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キングサリ
2022.05.02

キングサリの育て方や特徴

キングサリ(金鎖)は、まるで金の鎖がぶら下がっているかのような黄色い花が美しい落葉樹。
5月ごろに満開を迎えた様子は圧巻である。フジの花と咲き姿が似ていることから「キバナフジ(黄花藤)」とも。
イギリスのガーデンではキングサリのトンネルが有名。

基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Laburnum anagyroides
  • 科・属名マメ科キングサリ属
  • 別名キバナフジ、ラバーナム、ゴールデンチェーン

「金の鎖」のような黄色い花が目印

キングサリとは

 
キングサリは、マメ科キングサリ属の落葉高木です。
枝垂れて咲く黄色い花が特徴で、フジの花を思わせることから「キバナフジ」の別名も持ちます。
キングサリもフジも同じマメ科ですが、単なる色違いなどではなく別種です。
 

原産地はヨーロッパ中部・南部で、ヨーロッパでは庭木や街路樹として一般的です。
洋風の庭やイングリッシュガーデンにぴったりな明るい雰囲気があります。
英名は、ゴールデンチェーンやゴールデンレインなどです。
 

キングサリの葉にはニコチンと分子構造が似た成分が含まれていて、タバコの混ぜ物にされることも。
ただし、種子や葉を食べると中毒を起こすおそれがあるので気を付けましょう。
 

暑さにはやや弱いため、日本では北関東など冷涼な気候の土地でよく栽培されています。
樹自体の寿命が短く、20年ほどで枯れると言われています。
 

5月ごろに黄色い花が一気に咲く

 
キングサリ
キングサリの花は、マメ科に特有の蝶形花(ちょうけいか)です。
蝶形花は、蝶の形に似た左右相称の花のことを言います。
 

小さな蝶形花が寄り集まった房は、長さ20cmほどのものから70cmに達するものまで、品種によってバラつきがあります。
花が小ぶりな品種でも、鮮やかな黄色の花が咲き揃った姿は見応えがありますよ。
 

花言葉は「相思相愛」「さみしい美しさ」です。
 

花が終わったあとは、エンドウマメのような鞘ができます。
 

全体に毒性がある

 
キングサリ
花の美しさに目が行きがちなキングサリですが、じつは有毒植物です。
種子、果実、枝、葉などにアルカロイドのシチシンを含んでいます。
シチシンは、キングサリのほかエニシダ属などマメ科の植物が持つ成分で、摂取するとニコチン中毒と似た症状をきたします。
 

キングサリを口にしたときに起こりうる中毒症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、のどの痛み、瞳孔散大、心拍数の増加などです。
 

園芸大国のイギリスでは、子どもが誤って果実や種子を食べてしまうケースも多く報告されているのだとか。
子どもや犬猫がいる庭で育てるときは注意してください。

アーチやフェンスに誘引して楽しめる

広い庭で栽培するのがおすすめ

 
キングサリは、高木に分類される大型の樹木です。
最適な環境で育てれば、かなり大きくなることもあります。
その魅力を十分に楽しむためには広い庭や開けた場所で栽培するのがおすすめです。
 

もちろん、鉢植えで育てたり、コンパクトな庭やベランダで栽培してもOK。
サイズを抑えたい場合は、こまめに剪定してください。
 

アーチや藤棚に誘引して楽しむこともできる

 
キングサリ
キングサリの枝は柔らかく、アーチや藤棚に誘引して這わせることも可能です。
 

植物園などではキングサリのトンネルを作り出しているところもあり、イギリスのボドナントガーデンが世界的に有名です。
 

一般家庭でトンネルに仕立てるのはなかなか難しいかもしれませんが、小さなアーチやフェンスに誘引しても十分に楽しめますよ。

育て方・管理方法

≪ 詳細情報 ≫

 
草丈・樹高
 
2m~10m

 
栽培可能地域
 
東北以南

 
花色
 
黄色

 
開花期
 
5月~7月

 
結実期
 
8月~9月

 
耐暑性/耐寒性
 
耐寒性はありますが、高温多湿が苦手で、暖地での栽培は難しいケースが多いです。
暖かい地域で育てる場合は、西日が当たらず、なるべく風通しの良い涼しい場所を選びます。

 

≪ 育て方 ≫

 
植え付け・植え替え
 
植え付けや植え替えは、3月~4月上旬に行います。
移植を嫌う性質なので、植え場所はよく考えて選びましょう。
 
成木になってからの移植は難しいとされています。
根付きにくくなるためです。
水はけのよい土が向いています。

 
肥料
 
花が咲き終わったあとに化成肥料を施します。
また、寒肥として1月~2月に有機肥料を与えてください。
 
キングサリをはじめとするマメ科の植物は、自分で根にチッソを固定することができるため、チッソ(N)が少な目の肥料を選びましょう。
チッソ過多になると葉が茂りすぎて花が少なくなることがあります。

 
剪定
 
花が咲き終わったら剪定します。
翌年の花芽は7月ごろから作られ始めるため、夏以降の剪定は避けてください。
 
不要な枝や混み合っている部分、伸びすぎて全体のバランスを乱す枝などを切り戻します。
フェンスなどに這わせる場合、剪定するときに同時に誘引作業を行っても良いです。

 
病害虫
 
病害虫の被害を受けにくい樹木ですが、イセリヤカイガラムシやコナカイガラムシなどのカイガラムシ類、アブラムシなどが付くことがあります。
 
カイガラムシやアブラムシは、枝や葉に群生して吸汁し、植物を弱らせます。
卵や幼虫、成虫を見つけ次第捕殺するか、薬剤で対策しましょう。

 
日当たり
 
日がよく当たる場所が向いていますが、西日が強く照り付けるところは避けてください。

 
水やり
 
植え付けてから数年以内の株には、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。
地植えで根付いてしまえば水やりは必要ありません。

出典(引用元)

平野隆久『よくわかる樹木大図鑑』永岡書店
椎葉林弘『よくわかる庭木大図鑑』永岡書店
草間祐輔『症状と原因が写真でわかる 庭木・花木・果樹の病害虫ハンドブック』家の光協会
草間祐輔『最新版植物の病気と害虫防ぎ方・なおし方』主婦の友社
土橋豊『人もペットも気をつけたい園芸有毒植物図鑑』淡交社

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