリーとは

クランベリーは、ツツジ科スノキ属の常緑低木です。
日本に自生するツルコケモモやヒメツルコケモモもクランベリーの一種ですが、園芸店などで「クランベリー」の名で流通しているものの多くが北米原産のオオミノツルコケモモです。
寒さには強く日本全国で栽培できます。

楕円形の小ぶりな葉とツル性の枝、夏に咲くピンクの花、秋ごろに真っ赤に熟す果実と、見どころが多く鑑賞価値の高い樹木です。
同じスノキ属のブルーベリーや、バラ科キイチゴ属の果樹であるラズベリー、ブラックベリーなどとともに、鑑賞用としても食用としても楽しめる果樹として親しまれてきました。

クランベリーの枝葉は、地面をはうように伸びる性質があるため、グランドカバーにぴったりです。
枝分かれしやすい品種も作出されています。

クランベリーの花言葉は「心痛を慰める」「心を癒す」「天真爛漫」です。

鳩が飛ぶ姿に似ている花を咲かせる

クランベリーの花
クランベリー(Cranberry)の名の由来には諸説あります。一つは、開花中の花が鳩の飛んでいる様子を想起させることから「鳩(Crane)のベリー」と呼ばれるようになったと言われています。鳩が果実を食べにくることを語源とする説もあるのだとか。

ほか、つぼみが重機のクレーン(Crane)に似ているためにクランベリーと名付けられたとも言われますが、鳩に関係があるとする説のほうが有力なようです。

学名はVaccinium macrocarponで、スノキ属を指すVacciniumはギリシャ語で「ベリーを生産する灌木」の意味です。

ジャムやソースとして楽しめる果実

ボウルに入ったクランベリーの実
収穫したクランベリーの果実は、ジャムや果実酒に加工したり、乾燥させてドライフルーツにしたりすることもできます。
栄養価の高さからサプリメントの原料に使われることも。
ただし、生の果実は酸味や渋味が強いため、生食には向いていません。

クランベリーの原産地であるアメリカでは非常にポピュラーな果物です。
感謝祭やクリスマスの七面鳥料理にクランベリーソースは欠かせませんし、クランベリージュースは、オレンジジュースやアップルジュースに次ぐほどの人気があります。

また、果実には尿のpHを下げる働きがあり、膀胱炎などの尿路感染症や尿路結石の予防に効果的なことが数々の研究で証明されてきました。
抗酸化作用のあるポリフェノール類も豊富で、老化や生活習慣病が気になるときにも役立つフルーツと言えるでしょう。

ツル性の枝を生かし、グランドカバーや鉢植えで楽しむ

グランドカバーに使える匍匐性の樹木

木に実ったクランベリーの実
クランベリーの特徴は、枝葉が地面をはうように成長することです。
そのため、背の高い樹木の足元を覆うグランドカバーや、ポストやインターホンの足元、玄関アプローチまわり、花壇、鉢植えなど、さまざまなシーンで使いやすい植物だと言えます。

脇役になりがちなグランドカバーですが、夏には桃色の花、秋には赤く熟した実も楽しめるクランベリーは、主役級の存在感を放ってくれます。

ただし、樹高は10cm~20cmほどと低く、上方向には大きくなりません。
シンボルツリーや生け垣として使うのは難しいでしょう。

ハンギングや鉢植えで楽しんでも良い

クランベリーの鉢植え
クランベリーは、鉢植えでも栽培できる果樹です。
ハンギング鉢や背の高い鉢に植えて、ツルのように伸びる枝葉を枝垂れさせても楽しいでしょう。

乾燥を嫌うため、鉢植えで育てる場合は水切れさせないように気を付けます。
マルチングしたり、受け皿に水を貯めておいたりするのも乾燥対策として有効です。

株分けや挿し木で増やせる

クランベリーの葉と実
株分けや挿し木、種まきで増やせます。
株分けは、植え替えするタイミングで同時に行うと効率的です。

挿し木の適期は4月~5月です。
15~20cmほどに切った枝を清潔な用土に挿し、乾燥に気を付けて管理してください。
挿し木から育てた株は、一般的には3年ほどで結実するようになります。

クランベリーの育て方・管理方法

植え付け・植え替え

植え付けおよび植え替えは、2月~3月に行います。
乾燥が苦手なので、水もち・水はけともによい場所に植え付けてください。

ブルーベリーと同じくpH4~4.5ほどの酸性の土を好みます。
市販のブルーベリー用の用土を利用するか、ピートモスで酸度調整してください。

肥料

2月ごろに元肥として有機質肥料を与えます。
果実をたくさん付けている場合は、9月ごろに追肥してください。

剪定

枝葉が混み合っている部分や、伸びすぎて見栄えが悪いような枝があれば、適宜切り戻します。

病害虫

病害虫に強い樹木です。

日当たり

湿地性で水分を好む植物です。
地植えでも、鉢植えでも、気温の高い時期は土を乾燥させないよう十分に潅水してください。
鉢の大きさや置き場にもよりますが、夏場は1日2回朝晩に水をやる必要があります。

水やり

湿地性で水分を好む植物です。
地植えでも、鉢植えでも、気温の高い時期は土を乾燥させないよう十分に潅水してください。
鉢の大きさや置き場にもよりますが、夏場は1日2回朝晩に水をやる必要があります。

氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 小原らいむ

植物が大好きなライターです。小学校の自由研究は「雑草の研究」でした。忙しい毎日でも無理なく楽しめるガーデニングを日々研究しています。雑草&野草・カラーリーフ・球根植物・100円ショップの園芸グッズ。

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