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ヤブラン
2021.09.14

ヤブラン

ヤブラン(リリオペ)は、スタイリッシュな線形の葉と、涼し気な青紫色の花が特徴的な常緑性の植物。
半日陰を好み、常緑シンボルツリーの樹陰やシェードガーデン、日当たりの悪い庭でも活躍する。
グランドカバー、下草、寄せ植え材料など汎用性の高い品種。

基本データ

  • 分類草花
  • 学名Liriope muscari
  • 科・属名キジカクシ科ヤブラン属
  • 別名リリオペ、サマームスカリ、テッポウダマ、ネコノメ、ジャガヒゲ、インノシポ

日本の山野にも自生する強健で育てやすい常緑植物

ヤブランとは

 

ヤブランの写真

ヤブランは、キジカクシ科ヤブラン属の多年草です。
中国・朝鮮半島などの東アジア原産で、日本では本州・四国・九州の山野で野生のヤブランが見られます。
日本に自生しているのはヤブラン・コヤブラン・ヒメヤブランの3種です。
 

常緑性の多年草で、1年中葉が茂っています。
病害虫が発生しにくいことや、暑さ寒さに強く、やせ地にも適応することから、庭や公園などの植栽として古くから利用されてきました。
 

一度植え付けてしまえば、施肥や剪定などの日常的な管理がほぼ必要なく、放任栽培できるのも人気の理由です。
 

ヤブランの園芸品種として最もメジャーなのは、葉が黄白色に縁どられた斑入り葉の品種です。
 

野生のヤブランは、主に樹木の足元に生える下草として生育しています。
園芸品種にも半日陰の場所を好む性質があり、シェードガーデンやシンボルツリーの下草として活躍します。
 

藪に生え、葉が蘭に似ていることが名前の由来

 

ヤブランの写真

ヤブラン(藪蘭)という名前は、藪に生え、細長い葉の形が蘭に似ていることから付けられました。
ランという名が付くものの、いわゆるランの仲間ではなく、キジカクシ科に分類される植物です。
 

ギリシャ神話に登場するニンフのレイリオペ(Leiriope)の名にちなんだ「リリオペ」という名前で流通することもあります。
 

青い花がムスカリに似ていることから「サマームスカリ」とも呼ばれることも。
ムスカリは、3月頃に開花する春の球根植物です。
 

秋には黒紫色の実を付ける

 

ヤブランの写真

ヤブランの花期は夏で、8月~10月になると青紫色の涼し気な花を咲かせます。
花言葉は「隠された心」「忍耐」です。
 

秋には実も観賞することもできます。
ヤブランの実は直径5mmほどの球形で、熟すと濃い黒紫色になります。
 

ヤブランの実に毒はなく、熟した実は生のまま食べることができ、ほんのりとした甘みを楽しめます。
 

根が薬草として用いられることもある

 
ヤブランの根の肥大した部分には、滋養強壮・鎮咳・去痰・利尿作用などの薬効があるとされ、薬用植物としても利用されてきました。
 

生薬名は「土麦冬(どばくとう)」と言い、同じキジカクシ科の植物であるジャノヒゲの肥大根「麦門冬(ばくもんとう)」の代用品としても使われます。

半日陰やシェードガーデンで活躍する

和洋どちらのイメージにも合う半日陰の下草

 

ヤブランの写真

ヤブランは、耐暑性・耐寒性共に優れていて、あまり日が当たらない場所でも良く生育します。
特に、やや湿り気のある半日陰が適していて、常緑樹の足元の木陰や、日当たりの悪い庭・花壇・玄関周りで活躍するでしょう。
 

和風の庭に植栽されているイメージが強いヤブランですが、斑入り葉の品種や、近年出回っている黄緑色やクリーム色の葉を持つ軽やかな雰囲気がある品種は、洋風のガーデンにもしっくりきます。
 

横に広がりにくく草姿を維持しやすい

 
草姿が乱れにくいのもヤブランの特徴です。
剪定や間引きなどの管理がほとんど必要なく、庭いじりが苦手な人や、忙しい人にもおすすめの品種と言えます。
 

大きくなりすぎたら、株全体の形を整えるように剪定するか、春か秋に株分けしてサイズを調節するようにしましょう。
 

枯れたり傷んだりした葉は、根元まで強めに切り戻すことで、新しい葉が芽吹いてきます。
 

緑葉から白葉まで個性豊かな園芸品種が揃う

 

ヤブランの写真

園芸品種として良く使われるのは斑入り葉のヤブランですが、野生種または野生種に近い「ライラック・ビューティー」などの品種は、葉に斑が入りません。
斑が入らない緑葉のヤブランは、より控えめで硬派な印象になります。
 

ほか、白い花を咲かせる「モンロー・ホワイト」や、ライムグリーンの葉を持つ「ピーディーインゴット」、新芽がクリーム色をした「翁(おきな)」、翁よりも葉のクリーム色が強い白葉品種「ピュアブロンド」など、個性豊かな品種が存在します。
 

カラーリーフとして、花壇や寄せ植えのアクセントに活用することもできるでしょう。

育て方・管理方法

詳細情報

 
草丈・樹高
20cm~30cm

 
栽培可能地域
全国

 
花色
紫・青・白

 
開花期
8月~10月

 
結実期
11月

 
耐暑性/耐寒性
耐暑性・耐寒性共に優れていて、日本全国で栽培可能です。
雪が降る地域でも、地植えのままで問題なく冬越しできます。

 

育て方

 
植え付け・植え替え
植え付け・植え替えは、新芽が出る前の2月~4月ごろに行うのがベストです。
真夏や真冬は避けましょう。
 
やせ地でも良く生育するので、土質は特に選びません。
鉢植えする場合は、市販の草花用用土を使用してください。
 
地植えの場合、数年間植えっぱなしでも大丈夫です。
増えすぎたり大きくなりすぎたりしたときは、春か秋に植え替えまたは株分けを行ってください。
 
鉢植えのヤブランは、根詰まりを起こしているようであれば、一回り大きな鉢に植え替えると良いでしょう。
サイズにもよりますが、植え替えのペースは2~3年に一度が目安です。

 
肥料
早く大きく育てたい場合以外は、肥料は特に必要ありません。
鉢植えで肥料切れを起こしている様子があれば、緩効性肥料を施してください。

 
剪定
大きくなりすぎてしまった場合を除き、特に剪定する必要はありません。
ただし、枯れた古い葉は、根元から切り戻すようにしましょう。
新しく出てきた葉と古い葉が混在すると見栄えが悪くなるためです。
また、枯れた葉を放置していると風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなる恐れがあります。

 
病害虫
病害虫はほとんどみられません。
毛虫やナメクジがつくことがありますが、大発生することはまれなので、見つけ次第捕殺してください。

 
日当たり
半日陰を好みます。
常緑樹の足元や岩陰、シェードガーデンに植栽するのがおすすめです。
日陰でも育ちますが、あまりにも日当たりが悪いと、花数が減ったり、葉が徒長してまばらになったりします。

 
水やり
地植えであれば、真夏に極端な乾燥が続いた場合などを除き、水やりは必要ありません。
鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。
水が不足すると葉先が枯れることがあります。

出典(引用元)

辻幸治ほか『増補版 育てる調べる山野草2525種 野の花・山の花・海外種・園芸種 まるごと大百科』栃の葉書房

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