サンシュユの育て方と特徴

サンシュユの育て方と特徴

別名「ハルコガネバナ」「アキサンゴ」とも呼ばれるサンシュユの木。春には黄色い花が咲き乱れ、秋は真っ赤な果実が楽しめます。果実は生薬・漢方に使われ、食用にもなることから、花木、果樹としての楽しみも。性質も丈夫で、育てやすいおすすめの庭木です。



基本データ

分類
庭木-落葉
学名
Cornus officinalis
科・属名
ミズキ科・サンシュユ属
別名
ハルコガネバナ、アキサンゴ
草丈・樹高
8m
栽培可能地域
全国
花色
黄色
開花期
3月〜4月
結実期
10月〜11月
耐暑性 / 耐寒性
強い/強い

黄色い花と赤い果実が魅力、サンシュユの木

サンシュユとは?

サンシュユ
サンシュユは中国・朝鮮半島に分布する落葉広葉樹です。日本には江戸時代に薬用として渡来したと言われており、庭園や公園などの植栽のほか、生け花、切り花など、春を告げる花木として広く活用されています。
中国の植物名「山茱萸」を音読みしたことで、サンシュユと名付けられました。
別名「ハルコガネバナ(春黄金花)」と「アキサンゴ(秋珊瑚)」は、春に黄色い花を枝いっぱいにつける姿と、秋の果実を珊瑚に見立てたことが由来となっているそうです。
また、サンシュユは暑さ・寒さに強く、丈夫な性質を持つことから育て方が簡単。日本の広い地域で植栽することができます。

サンシュユの特徴

サンシュユ
サンシュユは3月上旬には蕾が開花します。2〜3cmの小さな黄色い花が球体に集まり、枝全体を黄色く染め上げて、3月〜4月の時期を明るく彩ります。
葉は花が先終わった後に芽吹き、葉脈の美しい新緑をしばらく鑑賞できるでしょう。
夏の間は葉が大きく成長し、10月を迎えるころにはグミに似た赤い果実をたくさんつけます。
そして11月には葉が紅葉し、本格的な冬を迎えるころには落葉して休眠期を迎えます。
幹は褐色で、成木となるころには木肌が薄く剥がれるのが特徴です。

サンシュユの花言葉は「持続」「耐久」「気丈な愛」

サンシュユ
サンシュユの果実は、生薬や漢方などにも用いられており、その効果・効能から「持続」「耐久」の花言葉がつけられたそう。
「気丈な愛」の花言葉は、病に寄り添って治すという意味合いが由来しているそうです。

サンシュユに似た花がある?

サンシュユに似た花
春に黄色い花をつけるサンシュユですが、同様の時期に似た花が咲くマンサク、ダンコウバイ、ミツマタ、アブラチャンといった庭木が存在します。
どれも遠目で見ただけでは判別しづらいものの、よく見ると花の咲き方などが異なるので、サンシュユの花をよくチェックしておくと簡単に判別できますよ。
また、サンシュユは樹皮が剥がれる特徴もあるので、成木の場合は幹の様子を観察してみるのもおすすめです。

実は食べられるサンシュユの果実!楽しみ方&おすすめの食べ方を紹介

果実の味は?サンシュユが持つ効果・効能

サンシュユの実
サンシュユの果実は、滋養強壮、止血、頻尿、鎮静作用などの効能があると言われています。
種の部分を取り除いて乾燥させた果実は、漢方薬のもととなる生薬として利用されるのに加え、ビタミンCが豊富なことから食用にすることも可能です。
ただし、サンシュユの果実は生で食べることもできますが、酸味が強すぎることもあり、生食にはあまり向きません。
加工してから食べる方が、サンシュユの果実をより美味しく食べることができますよ。

【おすすめの食べ方1】ジャム

瓶詰のジャム
「サンシュユの果実を美味しく食べたい」、そこでおすすめなのが、サンシュユの果実を使ったジャムです。
作り方の手順を紹介するので、興味のある人はぜひジャム作りにチャレンジしてみましょう。
<作り方>
1.鍋にお湯を沸かし、サンシュユの果実を柔らかくなるまで茹でる。
2.果実を裏ごしして種と皮を取り除く。
3.裏ごしした果実にレモン汁、砂糖を適量入れて煮詰めれば完成。

【おすすめの食べ方2】果実酒

ドリンク
アルコールが好きな人におすすめなのがサンシュユの果実酒です。
ホワイトリカーを使えば誰でも手軽に作れるので、ぜひ果実酒作りにもトライしてみてください。
出来上がった果実酒を炭酸水で割って飲むのもおすすめですよ。
<作り方>
1.果実酒びんや保存容器にサンシュユを入れる。
2.ホワイトリカーを注ぎ入れる。
3.約1ヶ月ほど漬け込むと出来上がり。

【おすすめの食べ方3】お茶

収穫して乾燥させたサンシュユ
サンシュユの果実を乾燥させたものを使って、お茶にするのもおすすめ。
熱湯で乾燥果実を蒸らすだけなので、いつでも美味しくサンシュユの果実を味わえます。
ハチミツや砂糖を入れて甘みをプラスするなど、味にちょっとした変化を加えてみるのもおすすめのアイデアです。

サンシュユの楽しみ方はほかにもたくさん!

サンシュユ
食用にできるサンシュユの木は、果実だけでなく、花や緑、紅葉も楽しめるのが魅力です。
1年を通してさまざまな表情を見せてくれるので、季節の移ろいを感じさせてくれる大切な庭木となってくれるはず。
また、果実を食べに野鳥を庭に呼び込むこともでき、自然豊かな風景を眺めることもできますよ。



氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 くずうまま

ハンギングバスケットマスターの資格を保持。日々ガーデニングや寄せ植え、ハンギング作りなどにいそしむ。草花を愛でるのが至福のひととき。

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