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接写したアセロラの実
2022.01.20

アセロラの育て方や特徴

熱帯原産の果樹アセロラ。
赤い果実には、美容や健康に良いビタミンCが豊富で、スーパーフードの元祖として知られる。
庭木として育て、花や果実を鑑賞したり、収穫したりしても楽しい。
冬の寒さに注意すれば本州でも栽培可能。鉢植えで育てられる。

基本データ

  • 分類果樹
  • 学名Malpighia emarginata
  • 科・属名キントラノオ科ヒイラギトラノオ属
  • 別名アセローラ、バルバドスザクラ、バルバドスチェリー、西インドチェリー

ビタミンCたっぷりの赤い果実を付ける

アセロラとは

 
アセロラは、キントラノオ科ヒイラギトラノオ属の常緑低木です。
西インド諸島や南アメリカが原産地で、熱帯地域に広く自生しています。
 

日本では、主に沖縄県で果樹として栽培されてきました。
果実や花のかわいらしさから、近年では一般家庭で楽しむ園芸用の苗木も出回っています。
 

5月~10月にかけ、さくらんぼに似た、直径1cm~3cmの赤い果実を実らせます。
旬の時期に収穫したアセロラの実には、レモンの約30倍のビタミンCが含まれており、「ビタミンCの王様」と呼ばれることも。
ビタミンCのほか、ポリフェノールやミネラル類も豊富です。
 

常緑性で、1年中光沢のある葉を鑑賞できます。
春に咲く花、夏の果実など、年間を通して見どころの多い果樹と言えます。
 

大きくなっても樹高3m程度にとどまるため、コンパクトな庭やベランダでも管理しやすいでしょう。
鉢植えでも育てられます。
 

ピンク色の個性的な花を咲かせる

 
アセロラの花
 
アセロラといえば、真っ赤な実のイメージが真っ先に浮かびますが、花も個性的です。
3月~6月ごろまで鑑賞できる花は、熱帯植物らしいはっきりとしたピンク色が特徴。
花弁の付け根がキュッと締まった、とてもユニークな形をしています。
 

アセロラの花言葉は「愛の芽生え」「健康増進」です。
 

「愛の芽生え」は、花弁がピンク色でハート型にも見えることから、「健康増進」は、栄養価の高い果実を実らせることから付けられたと言われています。
 

生の果実は流通量が少ない

 
アセロラの実は、デリケートで傷みやすく、生のまま市場に出回ることはほとんどありません。
ほとんどがジュースやゼリーなどの加工食品として販売されています。
 

家庭でアセロラの苗木を育てれば、滅多に食べられない生の果実を味わえます。
もぎたてでジューシーな果実を楽しんでみてください。
 

たくさん収穫できたときは、冷凍したり、酢漬けやシロップ漬けにしたりして長期保存できます。
 

小ぶりな苗でも実をつけやすいので、鉢植え栽培でも実の収穫が可能。
また、両性花で自家受粉ができるため、育てているのが1株だけでも着果します。
 

ただ、昆虫が少なく受粉しにくい環境だと、花が咲いてもなかなか結実しないことがあります。
その際は、花を手でゆすって受粉を促すか、ジベレリンなどの着果促進剤を施してください。
 

若い果実は、緑色をしています。
果実全体が赤く色づいたら収穫適期です。
 

甘味種と酸味種がある

 
アセロラの品種は、大きく甘味種と酸味種に分けられます。
代表的な甘味種の品種は、ハワイアンクイーン・マノアスウィート・フロリダスウィートなど。
酸味種は、バーモント・レーボルク・マウナウイリーなどが良く知られています。
 

生食には、酸味が少なく食べやすい甘味種が向いています。
一方、ビタミンCの含有量が多いのは酸味種です。
 

市販されているアセロラの苗木は、具体的な品種名まで記載されていないことがほとんどです。
生の果実を楽しみたい場合は「甘味系」や「甘味種」と書かれているものを選ぶと間違いありません。
 

低温に弱い熱帯果樹。冬は室内に取り込む

移動しやすい鉢植え栽培がおすすめ

 
アセロラは、寒さに弱い熱帯果樹です。
年間を通して温暖な気候の沖縄や九州地方南部など一部の地域を除き、冬場は室内に取り込める鉢植えで育てるのがおすすめです。
 

目安として、10℃以下になる季節は、温室や屋内で管理してください。
 

挿し木で増やせる

 
挿し木で増やせます。
挿し木に適した季節は春から夏で、やり方は他の樹木と同じ。
5cm~10cm切り取った枝を、挿し木用の用土やバーミキュライトに挿してください。
挿し木した苗は、安定して実がつくようになるまで4年ほどかかるでしょう。
 

一方、実生で育てるのは難しいと言われています。
アセロラの発芽には、緯度が関係しているという説もあり、日本では発芽しにくいようです。
 

育て方・管理方法

詳細情報

 
草丈・樹高
1m~3m

 
栽培可能地域
全国

 
花色
ピンク

 
開花期
3月~6月

 
結実期
5月~10月

 
耐暑性/耐寒性
寒さに弱く、高温多湿を好む植物です。
生育適温は25℃~30℃で、成木でもマイナス2℃程度の環境に短時間でもさらされると枯れるおそれがあります。
 
5℃以下で生育が悪くなります。
気温が10℃以下になったら、室内に移動させましょう。

 

育て方

 
植え付け・植え替え
植え付けおよび植え替えは、春に行います。鉢植えで育てる場合、2年~3年に1度を目安に、鉢が根でいっぱいになったら、一回り大きな鉢に植え替えます。
水はけの良い用土を選んでください。

 
肥料
生長期には肥料が必要です。
三要素等量か、リン酸が多めの固形肥料が適しています。

 
剪定
ある程度放任しても樹形が乱れにくく、ナチュラルな自然樹形を楽しめます。
ただし、コンパクトに維持したい場合は、伸びすぎた枝を適宜切り戻してください。
 
枝が混み合っていると、見た目が悪くなるだけでなく、風が通らず病害虫が発生しやすくなります。
風通しが悪そうであれば、枝をすかすように剪定してください。

 
病害虫
アブラムシやカイガラムシに注意します。
特に、春先には、柔らかな新芽付近にアブラムシが発生しやすくなります。
 
また、センチュウ類など土壌中に増殖する害虫にも注意しましょう。
病害虫の被害を発見したら、適切な薬剤を使ってすみやかに対処してください。

 
日当たり
日当たりの良い場所が適しています。日光が不足すると、徒長したり、花が減ったりするおそれがあります。

 
水やり
乾燥を嫌う植物です。
鉢植えの場合、春から夏の生育期には、土の表面が乾いたら、鉢穴から水が流れでるまでたっぷりと水をやってください。
 
気温の低い時期の水やりは控えめにしましょう。
地植えの場合、ひどく乾燥しない限りは、一度根付いた株への水やりは必要ありません。

出典(引用元)

椎葉林弘『よくわかる庭木大図鑑』永岡書店
気候変動の影響への適応に向けた 将来展望|農林水産省

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