手を広げたような葉が和名の由来「児手柏(コノテガシワ)」。
冬でも鮮やかな緑を保ち、日陰にも強いので、庭木やリースとして人気です。
黄金色が美しい種類や、ニオイヒバに似た香りの品種もあり、樹高をキープしやすく、大きくなりすぎないため、剪定の仕方や伐採で理想の樹形に整えやすいのが魅力。
小さなの花や球果の実が楽しめ、実生や移植もしやすく、初心者でも育て方がわかりやすい庭木です。
コノテガシワの葉を使ったアレンジや手入れ、価格・値段、写真も交えて、その魅力をたっぷりと紹介します!
基本データ
- 分類
- 庭木-常緑
- 学名
- Platycladus orientalis (L.) Franco
- 科・属名
- ヒノキ科クロベ属
- 別名
- コノテヒバ、コノテヒバ、コノテヒバ、コノテヒバ
- 草丈・樹高
- 5~10m
- 栽培可能地域
- 全国
- 花色
- 茶色、黄緑
- 開花期
- 3~4月
- 結実期
- 10~11月
- 耐暑性 / 耐寒性
- どちらも強い
コノテガシワとは
真っ直ぐ伸びる灰色の幹と、扇を広げたように重なり合う葉を一年中まとっているコノテガシワ(児手柏)
春から夏にかけては新芽がやわらかな緑色で芽吹き、新しい葉が出そろうと緑のボリューム感が増し、秋には色が少し深まります。
季節の移ろいを感じさせ、年間を通して異なる表情を楽しめ、爽やかな景観をつくってくれます。
芽吹く力が比較的強く、あまり大きくならない品種も多いので、小さな庭でも管理しやすいのが魅力です。
葉が密に生えることでプライバシーを守る目隠しや防風、防音効果も期待できるため、生垣としても人気があります。
コノテガシワはヒノキ科クロベ属に分類し、適応力が高いため、寒さの厳しい地域でも屋外で育つことができます。
日本国内の多くのエリアで防寒対策をしなくても冬越しできる場合もあるため、初心者にも育てやすい樹木です。
真冬に氷点下になるような地域でも耐えられるケースが多く、霜が降りる季節になっても葉の色が大きく変わることはありません。
春になるとコノテガシワは、控えめで小さな球状の花を咲かせます。
花をよく見ると先端に淡黄色の花粉を持つ雄花と、葉の付け根に付く緑色の雌花が確認でき、結実すると小さな球果ができ、熟すと茶色く硬い実になります。
実はあまり目立たないものの、落ち葉が少ないため、庭をすっきりと保ちたい方におすすめです。
また、葉は細かくうろこ状に重なり合い、しっとりとしたやわらかな質感があります。
枝葉が密に茂り、縦に伸びるすらりとした樹形が特徴的です。
自然に生育する姿は上品で、和風・洋風を問わず庭の景観に調和します。
さらに枝葉にはほんのりと爽やかな香りがあり、風に揺れると優しい香りが漂うことも魅力の一つ。
庭木としてだけでなく、剪定(せんてい)によって形を整えやすいことから、シンボルツリーや生垣、風よけの植栽などさまざまな用途に対応します。
育てやすく管理がしやすいことから初心者でも扱いやすく、庭づくりに取り入れれば、季節ごとに変わる風情ある表情を楽しむことができます。
金平糖のような実がなるコニファー類
小さくて丸い実が、まるで金平糖のようにコロコロと可愛らしい姿を見せるコニファー類。
その独特な球果(きゅうか)を楽しめる品種はいくつかあります。
たとえば、やわらかな緑と密集する葉が魅力的な「ヒバ」は、手入れを怠らなければ可愛らしい実をたくさん付け、自然のオーナメントのように庭を飾ってくれます。
葉先が繊細な「ビャクシン」も金平糖のような球果を付けることで知られ、ときどき思いがけない場所に種が飛んで、ちょっとしたサプライズをもたらすことも。
そして忘れてはならないのがコテノガシワ。
和名で呼ばれると少し堅苦しい印象ですが、実は葉の形が扇のように重なり合い、庭木として人気です。
球果は小ぶりながらも、しっかり金平糖のような形で目を楽しませてくれます。
コテノガシワは生長がゆるやかなので、定期的に剪定をすれば庭のスペースが限られていても管理しやすいのが嬉しいところ。
これらのコニファーは常緑樹なので、冬でも寂しくならず、四季を通じて庭に彩りをもたらします。
ただし、湿気がこもりすぎる場所に植えると根が傷みやすいので、水はけの良い土を選んであげることが大切です。
育て始めのうちは軽めの追肥を行いながら、枝の密集を防ぐように剪定を続けると、金平糖のような可愛い実をしっかり楽しむことができます。
庭に小さな驚きと彩りを加えてみたい方は、こうしたコニファーの魅力をぜひ味わってみてくださいね。
金平糖のような実
コノテガシワには青みがかった金平糖のような実がなります。
これは未熟な状態で、秋ごろに熟すと裂けて、中から種が出てきます。
未熟な実はお菓子のようで美味しそうに見えますが、一般的に食用とされることは無いので、実を食べるのは避けた方が良いでしょう。
コノテガシワの種類・仲間
手のひらのように広がる枝葉が印象的なコノテガシワは、品種や仲間がいくつもあり、それぞれ葉色や樹形に特徴があります。
日向から半日陰にかけて適応できる種類も多く、狭い場所でも管理しやすいものから、大きく育てて庭の主役にするタイプまで、選択肢が豊富。
いずれの場合も、排水の良い土壌とほどよい水やりを心がければ、葉がしっかりと茂り、四季を通じて緑の彩りを楽しませてくれます。
枝葉が上に向かって伸びるものや、枝先がふんわりと広がるものなど、その形によって雰囲気も変わります。
庭木としてだけでなく、寄せ植えやシンボルツリーに取り入れるのも素敵です。
品種によっては、淡い緑の新芽が出てくる時期があったり、秋や冬に葉色が少し変わるものもあり、季節感を味わえるのも魅力。
ただし、葉が込み合いすぎると風通しが悪くなることがあるため、適度な剪定を行い、光と空気をいきわたらせることが大切です。
いろいろな種類や仲間を知って、自分の庭にぴったりのコノテガシワを探してみてください。
ここでは、コノテガシワの見分け方や種類・仲間について紹介します。
- コノテガシワの見分け方
- センジュ
- オウゴンコノテ
- コレンス・ゴールド
- ローズダリス
- エレガンティシマ
コノテガシワの見分け方
手のひらを広げたような枝葉が密集し、扇状に重なり合うコノテガシワ。
よく似たコニファー類は数多くありますが、枝葉の向きや葉の裏表の有無を意識すれば見分けがつきます。
コノテガシワは枝葉がほぼ垂直に立ち上がるうえ、裏表の差がほとんどないのが最大の特徴。
対して、ヒノキなどは地面と水平に枝葉が広がり、触ったときに裏表の質感がわかりやすいです。
園芸品種には、円錐形のまま縦にスッと伸びるタイプや、幅広に広がるタイプなどさまざま。
オウゴンコノテなどは若葉が黄色っぽく色づき、エレガンテシマは細長い円錐形になるなど、それぞれ個性があります。
見た目だけで迷ったら、枝葉を少しチェックしてみましょう。
見分けるポイント | コノテガシワ | 他のヒノキ科コニファー
例(ヒノキ、エレガンテシマなど) |
---|---|---|
枝葉の向き | 垂直に立つ | 水平または斜めに広がる |
葉の裏表の差 | ほとんど無し | 手触りや色味に違いがある |
樹形の印象 | 扇状に密集 | 円錐形・柱状など多様 |
色合い | 緑〜やや黄味 | 緑〜青緑・黄金系など品種によって変化 |
コノテガシワは生育が落ち着いており、手入れも比較的楽です。
狭い庭でも育てやすく、枝葉の込み合いを抑えるために少し剪定すれば、美しいグリーンをキープできます。
常緑樹ゆえ、冬でも景観が寂しくならないのもうれしいポイントでしょう。
ほかのコニファーと並べて植えたいときは、こうした違いを押さえて品種を選んでみてくださいね。
センジュ
真っ直ぐ伸びる灰色の幹と、ゆったり扇を広げたような枝葉が魅力のセンジュは、コノテガシワの仲間のなかでも落ち着いた雰囲気をかもし出す常緑樹です。
一年を通して青々とした葉をつけ、寒い季節でも景観を保ってくれるため、庭に1本あるだけで空間のアクセントになります。
芽吹く力がそれほど強すぎないので、伸びすぎを気にせず庭に取り入れやすいのが嬉しいポイント。
葉色の美しさに加えて、センジュは乾燥にも強い性質を持っています。
日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも育つため、植える場所を選ばないのも魅力です。
寒さや暑さにも耐えられるため、日本各地で育てやすい樹木として親しまれています。
剪定を工夫することで形を整えたり、小さく育てたりすることもできるので、庭のデザインに合わせた管理が可能です。
植え付けは春か秋が適期です。
根の張りが安定したあとは、水やりや肥料を控えめにしてもじっくり生長してくれます。
夏場は土が乾きすぎない程度に水分を確保し、葉の色合いを保ちましょう。
寒さにはある程度耐えられるため、防寒対策が不要な地域も多いです。
センジュをきれいに保つコツは、年に1度ほど余分な枝を剪定すること。
密集しすぎると風通しが悪くなり、病気のリスクが上がるので、手入れの際は全体のバランスを見ながら、伸びた部分を軽くカットしてあげると良いです。
樹形を崩さず、自然な姿を楽しめるのもセンジュの魅力です。
落ち着いた緑を四季を通じて眺められるセンジュは、和風・洋風を問わずさまざまな庭に調和します。
鉢植えでも育てやすいので、スペースに余裕がない場合でも気軽にチャレンジできる庭木です。
オウゴンコノテ
黄金色の葉が目を引くオウゴンコノテは、明るい雰囲気を演出する常緑樹です。
幹はまっすぐに伸び、枝葉はやや広がるように生長し、葉は細かく密に茂り、新芽は特に鮮やかな黄色を帯びます。
春から初夏にかけての新芽の色合いはとても美しく、庭のアクセントに最適です。
年間を通して葉が落ちにくく、冬場でも緑と黄金色のコントラストを楽しめます。
日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも育つため植栽場所を選びません。
乾燥にも比較的強く、手入れがしやすいのもオウゴンコノテの魅力の一つ。
適度な剪定を行うことで樹形を保ちやすく、庭木としても生垣としても利用できます。
さらに、オウゴンコノテは病害虫にも強く、初心者でも育てやすい樹木です。
根がしっかり張ることで風にも強く、安定した姿を維持します。
これらの特徴から、庭のポイントとして取り入れるだけでなく、広めのスペースを彩る植栽としても人気があります。
生長が比較的ゆっくりなので、頻繁な剪定の手間が少ない点も特徴です。
樹高は5〜8mほどになりますが、剪定次第でコンパクトに仕立てることもできます。
特に春と秋は生長期にあたるため、枝葉の伸びが気になる場合は軽く刈り込むと良いでしょう。
オウゴンコノテは、鉢植えにしても管理しやすいため、庭植えだけでなく玄関やベランダで育てることもできます。
明るく華やかな印象を与えるオウゴンコノテは、庭や建物周りのアクセントとして取り入れることで、季節を問わず楽しめます。
育てやすさと美しさを兼ね備えた樹木として、多くの家庭で親しまれています。
コレンス・ゴールド
ほんのり黄金がかったグリーンの葉を一年中まとっているコレンス・ゴールド。
コノテガシワの仲間の中でも、光を受けてキラリと輝く独特の色味が魅力です。
芽吹く力があり、どんどん背が高く育っていくので、庭に1本あるだけでも、まるで森林にいるような心地よい景色がつくれます。
コレンス・ゴールドは、冬でも葉が落ちず常緑性があるため、寒さの厳しい地域でも防寒対策をしなくても冬越しできることもあります。
日陰にも適応しやすく、耐暑性・耐寒性に優れているので、初心者でも育てやすいのが嬉しいポイントです。
剪定や植え付け・植え替えの時期は、生長が落ち着く時期や、の花が咲き終わったころがおすすめ。
肥料は与え過ぎると必要以上に大きくなりすぎることがあるので、少なめが安心です。
根付くと、生長速度がやや速まり、高さが増していきます。
広い庭に植え付ければ、樹高がかなり上がっても大丈夫ですが、こまめな手入れで調節することで、狭いスペースでも楽しめます。
価格や値段は苗の大きさや状態で異なりますが、美しい黄金色の葉と、コノテガシワらしい扱いやすさが人気の理由です。
ローズダリス
やわらかい緑の枝葉を、ふんわりと重ねるように伸ばしていくローズダリスは、優雅な樹形と繊細な葉が特徴の常緑樹です。
コノテガシワの仲間のなかでも、少し赤みを帯びた新芽が魅力的で、春先になるとその優しい色合いが庭を明るく彩ります。
年中常緑で寒さにもしっかり耐え、自生する力がそこそこ強いため、比較的園芸初心者でも育てやすい品種です。
植え付けは春か秋が適期とされ、地植えの場合は土をよく耕し、排水を良くしておくと根が張りやすくなります。
鉢植えでも楽しめるので、スペースが限られている方でも挑戦しやすいでしょう。
日当たりが確保できる場所であれば、伸びた葉が光を受けて穏やかな輝きを見せてくれます。
育てるうえで大切なのは、枝葉が密集してきたら少し剪定をして風通しを保つこと。
そうすることで、葉先までしっかり光が入り、健康的な状態をキープしやすくなります。
剪定した枝葉はリースやフラワーアレンジメントにも利用できるため、庭の管理とインテリア作りを兼ねた楽しみ方もできます。
ローズダリスは、四季を通じて美しい緑を楽しめるだけでなく、装飾用としても役立つ樹木です。
風通しと日当たりを確保しながら育てれば、長く美しい姿を楽しむことができるでしょう。
過度な肥料は不要ですが、必要に応じて少し与えるくらいで十分。
寒さに強いとはいえ、厳冬期には根元に落ち葉などを敷いてあげると安心です。
ローズダリスは、ほんのりとした赤みと穏やかな緑がやさしく溶け合い、庭に自然な彩りを添えてくれます。
ほかの植物と合わせやすい穏やかな印象のコニファーなので、庭や寄せ植えのアクセントにぜひ取り入れてみてください。
エレガンティシマ
真っ直ぐ伸びる灰色の幹に、すらりとした円錐形の樹形が映えるエレガンティシマ。
葉は重なり合うように密集しながらも、全体的に縦へと伸びるラインが強調されるため、狭いスペースでもすっきりと植えられます。
一年を通して緑を保ち、寒い時期でも枝先が枯れにくいので、初心者が育てる庭木として取り入れやすいのが魅力。
植え付け時は、水はけの良い場所を選び、根が落ち着くまでは適度な水やりを心がけます。
枝葉が茂り過ぎると風通しが悪くなるため、年に1〜2回程度の剪定で形を整えると、美しい円錐形を保つことができます。
特に内側に入り込んだ枝や、混み合っている部分を軽く透かすだけでも、見た目がすっきりとまとまりやすいです。
生長のペースはゆるやかで、急に背丈が伸びることはあまりありません。
春から夏にかけては新芽が出そろい、いきいきとした緑が目を引きます。
秋には葉色が落ち着き、冬でも落葉せずに庭の風景を彩る貴重な常緑樹です。
広い庭はもちろん、狭めのアプローチでも縦のラインを生かして植えられるのがエレガンティシマの良さしょう。
眺める人の目線を上へと誘う、スマートな佇まいのエレガンティシマを、庭づくりにぜひ取り入れてみてください。
コノテガシワの楽しみ方
変わった樹形を楽しむ
コノテガシワの枝葉が立つような樹形は他のコニファー類には無い特徴で、スッキリした感じがとても魅力的です。
自然樹形でこの形になるので、小さくしたい場合を除き剪定の手間もありません。
手軽に美しい樹形を楽しめるのがコノテガシワの魅力です。
色々な樹形の園芸品種があるので、それぞれ好きなものを選んでみると良いでしょう。
あまり大きくしたくない場合は、エレガンテシマやオウゴンコノテなど矮性の栽培品種が選択肢に入ります。
生垣として活用
コノテガシワはたくさん並べて生垣として利用することもできます。
生垣は樹種や管理方法によって鬱蒼とした印象になることもありますが、コノテガシワは枝葉が明るい緑色で、成長が比較的遅いことも相まってスッキリした印象の生垣となることが多いです。
成長が遅い分強剪定や強い刈り込みに弱く、枝葉が無いところまで刈り込んでしまうとなかなか元に戻らないので注意しましょう。
苗木は同じ大きさのものを購入しても良いですが、挿し木で増やすこともできるし、種から育てることもできます。
果実を楽しむ
コノテガシワの金平糖のような果実も、他の木では見られない魅力的なものです。
また、早春に咲く花も変わった形をしています。
枝先につく枯れたような雄花と、同じく枝先につく雌花と、どちらも意識して探さないとまず見つかりません。
とても目立たない花ですが、探して見つけると庭木の新しい一面を知れたようで嬉しい気持ちになれます。
コノテガシワでよくある質問
コノテガシワが大きくなりすぎましたがどうすれば良いですか?
コノテガシワは生長スピードが比較的早く、放っておくと樹高が高くなりすぎることがあります。
大きくなりすぎた場合、適切な剪定を行うことで樹形を整え、健康的な生長を促すことができます。
まず剪定のタイミングですが、生育が活発になる初夏か秋が適しています。
剪定のポイントは、枝の先端を切り戻すことです。
風通しを良くして病害虫の発生を防ぐために、枯れた枝や病気にかかった枝を優先的に取り除きましょう。
全体のバランスを考えて、過度に伸びた枝を適度な長さで切り戻します。
上向きに伸びた枝を剪定することで、樹形がすっきりと整い、見た目も美しくなります。
樹形を整えながら高さを抑えるには、幹の先端部分を中心にカットします。
枝分かれしている部分で切ると自然な形に仕上がります。
ただし、一度に大きく切りすぎると樹勢が弱まる原因になるので、年に1〜2回に分けて様子を見ながら作業を進めるといいです。
また、切った枝葉はすぐに片付けておくと病気の予防にもつながります。
剪定後は根元に水をたっぷり与え、株の負担を軽くしてあげましょう。
コノテガシワは刈り込みにも強い木ですが、剪定の回数を増やしすぎるとストレスを感じることもあるので、適度に管理することが大切です。
生長スピードが早すぎてしまった枝は、伐採(ばっさい)して高さを調整することも重要です。
剪定後は、適切な水やりと肥料を与えることで、健康な新芽の発育をサポートできます。
剪定によって一時的に栄養が分散するため、追肥を行うことで木全体のバランスを保つことが可能です。
ただし、肥料の与え過ぎには注意が必要です。
特に窒素分の多い肥料は、生長を促進しすぎてしまうことがあるため控えめに使用しましょう。
剪定を行うときは、無理をせず適度な範囲で行ってください。
初心者の方は、専門家に相談しながら剪定を行うと安心です。
適切な剪定を通じて、コノテガシワの魅力を長く楽しんでくださいね。
コノテガシワが茂りすぎて困っていますがどうすれば良いですか?
コノテガシワが茂りすぎて風通しが悪くなると、害虫や病気の原因になることがあります。
茂りすぎて困っている場合、剪定によって適度に間引くことで風通しを改善しましょう。
過密な枝葉を解消し、健康的な樹形を保つことができます。
また、茂った枝葉を整理することで、風通しが良くなり、病害虫の発生を防ぐことができます。
まずは混み合った枝を中心にカットし、内側まで光が届くようにします。
内側の枝が込み入っていると蒸れやすくなるので、風通しをよくするために間引くことがポイント。
また、剪定の際は枝を切る位置にも注意します。
枝分かれした部分で切ると、切り口が目立ちにくく仕上がりが自然になります。
伸びすぎた枝だけでなく、枯れた枝や傷んだ部分も取り除いておくと樹形がすっきりします。
茂りすぎた枝葉は、光合成の効率を低下させるため、適度な間引きを行うことも重要です。
特に、内側に向かって伸びている枝や、互い違いに重なっている枝葉は、間引くことで風通しが良くなり、健康的な生長を促します。
また茂りすぎた部分は、軽く剪定することで全体の樹形がすっきりと整います。
さらに、コノテガシワの茂りすぎを防ぐためには、定期的な手入れが必要です。
毎年春先や秋口に剪定を行うことで、過度な生長を抑え、樹形を維持することができます。
剪定後は株元にマルチングを施すと、乾燥を防ぎながら土壌環境を改善できます。適度に風を通しながら、育ちやすい環境を整えることが大切です。
鉢植えの場合、鉢のサイズを見直すことも一つの方法です。
鉢が小さいと根が詰まりやすく、生長が制限されるため、適切な鉢に植え替えることで、過度な生長を抑えることができます。
地植えの場合は、根回りのスペースを確保し、適度な間隔を保つことが重要です。
コノテガシワが元気が無い場合、どうすれば良いですか?
コノテガシワが元気をなくしている場合は、まず根元や葉の状態を確認します。
葉が茶色く変色しているときは、水切れや根詰まりが原因のことが多いです。
水切れの場合は、根元にたっぷりと水を与えます。
コノテガシワは乾燥気味を好みますが、根が乾燥しすぎると葉がしおれたり、生長が鈍くなったりします。
逆に、水を与えすぎると根腐れを起こし、元気が無くなる原因となる場合も。
土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行い、適度な湿度を保ちましょう。
鉢植えの場合は根詰まりを解消するために一回り大きな鉢へ植え替えるのも効果的です。
庭植えの場合は周囲の土を掘り返して通気性を良くしてあげると、根が呼吸しやすくなります。
まや、栄養不足も元気が無くなる原因の一つです。
コノテガシワには、緩効性化成肥料を春先や秋口に少量ずつ与えることで、必要な栄養を補給します。
特に新芽が出る時期や、生長が活発な時期には、適度な肥料を与えることで、健やかな生長をサポートします。
ただし、肥料の与え過ぎには注意が必要です。
窒素分が多すぎると、葉ばかりが茂り、根の発育が抑えられることがあります。
生育期に適量の肥料を与えることで、葉の色が鮮やかになり、枝の勢いも戻ります。
緩効性肥料や液体肥料を使うと効率よく栄養を補給できます。
さらに害虫や病気の影響も考えられるので、葉や幹に異常がないか確認しましょう。
アブラムシやカイガラムシがついている場合は、早めに駆除剤を散布して対応します。
病気が進行している場合は、病変部分を取り除いて再発防止に努めることが大切です。
ほかにも、日照不足や寒さ・暑さによるストレスによっても元気が無くなることもあります。
比較的日陰にも強いコノテガシワですが、適度な日光が必要です。
日照不足になると、葉の色が薄くなったり、生長が遅くなったりします。
可能であれば、日当たりの良い場所に移動させるか、周囲の植物を剪定して日光が当たりやすくする工夫をしましょう。
冬場の寒さ対策としてマルチングを行い、根元を保温することで寒さから木を守ります。
夏場は直射日光を避け、適度な水やりを行うことで、暑さから木を守ることができます。
水不足や過湿、栄養不足、病害虫の被害、日照不足、寒さや暑さによるストレス、これらの要因を一つ一つ確認し、対策を行うことが大切です。
定期的な手入れと観察が元気なコノテガシワを保つコツです。
元気が無くなった場合でも、早めに原因を特定し、適切な対策を講じることで、再び健康な状態に戻すことができますよ!
コノテガシワの育て方の注意点は?
コノテガシワを育てるうえで気をつけたいのは、水やりと剪定の管理です。
乾燥には強いですが、植え付け直後は水切れしないように注意が必要です。
特に夏場の高温期は土が乾燥しやすいため、様子を見ながら適度に水を与えると安心です。
剪定は春から初夏にかけて行うのが基本です。
枝が伸びすぎたり、内側が茂りすぎたりすると風通しが悪くなり、病害虫の原因になる場合も。
剪定で樹形を整えつつ、枯れ枝や不要な枝を取り除くことで、健康的に育ちます。
また、根詰まりを防ぐために、鉢植えの場合は定期的に植え替えを行います。
地植えの場合は、土壌の通気性を高めるために腐葉土を混ぜるなどの工夫をすると良いでしょう。
日当たりを好む植物なので、植える場所も重要です。
風通しが良く、日差しの当たる場所に植えると元気に育ちます。
ただし、冬の冷たい風にさらされると葉が傷むことがあるので、防風対策も考えておきます。
病害虫対策としては、定期的に葉や幹をチェックし、異変があれば早めに処置をすることがポイントです。
こうした管理を続けることで、長く元気に育てることができます。
コノテガシワの育て方・管理方法
植え付け・植え替え
作業は2月下旬~4月中旬に行います。
日当たりの良い場所で、水はけの良い肥沃な土に植え付けるのがおすすめです。
大きくなってから植え替える場合、根回しなどの処理をきちんと行いましょう。
肥料
一年中青々とした葉を見せるコノテガシワを元気に育てるには、適度な肥料が欠かせません。
過度に与えると枝葉が茂りすぎてしまうことがあるので、タイミングと量に気をつけて施しましょう。
おすすめは、春と秋に緩やかに効く化成肥料を少しずつまく方法です。
土の表面にパラパラと置き、軽くなじませるだけでOK。
水やりのたびに少しずつ溶け出して、根の張りをサポートします。
またコノテガシワは、急激に養分を吸収するタイプではないため、一度にたくさんの肥料を与えるよりも、少量を回数を分けて使うほうがベスト。
生長スピードがゆるやかなことが多いので、植物全体のバランスを見ながら肥料を控えめにするのもポイントです。
根を深く張らせたい場合は、土づくりの段階で腐葉土などの有機資材を混ぜ込むと、土壌の保水性と通気性が上がり、苗の定着を助けます。
植え付けたばかりの苗木には、根がしっかり落ち着いてから少しずつ肥料を与えましょう。
夏は気温が高く蒸れやすいので控えめにし、冬は地温が下がって吸収が進みにくいため、肥料やりを控えます。
気温が安定している時期に、小まめに葉の色や勢いを観察しながら施肥を調整してみてください。
定期的な肥料で栄養状態を整えつつ、枝葉が混み合ってきたと感じたら軽い剪定をして風通しを良くすると、長く美しい姿を保ちやすいです。
あまり手間をかけなくても育てやすいコノテガシワだからこそ、適度な肥料がよりいっそう生育を後押ししてくれます。
根が張り、枝葉が充実していく様子を見ながら、庭づくりの楽しみを広げてみましょう。
剪定
剪定時期は6~7月、10~11月ごろがおすすめです。
自然樹形のままでもまとまるので、あまり剪定する必要はありませんが、大きさを抑えたい場合は枝先を刈り込むようにします。
また、枝が込み合っている場所があったら枝元から間引くイメージで剪定しましょう。
今の大きさよりも小さくしたい場合は、葉っぱのある場所まで刈り込むことで少しずつ小さくしていきます。
葉っぱが無い場所まで刈り込んでしまうと、再生しないまま樹形が崩れたり弱ったりしてしまうので注意が必要です。
病害虫
発生する病虫害の種数はかなり少ないです。
病害としては、ヒノキ科植物全般に発生する樹脂胴枯病があります。
枝や幹から樹脂が流れ出し、成長が悪くなったり枝先が枯れたりする病気で、病気の発生した箇所を切除して焼却処分し、切口に塗布用の殺菌剤を塗ることで対処が可能です。
また、近くにあるヒノキ科樹種が伝染減となるため、近くに樹脂胴枯病が発生しているコニファーやヒノキがある場合はそちらも対処するか、植栽場所を離すなどしましょう。
害虫としては、オオミノガやマイマイガがあります。
オオミノガはいわゆるミノムシで、マイマイガは定期的に大発生することのある毛虫です。
オオミノガはよほど大発生しない限り目くじらを立てて対処することもありませんが、マイマイガは大発生の時期に食害されると大きなダメージを受けてしまう可能性があるので、発生状況に気をつけましょう。
それぞれ直接捕殺するか、幼虫発生時期に薬剤で対処します。
日当たり
日当たりの良い場所を好みます。
水やり
コノテガシワは乾燥に強く、手間をかけずに育てられる常緑樹です。
ただし、植え付け直後や苗の根がまだ浅いうちは、水やりに気を配ることが大切です。
土が乾いたらたっぷりと水を与え、根の定着をしっかり促します。
根付いたあとは、雨の少ない時期や猛暑が続く夏場を除けば、水やりの頻度を抑えても問題ありません。
鉢植えの場合は、庭植えよりも土が乾きやすいので注意が必要です。
表面の土が乾いたタイミングで底から水が流れるくらいたっぷり与えましょう。
特に風通しがよく乾燥しやすい場所では、こまめに土の状態を確認し、葉先がしおれてきたら早めに水を足してあげると安心です。
冬場は生育が緩やかになるため、水やりの量を控えめにします。
ただし、乾燥した冷たい風に当たり続けると葉が傷むことがあるので、土がカラカラに乾かないように気をつけます。
逆に、水のやり過ぎで根が腐ることもあるので、過湿にならないように排水性の良い土を保つことが大切です。
コノテガシワは強い日差しにも耐える性質がありますが、水切れを起こすと葉が茶色く変色することがあります。
こうした状態が見られたときは、水不足や根詰まりを疑い、鉢植えの場合は植え替えや土の改善も検討しましょう。
庭木として植える場合は、根がしっかり張ると乾燥にも強くなるので、自然の雨に任せることができるようになります。
水やりは必要最低限に抑えつつ、季節ごとの天候に合わせて柔軟に対応することが、健康に育てるポイントです。
出典(引用元)
「樹木医必携」
佐藤勇武監修
「増補改訂版 実用庭木・花木の手入れと剪定」
林将之著
「樹木の葉 実物スキャンで見分ける1100種類」
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。