北アメリカ原産の小果樹で、長い間食用として利用されている。実以外にも、花や紅葉の観賞価値も高い。
基本5データ
- 分類
- 庭木-落葉
- 学名
- Vaccinium
- 科・属名
- ツツジ科 スノキ属
- 別名
- ヌマスノキ
- 草丈・樹高
- 1~3m
- 栽培可能地域
- 全国
- 花色
- 白
- 開花期
- 4月から5月にかけて
- 結実期
- 5月から7月にかけて
収穫は6月から9月上旬まで(品種によって異なる) - 耐暑性 / 耐寒性
- ハイブッシュ系
耐暑性:やや低い 耐寒性:高い
ラビットアイ系
耐暑性:高い 耐寒性:低い
意外に豊富なブルーベリーの種類
北アメリカが原産の小果樹
ブルーベリーは北アメリカが原産の小果樹です。栄養価が高く、欧米では古くから野生のブルーベリーが食用として利用されていました。現在は様々な品種が生み出されており、果実の利用目的だけでなく鑑賞に適した樹木としても人気があります。
自家不結実性
ブルーベリーには自家不結実性があり、同じ品種の花粉で受粉しません。実を付けたい場合は近い系統の品種をセットで植え、ブルーベリーが受粉しやすい環境を整えましょう。
また、ブルーベリーの花粉は虫が運ぶことが多いため、植える際はできるだけ樹木同士の距離を近づけておくとさらに実が付きやすくなります。
ブルーベリーは2つのグループに分けられる
様々な品種があるブルーベリーですが、これらの品種は大きく2つに分けられます。
1つは北アメリカ東岸のジョージア州からメーン州、ミシガン州の一部に野生していたハイブッシュ系。もう1つはジョージア州の周辺にのみ野生していたラビットアイ系です。次の項目から、それぞれの特徴について解説していきます。
ハイブッシュ系の特徴
ハイブッシュ系は、ノーザンハイブッシュとサザンハイブッシュという2種類に分けることができます。ノーザンハイブッシュは耐寒性が高く、比較的冷涼な地域での栽培に適していますが、耐暑性はやや低いというデメリットを持ちます。なおサザンハイブッシュは、耐寒性が少し低めなのが特徴です。
ラビットアイ系の特徴
ラビットアイ系は、果実がうさぎの目のように赤く熟していくことからその名がつきました。こちらは耐寒性が低く寒い地域での栽培には向きません。その代わり、樹勢の強さと生長スピードが速いという特徴を持ちます。
ブルーベリーの楽しみ方
お庭でブルーベリー狩り
やはりブルーベリーを育てる醍醐味といえば、実の収穫でしょう。一般的に、ハイブッシュ系は6月下旬から7月中旬、ラビットアイ系は7月上旬から9月下旬までが食べごろです。ブルーベリー狩りは小さなお子さんでも楽しめますし、何より自宅のお庭で収穫できるというのがポイントです。自分で育てたブルーベリーは、より一層愛着が湧くかと思います。
実はジャムやソースにも
ブルーベリーはもちろん生食でも美味しいですが、ジャムやソースにして食べるのもおすすめです。加工することでより長持ちさせられますし、様々な料理に使用できます。トーストやクラッカー、ヨーグルトとの相性は抜群です。
実だけでなく花や紅葉も楽しめる
ブルーベリーと言えばその甘酸っぱい果実に注目しがちですが、花や紅葉の美しさも特徴です。ブルーベリーの花はスズランに似たツリガネ状の形をしており、とても可愛らしい印象を受けます。
紅葉はその美しさから、花材として使用されることもあるほどです。
ブルーベリーの代表種
アーリーブルー
こちらはノーザンハイブッシュ系の品種で、成熟期の早さが特徴です。関東南部では6月上旬に収穫期を迎えます。実はかなり締まっており、適度な酸味と風味の良さを持ち合わせます。
オニール
オニールはサザンハイブッシュ系の標準品種で、開花期間の長さと土壌に対する適応性の広さで人気です。果実は、よく締まっていて風味が良いという特徴があります。
ティフブルー
ティフブルーはラビットアイ系の品種です。収穫期は上記の2つに比べて遅く7月下旬から8月中旬ですが、濃く鮮やかな色の果実は見た目が美しく、味も高い評価を受けています。
ブルーベリーに適した土作り
地植えでも鉢植えでも、ブルーベリーを育てるには土作りが重要になってきます。水はけと水持ちの良さはもちろんですが、ブルーベリーは他の植物よりも酸性の強い土を好みます。pHは5.0前後に調整しておきましょう。中性・弱酸性の土では、最悪の場合枯れてしまうこともあります。
鉢植えの場合は、既に酸性になっている市販のブルーベリー用の土を使用します。もし専用のものが入手できない時は、野菜用の土とピートモスと呼ばれる改良用土を混ぜて調整しましょう。ピートモスは酸度未調整のものを選びます。
庭植えの場合でも、直接植えずにピートモスを混ぜて酸性にします。なお市販されているピートモスは乾燥した状態で販売されており、事前にバケツ等で水を染み込ませておく必要があります。乾燥したままでは、土とうまく混ざりません。
ブルーベリーの育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
ブルーベリーの木の植え付けは1月から2月の極寒期を除いた休眠期に行います。関東地方以北の場合は3月、以西の場合は10月から11月頃が最適です。
場所は日当たりと水はけの良さを考慮して選び、土は石灰等で酸度調整されたものは避けます。
地植えする場合、掘り出した土と水に浸したピートモス、赤玉土小粒を3:5:2の比率で混ぜた土を使用します。なお植え付ける苗は根鉢をしっかり崩しましょう。根鉢から新たな根を伸ばすための大事な作業です。後はピートモスで根を包むように穴に入れ、混ぜておいた土を戻します。
鉢植えの場合は、6号程度の鉢を用意します。土の比率はラビットアイで5:2:3、ハイブッシュブルーベリーならピートモスと赤玉土小粒を8:2にします。後は鉢の底にゴロ土を入れて苗を据え、土で隙間を植えていきます。
どちらの場合でも、最後に支柱を立てて十分に水やりし、元肥を与えます。
なお植え替えは11月から3月が適期です。生育具合によっても変化しますが、基本的には2~3年に1度行います。
肥料
肥料は3月の春肥、5・8月に追肥を行います。地植えの場合は可能な限り化成肥料を抑え、有機物を与えましょう。生ゴミ等も有効です。
鉢植えは元肥に有機固形肥料、追肥に緩効性化成肥料を使用します。
剪定
ブルーベリーの木の剪定は1月から2月の休眠期に行います。細く短い枝が多くついて弱っている枝を中心に間引き、若い枝もある程度切り詰めましょう。花芽が細い枝に多い場合は、切り詰めて数を減らします。
病害虫
病気は問題になるものはあまりありませんが、カイガラムシやコガネムシ、イラガなどの害虫には注意が必要です。
鉢植えの場合、根を食害するコガネムシの幼虫には特に注意しましょう。
日当たり
庭植えは品種や土の特性によって多少異なりますが、夏の強い日照りが続くようなときには必ず水やりしましょう。
鉢植えの場合は土の表面が白く乾いたら水やりのタイミングです。鉢底から少し水が溢れ出るくらいが適量です。
水やり
庭植えは品種や土の特性によって多少異なりますが、夏の強い日照りが続くようなときには必ず水やりしましょう。
鉢植えの場合は土の表面が白く乾いたら水やりのタイミングです。鉢底から少し水が溢れ出るくらいが適量です。
熊本県の海と山に囲まれた田舎で育ち、幼少期からガーデニング好きの祖母を手伝う。高校時代には、音楽を中心に様々な芸術分野に興味を持つようになり、同時に自然の持つ面白さや奥深さに気づく。現在はライターとして活動し、多趣味を活かして幅広いジャンルで執筆。他にもカメラやデザインについて勉強中。自然に囲まれて暮らすのが1つの目標。