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カクレミノ

カクレミノの育て方と特徴

葉が艶やかな緑色とカエデのような葉形が特徴のカクレミノは、縁起のよい木として庭に植えられます。
日本に自生しているので、和風テイストの庭はもちろん、洋風または和洋折衷の庭などさまざまなデザインにも合わせやすい庭木です。

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基本5データ

分類
庭木-常緑
学名
Dendropanax trifidus
科・属名
ウゴキ科・カクレミノ属
別名
カラミツデ、テングノウチワ
草丈・樹高
2m〜5m
栽培可能地域
関東以南
花色
黄緑色
開花期
6月〜8月
結実期
10月〜11月
耐暑性 / 耐寒性
やや強い/やや弱い

縁起のいい庭木「カクレミノ」

カクレミノとは

カクレミノは、房総半島から沖縄諸島にかけて生息している常緑高木です。
葉が一番の魅力と特徴を備え、艶がある鮮やかな深緑の色と、3〜5つに分かれたカエデのような葉をしています。
しかし葉の形は幼木のころは葉が分かれていますが、生長を重ねると葉は卵形に形を変えます。
また、厄除けになる木と信じられ、縁起のよい木とされており、お祝いや記念としてプレゼントする方も多いです。
名前の通り天狗が持つ姿を消す道具「隠れ蓑」と同じ漢字ですが、実際のところ天狗が持つ道具は「ヤツデ」であり、間違ってこの名前がついたとされています。

特性と庭木への適性

カクレミノは寒さと乾燥に弱く、関東以北の地方での地植えは難しいです。
鉢植えで管理し、室内での栽培を試みるとよいでしょう。
暖かい地域で地植えを行ってる方で、極度に寒くなる場合は冬越しができるように、防寒対策は必要となります。バークチップを敷き詰めたり、ビニールを敷いたりとマルチングを行うとよいです。
反対に耐暑性があるので日本の暑さは問題なく、湿った環境を好みます。
また耐陰性が最も優れている珍しい高木で、北側の暗めの庭でも元気に育つことが最大の利点です。高木は日陰でも育つ種類が少なく、庭木としては重宝されやすいでしょう。他にも潮風や大気汚染、病害虫にも強く、とても管理がしやすい植物です。

カクレミノの花言葉

カクレミノの花言葉は「耐え忍ぶ」「ずる賢い」と意味が異なった言葉です。
「耐え忍ぶ」はカクレミノの特性である日陰でも元気よく育つその姿から付けられました。「ずる賢い」は天狗の隠れ蓑の童話から由来されているのです。天狗が使う「隠れ蓑」を、人間の男はそれを奪い、姿を消し悪用する。という話ですが、これを元に花言葉の「ずる賢い」が当てはめられたのです。
しかし、実際に道具として使われているのはカクレミノではないので、少々可哀想なカクレミノでもあります。

カクレミノの花と実

葉が一番の魅力ですが、カクレミノも梅雨明けから夏の間に開花時期を迎えるのです。
開花は6月〜8月で、黄緑色の花を球体状の花序をつけます。花弁は5枚で、両性花と雄花を一つの株に咲かせる特徴があるのです。花が咲き終わると、秋に黒紫色の実をいくつもつけ、実の中には比較的大きな種子が形成されています。

カクレミノが持つ効能

韓国でもカクレミノが自生しており、朝鮮王朝時代の古くから最高級の薬として存在し、その有効性が現在世界的に認められ、高麗人参のような扱いをされています。
その効能は「心を穏やかにし、エネルギーを浄化する効能があり、自然治癒力を向上させる」という効果が実証されているのです。庭木だけではなく、薬としても使い道がある優れものの植物となります。

庭の小さな悩み事を解決してくれるカクレミノ

軒下でも育つ

特徴で記述したように、カクレミノは耐陰性に優れている植物です。
反対に直射日光を苦手するので、庭の北側に植えるとよく、殆どの植物が育ちにくい環境でも育つ特性があります。
他にも、殆どの植物が育ちにくい軒下でもカクレミノでしたら、しっかりと育ちます。
日当たりが悪く、庭木選びに困っている方はカクレミノ が解決してくれるでしょう。

生長速度が丁度よい

カクレミノの生長速度は比較的緩やかで、早くも遅くもない丁度よい速さです。
生長速度が早くなければ、管理の負担も大きく変わり、楽になります。
反対に遅過ぎても生長の姿の変容が変わらず楽しさは半減するでしょう。
カクレミノ は生長速度が緩やかなので、高さが伸びにくく、また横にも広がりにくいので管理がとても簡単です。庭での栽培管理を楽にしたい方はおすすめの樹木となります。

狭い場所でも問題ない

自然のなかでは最大5mに生長しますが、庭木としては最大でも3m弱に生長するカクレミノです。
高さもなく、横にも広がらないスリムな樹形をしているので、壁と近い場所や庭の小さなデッドスペースでも問題なく植栽できます。
これは庭木としては非常に扱いやすく、臨機応変に対応ができる優れた植物でしょう。庭の空いた小さなスペースなどを埋めたい方にはおすすめです。

剪定をする手間がかからない

剪定は樹形や育成を管理する上では必要なことですが、とても大変な作業であり、切っても大丈夫なのか心配になる場合もあります。
しかし、カクレミノは剪定をしなくても樹形が不格好な樹形にならず、自然と楕円形の形になるのです。
カクレミノの葉は下に垂れるように葉が開くのではなく、上に向かって開くので、自然樹形が自ら整います。
もし剪定を行うのであれば、強剪定でも芽吹く力が強いので、切った枝気から、また直ぐに新しい芽が出るのです。
しかし剪定をあまり行わずに、仕立てる程度でとどめ自然樹形を楽しみましょう。

カクレミノの育て方と特徴の育て方・管理方法

植え付け・植え替え

植え付け、植え替えの時期は暑くも寒くもない丁度よい時期がよく、4月〜5月の間または9月〜10月が適期となります。
庭木として地植えする場合は、穴の深さをポットの高さより3㎝ほど低くした深さを掘ることがポイントです。
植木を埋めた後は、地表を踏み固め、水をたっぷりと与えます。また、シャベルを使う際に表面だけ使っていても穴はお椀型になるので、シャベルを裏面にして土を削るように掘るとよいでしょう。

肥料

カクレミノ は比較的に肥料がなくても、よく育つ植物です。
しかし、土の中の栄養分が少ない場合や古く痩せた土を使う場合は、追肥し肥沃な土壌を作り必要があります。
堆肥を混ぜ合わせて土壌をよくしましょう。
しかし過剰な肥料は葉が生茂げ、病害虫のリスクを受けやすくなるので、調整しながら与えることです。
また窒素の量が多い肥料も徒長して樹形が乱れる原因になるので、成分表もよく見て与えるとなおよいでしょう。

剪定

高木の分類ですが、高木の中では非常に小さな樹木です。
また、生長スピードも早くないため、剪定をあまり必要としません。ですので樹形を整えたり、仕立てたりする程度で剪定を行うとよいです。
剪定は春から夏の間の4月〜7月が適期で、比較的強剪定でも問題ありませんが、気になる箇所や自分が作りたい樹形に、剪定することがよいです。
また高くなり過ぎた場合でも、剪定で高さを調整できるので、気になる際は切り詰めましょう。
カクレミノ の樹液は漆と同じ成分であるウルシーノールという毒性があり、肌に触れると弱い方はかぶれてしまいます。剪定する際はしっかりと防具をつけて、安全に行いましょう。

病害虫

病害虫は特に心配する必要はありません。
しかし、まれにカイガラムシがつく場合があるので、できるだけ乾燥させないよう場所や水気をコントロールしましょう。
カイガラムシが発生してしまった場合は、歯ブラシやピンセットで、大量に発生している場合は、カイガラムシ用の薬剤を散布をします。
幹や枝、葉についているので日頃からよく観察するとよいです。

日当たり

乾燥を苦手とするカクレミノは、湿度が高い環境を好みます。ですので、土の表面が乾いたら水をたっぷりとあげましょう。
土壌は乾燥させないように管理し、特に真夏は定期的な水やりが必要となります。

水やり

乾燥を苦手とするカクレミノは、湿度が高い環境を好みます。ですので、土の表面が乾いたら水をたっぷりとあげましょう。
土壌は乾燥させないように管理し、特に真夏は定期的な水やりが必要となります。

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瀬尾 一樹
監修者 樹木医 瀬尾 一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。

執筆者 柴﨑光一

リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。 カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。 現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。 植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。

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