初夏に青い花を咲かせるヤマアジサイは、紅や藍姫などたくさんの種類が多く、剪定も簡単なので庭木におすすめです。ヤマアジサイの花・実・葉の特徴や花言葉、適切な育て方や剪定時期、さらにはガクアジサイとの違いや種類など、ヤマアジサイの魅力をたっぷりと紹介!
基本5データ
- 分類
- 庭木-落葉低木
- 学名
- Hydrangea serrata/ Mountain hydrangea、Tea of heaven
- 科・属名
- アジサイ(ユキノシタ)科・アジサイ(ハイドランジア)属
- 別名
- 山紫陽花、サワアジサイ、コガク
- 草丈・樹高
- 1〜1.5cm
- 栽培可能地域
- 全国
- 花色
- 青、紫、赤、ピンク、白
- 開花期
- 6〜8月
- 結実期
- 10〜11月
- 耐暑性 / 耐寒性
- やや強い/強い
ヤマアジサイの花・実・葉の特徴と花言葉
地面からなめらかな曲線を描くように茶色の幹がたくさん伸び、梅雨の時期になると青い花を咲かせるヤマアジサイ。
白や赤の花、斑入りの葉、八重咲きの品種など種類も豊富で、和風や洋風などさまざまなテイストの庭にあいます。
芽吹く力が強いため剪定(せんてい)にも負けず、花付きも良くて育て方も簡単なので庭木におすすめです。
ヤマアジサイとは
ヤマアジサイは、冬に葉を一斉に落とす落葉性の低木。アジサイ(ユキノシタ)科・アジサイ属に分類する樹木で、梅雨の時期に咲くアジサイの仲間です。
東北から九州にかけて分布し、山地の谷沿いに自生していることから「山紫陽花(ヤマアジサイ)」と名付けられました。
よく似たガクアジサイよりも広く分布しているため、古くから庭木として植えられることが多く、庭の主木や生垣、さらには高木の根締めとして使えます。
また、樹高があまり大きくならない樹木なので、ほかの草花と寄せ植えができ、花・実・葉の変化を楽しめる季節感のある庭づくりができます。
比較的日陰や寒さへ耐性が強いので、太陽が当たりにくい暗めな場所でも育ち、防寒対策をしないで冬を越すことが可能です。
生命力も強いため初心者でも育てやすく、花壇や鉢植えで管理することができます。
ヤマアジサイの花・花言葉・誕生花
6〜8月にかけて、しゅっと伸びた枝の先に装飾花といわれる花びらのようなガクとドーム型に密集した小さな花を咲かせるヤマアジサイ。
中心にある青紫色の花は5枚の花びらをもち、10本の雄しべと3本の雌しべが長く出ています。
密集して集まった花の周りを囲むように淡い青紫色のガクが複数で展開する姿は、ガクアジサイによく似ていて、しとやかでかわいいです。
開花期間が長いので、徐々に変化してゆく花の姿を観賞でき、趣のある庭を演出してくれます。
また、アジサイ同様に、花の色は土の酸度(ph)の濃度によってピンクや紫色に変化する特徴があります。
ヤマアジサイの花言葉
ヤマアジサイの花言葉は、「乙女の愛」「切実な愛」です。
ヤマアジサイの実と葉の特徴
一般的なアジサイは、ガクアジサイの突然変異や品種改良で誕生したため実を付けませんが、ヤマアジサイは小さな実をたくさん付けます。
また、秋には光沢のある葉が紅葉するので、花だけでない色の変化を楽しめるでしょう。
ここでは、ヤマアジサイの実と葉の特徴について紹介します。
ヤマアジサイの実
1つの花に雄しべと雌しべの両方を持っている「両性花」のヤマアジサイは、受粉後に小さな緑の実を付け、10〜11月ごろになると茶色く熟します。
葉と同じタイミングで茶色く色づくため、日本の原風景のような景色が楽しめ、深みのある静かな庭づくりができるかもしれません。
ヤマアジサイの実は葉が落ちたあとでも長く残り、侘しさが残るしとやかな雰囲気があります。
ヤマアジサイの葉
幹や枝葉から十字を描くように対になって、ギザギザした大葉(青シソ)のような葉が展開するヤマアジサイ。
直径10〜12cmほどの面長な楕円形(だえんけい)の葉は、先端がしゅっと細長くなり、裏面には産毛が生えます。
秋に赤く紅葉したあとは、茶色く枯れて落ちます。
ヤマアジサイの生長スピード・樹高・耐寒性・苗木の価格
ヤマアジサイの生長スピードは、比較的早いですが、大きくなっても樹高は1〜1.5m程度にしかならない低木です。
定期的に剪定をすればコンパクトに仕上げられ、庭のあいた小スペースに植えることができます。
また、ヤマアジサイは湿った涼しい日陰に生えていることが多いので、寒さへの耐性が高く、氷点下23.3〜20.6℃(USDA zone 6a)までなら耐えることができます。
ヤマアジサイの苗木の価格は、品種や大きさによって違いますが、直径9cm(3号)のポットサイズほどで495円程度から販売されていることが多いようです。
USDA zone とは
United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略で、米国農務省が開発した植物の耐寒性レベルを、地域ごとにわかりやすく数字で示した指標です。
寒さの段階を13のレベルに分け、植物がどこまで寒さに耐えられるのかを、数値とマップで明瞭化しています。
アメリカやカナダをはじめ、イギリスなどのヨーロッパも含め、世界で統一された数値です。
庭づくりやガーデニングなどをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられるのかを確認するために使います。
日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとに細かくレベル分けされています。
USDA zoneを調べるときは、「植物の学名+USDA zone」で調べるといいです。
※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:Japan Plant Hardiness Zone
ヤマアジサイの種類|白や赤い色の品種など
日本に自生するヤマアジサイは、江戸時代に来日したドイツの医師・博物学者のシーボルトによってアジサイと共に世界に広がったとされています。
現在では多くの品種が誕生し、花の色や形などのバリエーションが豊富です。
ここでは、人気のヤマアジサイの種類について紹介します。
- 紅
- 海峡
- 富士の滝
- 御殿場錦
- 瀬戸の月
- 藍姫
- 黒姫
紅|赤と白のコントラストが美しい
長崎県の伊那地方で発見された紅(くれない)は、ヤマアジサイの中でも貴重な赤色の花を展開する品種です。
梅雨ごろに咲く装飾花は、淡いピンク色をしていますが、初夏の日差しに当たることで真紅に染まり、温かみのある庭を演出します。
装飾花が染まるきる前の赤と白のコントラストも美しくて印象的です。
海峡|深みのある青紺色
装飾花が濃い青紺色に染まり、クールな印象がある海峡。朝鮮半島のチェジュ島で発見されたヤマアジサイで、比較的小型の品種です。
装飾花は首が長く、中心にある花と距離があるのが特徴です。
花の色は、土の酸度によって変わるので、紫みがかることもあります。
富士の滝|丸みのある白い八重咲き品種
富士の滝は装飾花が白く、八重咲きに咲きます。
一般的なアジサイのように装飾花がいっぱいに咲く特徴があり、滝が流れ落ちるかのような花の姿になります。
秋には花が赤みがかり、気温が低くなればなるほど発色が強くなり、心ひかれるような美しさです。
御殿場錦|斑入りの葉が印象的
葉の縁に白い斑が入る御殿場錦は、ヤマアジサイとガクアジサイを交配して誕生した品種。
花が咲いていない時期でもポップでかわいらしい姿を観賞でき、洋風テイストの庭によくなじみます。
瀬戸の月|淡い色合いの花が可憐でかわいい
ヤマアジサイとコガクウツギの自然交配で誕生した瀬戸の月。
一重咲きの装飾花は淡い色合いが特徴で、土壌の酸性度によってピンクや青色になります。
装飾花は3枚で展開することが多いですが、個体によっては4枚や5枚の場合もあります。
藍姫|濃い青さで暑さに強い
藍姫は、海峡よりも青に近い色で濃く色付く品種。
上品で美しい色合いは、暑さを忘れるような涼しげな印象があり、夏の庭にぴったりです。
また、藍姫はアジサイ科の中でも暑さに強く、水切れを起こしにくいです。
黒姫|黒みがかった青紫色が上品
花・葉・茎が藍姫よりも黒みがかった青紫色が特徴の黒姫。
生長してくことでより黒みが増し、大人上品さのある雰囲気を放ちます。
生命力が強いので、地植えでも鉢植えでも管理ができるヤマアジサイです。
ヤマアジサイとガクアジサイの違い|見分け方は葉の形状と産毛
▲写真はガクアジサイ
どちらも同じアジサイ属の木で、日本を代表とする固有種である「ヤマアジサイ」と「ガクアジサイ」。
遠目に見ると装飾花と花の位置や形が似ていて、しばしば混同されることが多いです。
しかし近くで観察してみると、下の表にまとめたように、葉の見た目が違います。
ヤマアジサイには「トライコーム」といわれる毛が葉・実・枝に生えているので、見分けるポイントです。
同じ仲間ですが、自生地や開花期間など違いもあるので別の品種ということがわかります。
ヤマアジサイ | ガクアジサイ | |
自生地 | 東北〜九州地方の谷沿い | 房総半島以西〜和歌山県神島、四国の海岸沿い |
大きさ | 樹高・花・葉が全体的にガクアジサイよりも小さい | 樹高・花・葉が全体的にヤマアジサイよりも大きい |
開花期間 | 6〜8月 | 5〜7月 |
葉の形 | 細身の楕円形で、先端が細長い | 丸みある楕円形で、先端が短い |
葉の表面 | 光沢がない | 光沢がある |
葉の産毛 | 表裏に産毛がある | 表裏に産毛がない |
ヤマアジサイの5つの魅力
ここでは、ヤマアジサイの魅力について以下の5つを紹介します。
- 庭での役割がたくさんある
- 花・葉・実など季節ごとに色の変化を楽しめる
- 和風や洋風の庭によくなじむ
- 日陰になる場所でも育てられる
- 鉢植え・盆栽でも育てられるコンパクトな大きさ
ヤマアジサイの魅力1|庭での役割がたくさんある
低木で美しい花や葉をたくさん展開するヤマアジサイは、庭のメインとなる木や別の高木の足元に植える下草、さらには敷地を囲むような生垣などになります。
庭での役割が大きく、さまざまな庭のテイストや好みのスタイルにあわせて植えることができますね!
ヤマアジサイの魅力2|花・葉・実など季節ごとに色の変化を楽しめる
春に鮮やかな新葉、夏に青や紫の花、秋に実と紅葉など、季節によって色の変化を観賞できるヤマアジサイ。
選ぶ品種によっては、青や紫だけでなく赤や白の花が咲くものや、葉に斑が入るもの、八重咲き咲くものもあります。
違う品種をいくつか植えて、印象に残るような美しい庭づくりもできますね!
ヤマアジサイの魅力3|和風や洋風の庭によくなじむ
花や葉の色のバリエーションが豊富なヤマアジサイは、竹垣や濃い色の石・岩を使った静けさのある日本らしい和風の庭やシャクナゲやイロハモミジなど色味のある植物が植えれた和モダンの庭にもよくなじみます。
また、青や赤、紫や白などさまざまな品種を植えれば、多種類の淡い色の植物がふんだんに植えられた明るい洋風の庭などにもよくなじみ、個性を感じる庭を演出できます。
ヤマアジサイの魅力4|日陰になる場所でも育てられる
里山の湿った日陰に自生していることが多いヤマアジサイは、日陰の耐性が高いので暗くなりがちな北側の庭でも育ちます。
ただし、花は日によく当てた方が色合いが鮮やかになるので、朝日が当たりやすい東側寄りに植え付けましょう。
ヤマアジサイの魅力5|鉢植え・盆栽でも育てられるコンパクトな大きさ
アジサイ科の中でも全体的に小さいヤマアジサイは、定期的に剪定をすることで樹高を低くできるだけでなく、株の横幅も狭められるため、コンパクトな樹形に仕上げられます。
スペースが小さい庭でも植えることもできますが、鉢や盆栽に仕立てて育てるのもおすすめです。
ヤマアジサイの育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
ヤマアジサイは排水性・保水性の高い良い土で育てる
湿った林の谷や沢沿いの斜面に自生するヤマアジサイは、極端に根が乾燥するような場所を嫌います。
できるだけ、土が乾燥しにくくて水切れを起こしにくい排水性・保水性の高い土で育てましょう。
また、有機物が多く入った土を使えば栄養が多く入っているので、色鮮やかな花をたくさん付けやすくなります。
ヤマアジサイの苗木を地面に植え付ける前に、掘り起こした土に腐葉土、黒土(ピートモス)、赤玉土(鹿沼土)をしっかりと混ぜ合わせて、排水性・保水性を良くしておきます。
ヤマアジサイの適切な植え付け・植え替え時期
ヤマアジサイは、暖かくなった3月中旬〜3月下旬か、生育の流れに勢いがある6月中旬〜6月下旬に植え付けや植え替えをします。
この時期であれば株にストレスを与えにくく、植え付け後でも生長の流れが悪くなりにくいです。
ヤマアジサイは直径1〜2mほどのスペースを確保してから植え付ける
地面から複数の幹が立ち上がって横にこんもりと広がるヤマアジサイは、直径1〜2m程度のスペースを確保してから植え付けましょう。
スペースが十分でないと、ヤマアジサイの枝葉が周辺の建物や草花にぶつかって樹形が乱れたり、傷つけたりする場合も。
苗木が小さくても、大きくなったときのことを踏まえて植え付けをしてくださいね!
ヤマアジサイの苗木の植え方
地面に根を浅く張るヤマアジサイは、深植えをせずに植え付けることがポイントです。
植え穴の深さは、根鉢の高さよりも3cmほど低くし、根鉢の周りに片足が入るぐらいの広さをつくります。
また植え付ける前に一度、ヤマアジサイの苗木を穴に入れて、深さと横幅を確認し、調整をすると失敗しにくいです。
手を離しても苗木が直立するように、穴の底に土を加えてから植え付けます。
用土を足で踏み固めながら継ぎ足し、苗木をしっかりと地面に定着させましょう。
苗木がしっかりと固定できたら、最後に水をたっぷりと与えます。
ヤマアジサイの鉢植えの植替え
鉢植えで育てるヤマアジサイは、2〜3年に1回のペースで植え替えをしましょう。
地面から新しい幹が増えて大きく生長するので、長く放置していると根詰まりを起こして枯れてしまうことも。
水が土に浸透しにくくなったときや、鉢底穴から根が出ているときにも植え替えをしてくださいね。
肥料
花をたくさん咲かせるヤマアジサイには、年に2回ほど肥料を与えます。
開花時期を迎えた6〜7月に追肥・お礼肥を、葉が落ちて休眠期に入った12〜2月上旬に寒肥を与えましょう。
夏は速効性のある草木灰を、冬は緩効性の油かすを与えるのがおすすめです。
剪定
基本的に、ヤマアジサイの剪定は1〜2年に1回のペースで行います。
地面から無数の幹が立ち上がってこんもりとしたドーム型の樹形になるので、株の内側の幹の数を減らし、枝葉の長さを短く仕立てると美しいたたずまいになります。
株の内側の日当たりや風通しが悪くなり、枝葉が枯れ込んでしまうこともあるので、背丈が高くなり過ぎたときや、枝葉混み合ったりしたときにも剪定をしましょう。
ヤマアジサイの適切な剪定時期|1〜2月か6月下旬
ヤマアジサイの剪定は、12〜6月の間であれば枝葉を切っても大丈夫ですが、株を小さくさせる場合は葉が落ちて休眠期に入った1〜2月の間が最適期です。
冬になると、翌年に開花する花芽が大きくなり、見分けることができます。
どの花芽を残すかによって花数も決められるので、開花時期に大いに楽しめます。
また毎年剪定を行う場合は、花が咲き終わった6月下旬ごろに花柄を摘み、枝先を切り戻す程度で大丈夫です。
ただし、7月を過ぎてしまうと、暑さによって切り口から水分が抜けてしまい、ヤマアジサイの枝葉が枯れ込んでしまう場合も。
できるだけ猛暑日は避けた、涼しい時期を選んで剪定しましょう。
ヤマアジサイの剪定の手順
冬にできるヤマアジサイの花芽は、枝先に近くに付き、葉芽よりも太くて大きいです。
花芽を残しながら不要な幹と枝葉を剪定するのがポイントです。
Step1. ヤマアジサイの木の仕上がりラインを決める。
はじめに枝葉を切る前に、ヤマアジサイの木の理想の高さや幅を決めて、仕上がりのラインを決めましょう。
なんとなくの感覚で枝葉を切ってしまうと、花芽が付いた枝や幹を切ってしまたり、いびつな樹形になってしまったりすることもあります。
Step2. ヤマアジサイの不要な枝葉を剪定する
ヤマアジサイの株の混み合った枝や交差枝など不要な枝を切り落として、すっきりとした樹形に仕立てましょう。
地面から生える混み合った幹や根元付近から生える枝も日当たりや風通しを悪くさせるので、付け根から切り落とします。
枝葉を切るときは枝葉の外側に出た外芽を残しながら、内側に伸びる内芽を残すように剪定するのがポイントです!
下記の不要な枝は生えている付け根から全て取り除き、株の内側の日当たりと風通しを良くします。
- 徒長枝:株から強く飛び出すように、太く長く伸びる枝
- 立ち枝:横に伸びている太い枝に対して、直立したように上に強く伸びる枝
- 内向枝:株の内側に向かって伸びる枝
- 交差枝:枝同士が十字に交差する枝
- 絡み枝:太い枝に絡みつくように伸びる枝
- 平行枝:近い位置で平行に同じ方向へ伸びる枝
- 逆さ枝:地面に向かって伸びる枝
また、古くなった幹は、花付きが悪くなるので優先的に剪定しましょう。
Step3. ヤマアジサイの全体のバランスを整える
最後に、ヤマアジサイの枝先を切って、全体のバランスを整えます。
遠目で見ながら、仕上がりラインを超えた枝葉や、樹形を乱す株の外側に向いた枝葉を剪定します。
ヤマアジサイの花が咲き終わったあとの剪定
秋に実が付くヤマアジサイですが、咲き終わった花をそのままにしておくと、生長の流れに勢いがなくなって株が弱ってしまう場合も。
花が咲き終わったあとには、花柄を摘み、花首を剪定しましょう。
花の頭から数えて、下部の2〜3節目の節より数ミリ上で切り落とすのがポイントです!
ヤマアジサイが大きくなり過ぎたときの対処法
ヤマアジサイが大きくなり過ぎてしまったときは、すべての幹を地面に近いところで剪定すると春には新しい芽が出ます。
古くなった株を更新したいときにも同様です。
剪定するときは、幹の節目の数ミリ上を切るようにしてくださいね!
病害虫
春から夏頃にかけて、ヤマアジサイにはうどんこ病やアブラムシといった病害虫が発生することもあります。
株の内側の日当たりや風通しが悪いと発生しやすく、湿気がこもって温度が高くなると斑点病や炭そ病といった病気にかかる場合も。
幹が伸び過ぎたときや枝葉が伸びて鬱蒼(うっそう)としたときは、剪定をして予防をしましょう。
また、病害虫が発生した場合は、薬剤を散布をして駆除します。
ヤマアジサイに現れる病気
・うどんこ病
4月上旬~7月上旬と9〜10月上旬に、ヤマアジサイの葉の表面や花などのやわらかい箇所に白い粉が吹いたような菌糸が発生します。
症状が悪化すると、葉や花が奇形になる場合も。
昼夜の温度差が大きい時期は、空気感染によって被害が拡大する場合もあります。
日頃から風通しを良くし、予防として薬剤を散布しておくといいです。
・炭そ病
梅雨ごろに、菌によってヤマアジサイの新葉に赤色の病斑が現れます。
長く続いた雨や、地面に跳ね返った雨の水によって菌が葉に付着しやすいです。
株の周りはバークチップなどでマルチングを行い、雨の水が跳ね返らないように工夫しましょう。
・斑点病
春と秋の時期に、雨や風に伝搬された菌によって、ヤマアジサイの葉の表裏に褐色の斑点が浮かび上がります。
症状がひどくなると枝葉が枯れる場合も。
基本的に株の内側の風通しが良くなるように剪定をして予防します。
水滴がヤマアジサイの葉に付着しないように、できるだけやさしく水やりをしましょう。
ヤマアジサイに現れる害虫
・アブラムシ
3〜10月にかけて、ヤマアジサイの新芽・やわらかい枝葉の先端・蕾(つぼみ)に発生し、養分を吸汁します。
窒素成分が多く入った肥料を与え過ぎたりすると、特に発生しやすいです。
また、日当たりや風通しが悪くて枝葉が徒長すると、アブラムシが吸汁しやすいので、ヤブコウジの植え付け・置き場所にも注意します。
発生した場合は水で洗い流すといいですが、大量に発生した場合は殺虫剤を散布します。
・ハダニ
1年を通して、ヤマアジサイの葉の表裏に発生しやすいです。
株の内側の風通しがなく乾燥した枝葉に現れやすく、放置をするとコロニーを形成し大量に繁殖する場合も。
葉の養分を吸汁するため、落葉の原因になります。
定期的な剪定をしますが、大量に発生した場合は薬剤で対処するといいです。
・カイガラムシ
1年を通して、ヤマアジサイの枝や幹に発生しやすく、養分を吸汁します。
成虫になると甲羅が硬質化して薬が効きにくくなるので、できるだけ薬の効く幼虫のうちから薬剤散布を行うといいです。
成虫は歯ブラシや軍手を使って擦るようにして補殺します。
・ミノムシ
比較的春と夏の時期に発生しやすく、ヤマアジサイの新葉や青葉を食害します。
大量に繁殖すると光合成の阻害となり生育が悪くなります。
ミノ(巣)を発見した場合は、すぐに全て取り除き薬剤を散布しましょう。
日当たり
湿り気のある場所でよく育つヤマアジサイは、土を極端に乾燥させないように定期的に水やりをしましょう。
特に夏の猛暑日が続いたときや幼木のうちは、乾燥によって水切れを起こす場合もあるので、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。
また、ヤマアジサイの苗木を植え付けた直後や、地面にしっかりと根付くまでの1年間は、土が乾燥しないように定期的に水やりをしてくださいね!
水やり
湿り気のある場所でよく育つヤマアジサイは、土を極端に乾燥させないように定期的に水やりをしましょう。
特に夏の猛暑日が続いたときや幼木のうちは、乾燥によって水切れを起こす場合もあるので、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。
また、ヤマアジサイの苗木を植え付けた直後や、地面にしっかりと根付くまでの1年間は、土が乾燥しないように定期的に水やりをしてくださいね!
リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。 カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。 現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。 植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。