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シダレザクラ
2021.01.26

シダレザクラ

枝が地面に着くほどに垂れさがるのが特徴的なサクラ。
ソメイヨシノの片親と同じ種類のエドヒガンから創られた品種で、数あるサクラの中でも一際風流で、独特な姿をしている。
和風の庭にぴったり。

基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Cerasus itosakura (Siebold) Masam. et S.Suzuki 'Pendula'
  • 科・属名バラ科サクラ属
  • 別名イトザクラなど

枝が垂れ下がる独特の雰囲気のサクラ

シダレザクラとは

 
シダレザクラとは、エドヒガンというサクラの品種の一つで、枝が持ち上がらず垂れ下がるものです。
シダレヤナギのような風流な姿が人気で、各地でよく植えられています。
エドヒガンは日本に自生するサクラの一種で、サクラ並木などでよく植えられているソメイヨシノの片方の親とも言われているものです。
花びらには個体差が大きく、色や形など、それぞれ様々な姿がみられます。
 

全国に植えられ、各地に名木も

 
シダレザクラ
 
シダレザクラはその風流な姿が人気の樹木で、お寺や神社、庭園などを中心に各地に植えられています。
また、元になったエドヒガンが数百年以上生きる長命な種類というのもあり、各地で立派な大木になったものが見られます。
有名なのが、福島県田村郡にある「三春滝桜」。
樹齢は1000年以上と言われ、まるで滝のような形で一斉に花がつく様子は壮観です。
 

枝先が垂れるのはホルモンのせい?

 
シダレザクラの枝先が垂れるのは、ホルモンの不足によるものといわれています。
枝に、「あて材」という枝を引っ張り上げるための材がつくられないのが枝が垂れる原因で、それをつくるための「ジベレリン」というホルモンが足りていないために枝が垂れてしまうのだとか。
実際に、シダレザクラにジベレリンを与えると枝が垂れなくなったという実験もあります。
ただし、枝の成長する速度が速いからともいわれていて、まだまだわかっていないことも多いみたいです。この枝が垂れる性質は遺伝するものなので、これを利用して、八重咲のシダレザクラのような色々な品種がつくられています。

風流な庭にしたいならこれ!

庭に植えて風流な雰囲気に

 
シダレザクラの魅力はなんといってもその風流な姿。
一株植えるだけで、庭の雰囲気が一気に「和」の雰囲気に変わります。
庭園のような風流な雰囲気の庭をつくりたいときにはかなりオススメです。
また、夏の時期や秋の落葉を見てみるとわかりますが、シダレザクラの葉っぱは、他の桜と比べて細長くてちょっと変わった形。
枝が垂れる風流な雰囲気にぴったりな形をしているのです。
 

品種を植え比べてみる

 
サクラには数えきれないくらいの品種があり、どれも花の色や咲く時期、色や匂いまでも千差万別。
それらの品種を植えてみて、いろいろな違いを楽しんでみるのも良いです。
その中でもシダレザクラは群を抜いて個性的なもの。
シダレザクラの中にもいくつか品種があるものの、遠目に見てもシダレザクラだとわかるような、インパクトのある姿が特徴的です。
たくさんのサクラを植えるときには外せないものでしょう。
 

花を観察してみる

 
シダレザクラは、足元まで長く垂れる枝が特徴。
もちろん、地面近くまで花がみられます。
サクラの木は大きくなるものが多いので、花の時期になると花が遠くて手が届かないという場合もあります。
しかしシダレザクラは確実に目の前で花が見られるので、じっくり花を観察できるというのが嬉しいです。
「花を観察なんて小学生の理科の授業みたい」なんて思うかもしれませんが、いろいろな品種のサクラがある中で、ネームプレートに書いてある名前以外で何がどう違うのかわかる人というのはごくわずか。
実際にその違いを知っているだけで、楽しみ方の幅がグッと広がります。花びらの形、色、枚数、がくの形など、サクラの品種の違いは花の形に最も出てきます。
他の桜と比べるためにも、シダレザクラの花を手にとって観察できるというのはとても良い特徴なのです。

育て方・管理方法

詳細情報

 

草丈・樹高

15~20m

 

栽培可能地域

全国
 

花色

白~ピンク

 

開花期

3~4月

 

結実期

5~6月

 

耐暑性/耐寒性

どちらも普通
 

 

育て方

 

植え付け・植え替え

水はけがよく肥沃な、日当たりが良い場所に植え付けると良いです。
移植も比較的しやすく、植え付けや植え替えの時期は葉っぱや花が芽吹く前の3~4月ころがオススメです。
 

肥料

大きくなってからはあまり必要ありませんが、植え付け時や木がまだ小さい間などは、冬の時期に緩効性肥料などを寒肥として与えると良いです。
 

剪定

葉っぱが落ちている秋から冬の間に行います。
花芽ができるのは夏から秋にかけてですが、枝にびっしり花芽がつくので、切ってしまっても花が全く見られなくなるということはありません。
一つの枝がかなり太くなるので、元気の無い枝や理想の形を考えたとき邪魔になる枝は早いうちに切ってしまいましょう。
太くなってから切ると形が崩れるうえに、病原菌が入る原因になります。
また、特に小さい苗の場合は地面につくほどに伸びた枝は同じく病気を防ぐために切ってしまいましょう。

 

病害虫

病害虫はどちらも比較的多いです。
害虫で言うと葉っぱをかじって食べるモンクロシャチホコ、アメリカシロヒトリ、ヒロヘリアオイラガなど、色々なガの仲間の幼虫がつくことがあります。
また、幹に入り込むコスカシバの幼虫も木に元気がないとたくさん発生します。これはゼリーのような樹脂が出ていることで発生したのがわかるので、普段と幹の様子が違っていたら注意しましょう。ただし、それらの虫には木を枯らしてしまうほどの力はありません。
地域によっては最近分布を広げているクビアカツヤカミキリが問題になることがあります。これはサクラなどのバラ科植物を中心に発生するカミキリムシで、一本の木に大量発生するので若木だと幹を食べつくされて枯れてしまうことも。どこまで分布が広がっているか、インターネットである程度の情報は確認できるので、近くに発生情報があったら要注意です。
菌などによる病害としては、葉っぱに丸い穴が空く穿孔褐斑病、枝が密集して生えるてんぐ巣病、幹に大きなキノコが出るべっこうたけ病やこふきたけ病などがよく発生します。
穿孔褐斑病やてんぐ巣病に木を枯らすほどの力はありませんが、てんぐ巣病の場合、密集して生える枝には花芽がつかないので、発生初期段階で枝を切って処分すると良いです。
べっこうたけ病やこふきたけ病などは、基本的には木の死んだ組織を分解しているだけで木を弱らせる力はそこまで強くないのですが、大きな木だと分解されるのが原因で木が倒れてしまうことがあります。
大きくなった木で幹にキノコがたくさん出ている場合は、植木屋さんや樹木医に相談してみるのが良いです。

 

日当たり

明るい場所が好きです。
日当たりが悪いと花付きが悪くなることもあります。
もし花付きが急に悪くなったという場合は、周りに何か日を妨げるものができていないか確認するようにしましょう。

 

水やり

植え付けしてから活着するまでは意識して水やりをする必要がありますが、地植えならそれ以降は特に気にする必要はありません。
 

育てやすさ

★★★★★

出典(引用元)

日本樹木医会
「樹木医必携」
山と渓谷社
「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花1」
村越匡芳監修
「庭に植えたい樹木図鑑」

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