アロニアは秋に小さな果実をつける落葉低木です。
北米東部が原産地で、寒さに強い寒冷地向きの果樹。育て方が簡単で病害虫にも強く、ガーデニング初心者にもおすすめできます。
樹高もさほど大きくならないことから、管理や収穫がしやすいこともメリット。
基本データ
- 分類
- 庭木-落葉
- 学名
- Aronia melanocarpa
- 科・属名
- バラ科・アロニア属
- 別名
- チョークベリー
美味しい果実が実る落葉低木
アロニアとは?
アロニアは落葉低木の仲間で、秋になるブルーベリーに似た果実が食べられることから、果樹としての人気も高まっている庭木です。
英名は「チョークベリー」と名付けられているので、チョークベリーと呼ばれることもありますが、最近では「チョコベリー」という別名も浸透してきました。
アロニアの原産地は北アメリカ東部であるため、日本では寒冷地の方が育てやすい傾向にあります。
四季折々の変化を鑑賞でき、育て方も簡単なことから、手軽に果樹を育てたい人やガーデニング初心者にもおすすめの樹木です。
アロニアの特徴
アロニアは春の4月ごろになると葉が芽吹きはじめ、5月ごろに開花期を迎えます。
花の大きさは約1cmと小さいものの、複数の白い花がまとまって咲くのが特徴。
葉は丸みのある楕円形で、葉先が尖った形をしています。
果実は結実したばかりの時期は緑色ですが、少しずつ熟して色付いていき、収穫期を迎える9月〜10月ごろには黒く熟します。
アロニアの種類
一般的なアロニアは「アロニア・メラノカルパ」という種類を指します。
アロニア・メラノカルパは黒い果実がなりますが、赤い実がなる「アロニア・アルブティフォリア」もあり、こちらは主に観賞用として栽培され、食用には向きません。
そのほかにも、メラノカルパとアルブティフォリアの交配種「アロニア・プルニフォリア」や、大実品種の「アロニア・バイキング」などがあり、育て方や楽しみ方に合う種類を選ぶことができます。
アロニアを庭木に迎えて楽しもう
花と果実、紅葉が楽しめる魅力的な庭木
四季を通していろいろな一面を見せてくれるアロニア。
庭木として迎え入れれば、春には花が、夏には緑を楽しめ、秋は果実を収穫して食べたり、紅葉を鑑賞したりすることが可能です。
花は小さいとはいえ、まとまって咲く姿からは清楚な雰囲気を感じられるため、花木としての魅力も備えています。
また、株立ちの樹形や細い枝は繊細な雰囲気を演出するのに役立つことから、庭のアクセントツリーやサブツリーとしても活躍するでしょう。
鉢植え栽培ができ、ベランダ栽培にもおすすめ
アロニアは成長が緩やかでコンパクトに育ち、管理や収穫がしやすいので鉢植え栽培もおすすめです。
ベランダ栽培も可能なので、庭がない家庭でも苗木から収穫に至るまでの過程を楽しめます。
育て方が簡単で病害虫にも強いことから、子供の食育にもぴったりですね。
アントシアニンを豊富に含む健康食品として人気
アロニアの果実にはポリフェノールの一種、アントシアニンが多く含まれています。
アントシアニンは視力回復に効果的と言われている成分ですが、なんとアロニアはブルーベリーの約2倍ものアントシアンニンがあるんだとか。
最近ではアロニアが健康食品としても注目されているので、目のかすみやぼやけるのが気になる人は、視力回復の効果が期待できるアロニアの果実をぜひ摂取してみてください。
なお、アロニアの果実は副作用の報告はなく、安心して食べることができますが、過剰摂取には注意が必要です。
特に、妊婦や授乳中の人は、アントシアニンの多量摂取により子供に影響が出る恐れもあるので気をつけてください。
食べ過ぎに注意しつつ、適度な量を食生活に取り入れていきましょう。
アロニアのおすすめの食べ方
アロニアの果実はそのまま生で食べられます。
生で食べる場合はケーキのトッピングにしたり、ほかの果物やヨーグルト、アイスクリームなどと一緒に食べたりするのがおすすめです。
しかし、アロニアの渋味が気になる人も少なくないでしょう。
そういった人は渋抜きをしてジャムやジュース、スムージー、果実酒などにアレンジした食べ方がおすすめです。
アロニアを使った料理を楽しみ、自分に合う食べ方を見つけられるといいですね。
アロニアの育て方と特徴の詳細情報
- 草丈・樹高
- 2.5m
- 栽培可能地域
- 全国
- 花色
- 白、薄いピンク色
- 開花期
- 5月
- 結実期
- 9月〜10月
- 耐暑性 / 耐寒性
- やや弱い/強い
アロニアの育て方と特徴の育て方・管理方法
- 植え付け・植え替え
- アロニアの休眠期である12月〜2月の間は、植え付け・植え替えに適した時期です。
土壌は選びませんが、水はけと水保ちのいい土が好ましいため、赤玉土や腐葉土、完熟堆肥などをよくすき込んでから苗木の植え付けをするといいでしょう。鉢植えやコンテナ栽培では、果樹用の培養土を使うのもおすすめです。
植え替えは鉢植え栽培やコンテナ栽培の場合に行ってください。植え替えをせずにいると、鉢やコンテナの中で根がパンパンになり、やがて根詰まりを引き起こします。根詰まりは成長がストップして果実の収穫量が減ったり、水をうまく吸収できずに水切れしたりなど、さまざまな影響を及ぼしてしまうので、最低でも2年に1度は一回り大きな鉢に植え替えて根詰まりを防ぎましょう。 - 肥料
- アロニアの元肥には有機質肥料を施します。追肥は特に必要としませんが、実付きをよくしたい人は12月〜2月の間に寒肥を与えてください。寒肥は効果がゆっくりと長く続く有機質肥料がおすすめです。
- 剪定
- 剪定に適した時期は、12月〜2月の休眠期です。
アロニアは細い枝が多いので、全体に日光が行き渡るように枝を剪定し、風通しもよくしましょう。また、花があまり咲かなくなった古い枝も根本から剪定してください。 - 病害虫
- アロニアは病害虫に強く丈夫です。そのため、病害虫の心配は特にいらないでしょう。
- 日当たり
- 基本的な水やり方法は、土の表面が白っぽく乾いたときにたっぷりと水を与えてください。
地植え栽培では、植え付けて1〜2年間は様子を見ながら水やりを行います。夏は水が乾きやすいので、涼しい時間帯にホースなどを使ってしっかりと水を与えましょう。もちろん、降雨があれば水やりは不要です。
鉢植え、コンテナ栽培では、夏の水切れに特に注意します。朝と夕方の1日2回を目安に、底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。冬は加湿になりやすいので、土の表面が乾いてから3〜4日後、または10日1度くらいのペースで水やりをすることをおすすめします。 - 水やり
- 基本的な水やり方法は、土の表面が白っぽく乾いたときにたっぷりと水を与えてください。
地植え栽培では、植え付けて1〜2年間は様子を見ながら水やりを行います。夏は水が乾きやすいので、涼しい時間帯にホースなどを使ってしっかりと水を与えましょう。もちろん、降雨があれば水やりは不要です。
鉢植え、コンテナ栽培では、夏の水切れに特に注意します。朝と夕方の1日2回を目安に、底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。冬は加湿になりやすいので、土の表面が乾いてから3〜4日後、または10日1度くらいのペースで水やりをすることをおすすめします。
出典(引用元)
・三上常夫・若林芳樹・小林隆行『園芸図鑑 家庭果樹 庭・ベランダ・鉢植えで楽しむ70種類』