中国原産のハクモクレン(白木蓮、マグノリア)は、白い花が咲くモクレンの仲間。
モクレンやコブシと同様に3月~4月に咲き出し、季節の変わり目を知らせてくれる。記念樹やシンボルツリーとして人気で、公園樹や街路樹でもよく見かける。モクレン類の中でも大型になる。
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ハクモクレン(白木蓮、マグノリア)の木の管理方法
基本5データ
- 分類
- 庭木-落葉
- 学名
- Magnolia denudata
- 科・属名
- モクレン科モクレン属
- 別名
- ハクレン、ハクレンゲ、ビャクレン
- 草丈・樹高
- 5m~15m
- 栽培可能地域
- 東北以南
- 花色
- 白
- 開花期
- 3月~4月
- 結実期
- 10月
- 耐暑性 / 耐寒性
- 中国原産の品種で、日本の気候に適していて、幅広い地域で育てられます。
図鑑などでは栽培可能地域は東北以南と記載されることもありますが、北海道での栽培成功事例もあります。
日当たりや風通しなどの条件が合えば、寒い地域でも育てられるようです。
モクレン類の中でもいち早く開花する
ハクモクレンとは
ハクモクレン(白木蓮)は、中国原産のモクレン科モクレン属の落葉高木です。
3月~4月になると、新葉を出す前に白い花を一斉に咲かせます。
春を告げる花木として、公園や個人庭で用いられる樹木の代表種です。
モクレン科の樹木の中でも、ハクモクレンは特に早い時期に開花します。
基本種のモクレンより半月ほど早く咲きますが、開花期間は3日程度と短めです。
白く肉厚な花びらは、すぐに傷んで茶色くなってしまいます。
ハクモクレンの花には甘い香りがあり、紫色の花を付けるモクレンより、白花の方が香りが強い傾向にあります。
花言葉は、「高潔な心」「気高さ」です。
ハクモクレンとコブシの違い・見分け方
ハクモクレンは、同じモクレン科の落葉樹「コブシ」と姿形が似ています。
開花期がかぶっていることもあり、混同されやすい樹木です。
ハクモクレンとコブシを見分けるポイントは次の通りです。
◆ハクモクレンの花
◆コブシの花
花びらの枚数:ハクモクレンの花弁は9枚、コブシの花弁は6枚と、ハクモクレンのほうが花びらが多く豪華な印象です。
花の開き方:ハクモクレンの花は半開きで、コブシの花は全開します。
花の向き:ハクモクレンの花は全て上向きに咲く一方、コブシの花はバラバラな方向に咲きます。
花の大きさ:ハクモクレンの花のほうがコブシより大きめで、花弁が肉厚な傾向にあります。
つぼみもハクモクレンのほうが大きく立派です。
つぼみは漢方薬にも用いられる
12月ごろに出現するハクモクレンのつぼみは、銀色の細かい毛に覆われたフワフワの質感です。
鑑賞しても楽しいでしょう。
乾燥させたつぼみは、辛夷(しんい)と呼ばれる生薬として、鼻や頭の症状に作用する漢方薬「葛根湯加川芎辛夷」「辛夷清肺湯」などに配合されてきました。
頭痛・鼻づまり・蓄膿症・鼻炎に用いられます。
なお、辛夷とは、ハクモクレンのつぼみだけでなく、コブシやモクレンの花蕾の総称です。
庭に季節感を与えてくれる落葉樹
和から洋までさまざまなテイストに合う庭木
アジア原産のハクモクレンは、和風の庭に似合う雰囲気を持ちます。
清楚な白い花は、洋風や自然風の庭にもぴったりです。
シンボルツリーやサブツリーなど、用途も選びません。
記念樹にもおすすめです。
太陽の光を好む陽樹なので、日当たりの良い場所を選びましょう。
建物や高木の陰になる場所や、北向きの庭や玄関には不向きです。
大きくなるので植え場所のスペースに注意
ハクモクレンは、大きく育てば樹高10m以上になる高木です。
それなりにスペースを確保できる場所に植え付けます。
剪定して樹高を維持する方法もありますが、強く切りつめると樹にダメージを与える可能性があります。
小さなスぺ―スに植えたい場合は、小ぶりな「スノーホワイト」などの品種を選びましょう。
小型種なら、鉢植えでの栽培も可能です。
「シモクレン」や黄花品種と一緒に楽しむ
モクレンの仲間は、花色が豊かです。
白花のハクモクレンを、紫色の花を咲かせる「シモクレン」や、黄花品種の「金寿」「エリザベス」「サンセーション」「サンライズ」などと組み合わせて植栽しても楽しいでしょう。
これらはほぼ同じ時期に咲き揃うので、近くに植えれば花色のコントラストを楽しめます。
ハクモクレンの育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
植え付けの適期は、休眠期の11月~3月ごろです。寒い地域では1月~3月に、温暖な地域では11月~12月に植え付けます。やや湿り気のある肥沃な土を好みます。
植え穴には元肥のほか、腐葉土やピートモスをすきこんでください。地植えの場合、植え替えは不要です。
鉢植えで育てるなら、根が鉢全体に回っているようであれば、春か秋に一回り大きな鉢に植え替えてください。
肥料
地植えのハクモクレンには、4月~5月と9月に緩効性肥料を与え、2月ごろに寒肥として油かすなどの有機肥料を与えてください。
鉢植えには、春から夏の生育期にかけて定期的に緩効性肥料を施します。
剪定
生育旺盛なので、樹高を低く保つには毎年剪定しましょう。
樹形を整えたり不要な枝を落としたりする程度の軽い剪定は、真夏を除いていつでも可能です。
ただし、花芽の付いている枝を落としてしまうと、翌年に花が咲かなくなるので要注意が必要です。
枝の見分けが付かなければ、開花直後か、秋以降に花蕾が目視できるようになったタイミングで剪定してください。
病害虫
うどんこ病に注意します。
うどんこ病は、葉に白い粉のようなカビが発生する伝染性の病気です。
4月~11月の葉の出ている時期にはいつでも発生する可能性があります。
うどんこ病は、チッソ肥料の与えすぎや、風通しの悪さが原因で発生します。株周辺の風通しを良くして予防し、発生したら放っておかず、適切な薬剤で対処してください。
日当たり
地植えなら、苗の植え付け直後を除き、基本的には水をやる必要はありません。
鉢で栽培する場合は、成長期の春から夏にかけて、表土が乾いたらたっぷりと水をやってください。
水やり
地植えなら、苗の植え付け直後を除き、基本的には水をやる必要はありません。
鉢で栽培する場合は、成長期の春から夏にかけて、表土が乾いたらたっぷりと水をやってください。
出典(引用元)
椎葉林弘『よくわかる庭木大図鑑』永岡書店
小幡和夫ほか『樹木博士入門』全国農村教育協会
植物が大好きなライターです。小学校の自由研究は「雑草の研究」でした。忙しい毎日でも無理なく楽しめるガーデニングを日々研究しています。雑草&野草・カラーリーフ・球根植物・100円ショップの園芸グッズ。