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植物図鑑 ヒトツバタゴTOPページ写真
2021.12.09

ヒトツバタゴの育て方や特徴

「なんじゃもんじゃ」の名で知られるヒトツバタゴ。
白い花が満開になると、雪をかぶったかのように樹の上部が真っ白に染まる。

野生のヒトツバタゴは希少で、絶滅危惧種に指定されるほか、一部の自生地は国の天然記念物に指定。
園芸品種は庭木にも用いられる。

基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Chionanthus retusus
  • 科・属名モクセイ科ヒトツバタゴ属
  • 別名なんじゃもんじゃ、ナンジャモンジャノキ、海照らし

自生地は天然記念物に指定されることもある希少な樹木

ヒトツバタゴとは

 

ヒトツバタゴ(一つ葉田子)は、モクセイ科ヒトツバタゴ属の落葉高木です。
野生のヒトツバタゴは絶滅が危惧されるほど希少な植物ですが、街路樹や庭木としても利用されています。
成木の樹高は10m以上と大きくなり、20mに達するものもあります。
 

主な自生地は、愛知県犬山市、長崎県の対馬、岐阜県南東部の木曽川周辺などで、エリアは飛び飛びです。
このように離れた地域に分布することを隔離分布と言い、海外では中国、台湾、朝鮮半島にも自生しています。
 

ヒトツバタゴ自生地には、国の天然記念物にも指定された場所もあります。
 

ヒトツバタゴという名前の由来は、タゴノキ(トネリコの別名)に姿が似ていることにちなんでいます。
タゴノキが葉軸に複数の葉を付けるのに対し、ヒトツバタゴの葉は一枚ずつ付くことから、ヒトツバ(一つ葉)タゴと命名されました。
 
 

満開時は雪をかぶったような姿になる

 
満開時は雪をかぶったような姿になるヒトツバタゴ写真

5月~6月になると、樹の上部を覆うように白い花が咲きます。
満開時は、まるで雪をかぶったかのように見える見事な咲き姿です。
他の樹木より背が高いこともあり、山林の中でもよく目立ちます。
花言葉は「清廉」です。
 

ヒトツバタゴの花は、花びらがヒモのように細長いことが特徴で、雄花と雌花がそれぞれ別の樹に咲く雌雄異株です。
 

対馬では、海岸沿いに自生しているヒトツバタゴの花びらが海面に散ると、海を白く照らすように見えることから「海照らし(ウミテラシ)」という名でも親しまれています。
 

果実は楕円形をしており、秋になると青黒く熟します。
 
 

別名「なんじゃもんじゃ」とは

 
ヒトツバタゴは「なんじゃもんじゃ」や「ナンジャモンジャノキ」と呼ばれる樹の代表種です。
 

なんじゃもんじゃは、名前がわからない大きな木の総称であり、ヒトツバタゴのみに用いられる名称ではありません。
しかしながら、なんじゃもんじゃという時は、ヒトツバタゴのことを指しているケースが多いです。

花を楽しむシンボルツリーや記念樹に

関東地方以南の温暖な環境が向いている

 

ヒトツバタゴは、自生地からもわかるように、関東地方以南の温暖な環境が生育に適しています。
 

満開時の美しさが魅力的な樹木です。
花を楽しむシンボルツリーやサブツリー、記念樹にもおすすめ。
清楚な白花は、家の外壁や他の植物とも調和しやすいでしょう。
 

樹高10mを超える高木なので、狭いスペースの植栽には不向きです。
ただし、生長はゆっくりなので、苗の植え付け後数年で10mに達することはありません。
 
 

小ぶりで繊細な雰囲気の「アメリカヒトツバタゴ」

 

小ぶりで繊細な雰囲気の「アメリカヒトツバタゴ」の写真

アメリカ東南部原産の「アメリカヒトツバタゴ」は、樹高5m~10mとヒトツバタゴより小ぶりで、庭木としては扱いやすい品種です。
 

葉はヒトツバタゴより大きめですが、花びらがより細長く繊細な印象になります。
若木のうちから開花しやすいことも特徴です。
花からはライラックに似た甘い香りがします。

育て方・管理方法

詳細情報

 
草丈・樹高
 
10m以上
 
栽培可能地域
 
関東以南
 
花色
 

 
開花期
 
5月~6月
 
結実期
 
10月
 
耐暑性/耐寒性
 
耐暑性・耐寒性共に普通です。温暖な気候を好みます。
 

育て方

 
植え付け・植え替え
 
土質に関係なく良く育ちます。植え付けの適期は、芽が出る前の3月上旬ごろです。
乾燥にはやや弱く、水はけの良すぎる土地に植え付ける場合は、腐葉土などをすきこんで水もちを良くしてください。
 
肥料
 
肥料はほとんど必要ありません。与える場合は、冬期に油かすや鶏糞などの有機質肥料を少量施せば十分です。
 
剪定
 
放任しても樹形がまとまりやすく、自然樹形の美しさを楽しめる樹木です。
枝が混みあいすぎている、スペースの都合上大きくなると困る、といった場合を除き、基本的には剪定は行いません。
強剪定すると樹形が乱れたり、弱ったりする恐れがあります。
 
ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)の剪定の時期は、11月から3月までです。
冬の落葉期に行います。また、花後の6月~7月頃も軽く剪定することができます。
 
春に咲く花の木は、花が終わって同じ年度の夏~秋に来年度咲く花の花芽をつけるので、夏以降に剪定すると花の量が減ってしまいます。
注意しましょう。
透かし剪定なら、切る枝と残す枝があるので花芽のすべてを落とす失敗がなく、おすすめです。

 
病害虫
 
病害虫の被害を受けにくい樹です。
 
日当たり
 
日の良く当たる場所を好みます。
 
水やり
 
地植えの場合、植え付け直後から2年くらいは、表土が乾燥したら水を与えます。その後は、ひどい乾燥が続いた場合を除き、特に水やりの必要はありません。
鉢植えでは、表面の土が乾き次第、鉢穴から流れ出るくらいの水をやってください。
 

出典(引用元)

平野隆久『よくわかる樹木大図鑑』永岡書店
椎葉林弘『よくわかる庭木大図鑑』永岡書店
小幡和夫ほか『樹木博士入門』全国農村教育協会

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