手軽に育てられる果樹のキンカン。
冬の果物として人気があり、ビタミンCを豊富に含みます。
花や香りを楽しめたり食べ方をアレンジできたりと、楽しみ方が豊富。常緑樹に分類され葉が多く茂りますが、トゲがあるので手入れや収穫時には注意が必要です。
基本5データ
- 分類
- 果樹
- 学名
- Fortunella
- 科・属名
- ミカン科・キンカン属
- 別名
- キンキツ(金橘)
- 草丈・樹高
- 2m以上
- 栽培可能地域
- 東北南部以南
- 花色
- 白
- 開花期
- 5〜10月(年3回ほど開花)
- 結実期
- 11月〜4月(種類による)
- 耐暑性 / 耐寒性
- 強い/普通(-5度まで)
冬になる果物が美味しい人気の常緑樹
冬の果物や庭木として愛されてきたキンカン
キンカンは中国から渡来してきたと言われている常緑樹です。
冬頃から収穫できる果実は果物として人気があり、風の予防や咳止め、喉の痛みを和らげるなど、薬効があることでも知られています。
また、キンカンは育て方が簡単なことも庭木に採用される理由のひとつ。
丈夫なため強い剪定にも耐えることから、目隠しの用途で植えたり、道路からの視線を遮る生垣にしたりと重宝されています。
キンカンの特徴
キンカンは小さいみかんのような果実をつける果樹で、日当たりのいい場所を好み、病害虫に強く耐暑性もあります。
ただし、寒さには少し弱いので、-5度以下になるような地域では育て方が難しくなります。
代表的な種類はメイワキンカン、マルキンカン、ナガキンカン、ネイハキンカン、ニンポウキンカンなど。
種類によってはトゲなし、タネなしのものがあるので、小さい子供がいる家庭ではトゲやタネがないのキンカンを選ぶのがおすすめ。
果物の栄養素
キンカンは栄養が豊富な果物です。
特にビタミンCを多く含むことから、免疫力を高めて風邪予防になるほか、美肌・美白効果、鉄分の吸収を助ける効果なども期待できます。
また、カルシウムやポリフェノールの一種であるヘスペリジン(ビタミンP)という栄養素も多く含み、骨や歯の形成を助け、血管の健康維持にも役立ちます。
ちなみに、ヘスペリジンはキンカンの皮部分に多く含まれているので、皮ごと食べると多く摂取できるでしょう。
キンカンの収穫時期と保存方法
収穫時期は花が咲いてから約150日後が収穫の目安とされています。
基本的には果実の色が濃いオレンジ色になった時が収穫のタイミングです。
キンカンの果実は完熟していないと酸っぱくて食べられないというケースもあるので、しっかり色付いたものを収穫するようにしましょう。
保存方法は、乾燥を防ぐために保存袋などに入れ、冷蔵で約2週間以内に食べきりましょう。
冷凍する場合は、半分に切ってからキンカンの種を取り除き、ラップで包んでから保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。
冷凍は約1ヶ月を目安に食べきるようにしてください。
アレンジ豊富なキンカンの食べ方・レシピを紹介
1番美味しい食べ方はそのまま生で
キンカンのもっとも美味しい食べ方は、皮ごと生で食べるのがおすすめです。
キンカンの皮は薄く柔らかいので、丸ごと食べても気にならず、栄養を無駄なく摂取できます。
みずみずしく甘酸っぱい果物の美味しさを存分に味わえるはずですよ。
食べ方はキンカンをよく洗ったあとにヘタを取り、そのまま食べます。
種がある品種は先に爪楊枝で種をとったり、食べてから種を吐き出したりして食べましょう。
甘酸っぱくて美味しい甘露煮
キンカンの甘露煮はおせち料理などで馴染みのある食べ方ですね。
甘露煮のレシピは、キンカンを茹でる時にアクをしっかり取り除き、水に1時間ほどさらして渋みを抜くのがポイント。
それから水と砂糖で煮て、皮が柔らかくなったら完成です。
パンに塗るジャムにおすすめ
キンカンのジャムはマーマレードのように使えるので、パンに塗ったりヨーグルトに入れたりと、さまざまな食べ方が楽しめます。
レシピは、キンカンを茹でて皮をむき、種を取り除いたあと、砂糖とレモン汁を入れて煮詰めるだけ。
煮詰めるときは焦がさないように注意してください。
サラダに入れるのもアリ
キンカンの栄養素を逃さず調理したい人は、輪切りにしてサラダに入れるのもおすすめの食べ方です。
サラダは自分の好きな野菜と組み合わせるだけなので、特別なレシピがいらず、誰でも気軽に作れます。
彩り豊かで爽やかに香るサラダを作ってみましょう。
砂糖漬けやゼリーなど、スイーツ作りにも
キンカンは砂糖漬けやシロップ、子供のおやつにぴったりのゼリーなど、美味しい食べ方がたくさんあります。
キンカンの甘さと酸味を活かし、いろいろなスイーツレシピにチャレンジしてみてください。
キンカン(金柑)の育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
キンカンは3月〜5月くらいまでの時期が植え付け・植え替えに適しています。
水はけがよく、保水性もある土を好むので、地植えするときは土の状態を確認し、必要によって赤玉土や腐葉土、堆肥などを加えるといいでしょう。
もちろん、市販の培養土を使っても問題なく育ちます。
植え替えは鉢植え栽培で必要になりますが、鉢底から根が飛び出したり、成長が緩慢になったりなど、根詰まりしているような様子が見られたらすぐに植え替えをしましょう。
少なくとも2年に1回は植え替えをすると、根詰まりを防げます。
肥料
果物をたくさんつけるキンカンの上手な育て方のコツは、肥料を与えること。
花や果実がなる植物は、三大栄養素のリンを多く必要とするため、肥料はリンの割合が多いものを選ぶのがおすすめです。
追肥は寒肥とお礼肥を与えます。
寒肥は2月くらいの時期に有機質肥料を与え、お礼肥には速効性のある化成肥料を与えてください。
また、キンカンは多くの実をつけることで、エネルギーも同時に消費します。
肥料切れを起こしたり弱ったりしているときは、速効性の液体肥料を希釈して与えるといいでしょう。
剪定
剪定は収穫が終わったあとの3月〜5月頃に行います。
基本的には混み合った枝を切り落とし、全体の葉に日光が行き渡るような剪定を心がけてください。
強剪定もできますが実付きが悪くなるので、収穫を考慮するなら軽い剪定にとどめましょう。
病害虫
病害虫には強いので、ほとんど問題なく育てられます。
しかし、風通しが悪かったり枝が混み合ったりしていると、カイガラムシがつくことがあります。
発見したらブラシなどを使ってこそぎ落とし、早期に駆除するよう注意してください。
日当たり
地植えでは、植え付けてから約1年間は土の表面が乾いていたり、雨が降らない日が続いたりする時に水やりをします。
2年目からは水やりをしなくても問題なく育ちますが、夏の暑さが厳しく、雨が降らないような時は水やりをしましょう。
鉢植え栽培では、土の表面が白っぽく乾いた時に水やりをしてください。
水やり
地植えでは、植え付けてから約1年間は土の表面が乾いていたり、雨が降らない日が続いたりする時に水やりをします。
2年目からは水やりをしなくても問題なく育ちますが、夏の暑さが厳しく、雨が降らないような時は水やりをしましょう。
鉢植え栽培では、土の表面が白っぽく乾いた時に水やりをしてください。