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ソヨゴ 実
2020.06.10

ソヨゴ

別名フクラシバ。東北以南で栽培できる常緑亜高木。原産地は日本・中国・台湾。

基本データ

  • 分類庭木-常緑
  • 学名Ilex pedunculosa
  • 科・属名モチノキ科モチノキ属
  • 別名フクラシバ

初心者でも扱いやすいソヨゴ

穏やかな樹勢で初心者でも扱いやすい常緑広葉樹

 

耐寒性、耐暑性ともに優れるソヨゴは、東北以南から九州地域で見られる亜高木。主に低山帯や丘陵帯に分布する常緑広葉樹にしては、標高900m以上ある場所でも育つ珍しい樹木です。主な用途は公園樹や庭園樹。幹の部分は櫛やそろばん玉、器具材などに使われ、葉は染料として用いられます。また中部地方では、「サカキ」の代用品としても使われています。

樹皮は滑らかで灰褐色、葉の周囲は波打ち、肉厚で硬く光沢のある楕円形。雌雄異株で5月~6月にかけて白い花が咲き、秋になると2~5cmの柄の先に丸くて小さな赤い実が熟します。成長速度はゆっくりで樹勢は穏やか。病害虫にもかかりにくいため、ガーデニング初心者でも扱いやすい樹木です。

ソヨゴの楽しみ方

シンボルツリーとして人気の庭木

 

建物の目印となり、景観を彩るシンボルツリー。ソヨゴはシンボルツリーとして人気のある庭木の1つです。理由は手間がかからず、四季折々の変化を楽しめるから。ソヨゴは成長が遅く、頻繁な剪定を必要としません。「樹高10m」との表記を多く見かけますが10mまで育つには何十年もの歳月が必要です。そのため、実際に庭植えされているソヨゴの多くは3m前後、胸高直径が20cm程度と、庭木としてはちょうど良い大きさです。
常緑樹なので冬が到来しても葉はきれいな緑色。初夏には白い花を咲かせ、秋から冬にかけて真っ赤な実をつけるさまは、庭に元気や活力を与えてくれます。自然樹形で育つため、洋風や和風の庭木としてはもちろん、ナチュラルガーデニンやモダンガーデンにもマッチします。
 

結実させるためには雄木と雌木が必要

 

ソヨゴは10月~11月にかけて8mm程度の真っ赤な実をつけます。せっかく育てるなら、かわいらしい実も楽しみたいですよね。ここで注意するのは実がなるのは「雌木のみ」ということ。ソヨゴは雌雄異株(しゆういしゅ)といって、雄木と雌木に分かれる樹木。ソヨゴの購入時には「雌木なのか、雄木なのか」を確認しておくことが大切です。結実させるなら雌木の近くに雄木を植える、雌株に雄株を接ぎ木するなどして、対策をしておきましょう。
 

葉音を楽しむ

 

「ソヨゴ」の名前は、風が吹くとやや蜜についた葉同士が触れ合って「カサカサ」「さやさや」と音を出す様子からつけられました。ソヨゴが奏でる音には、他の樹木では味わえない風情があります。葉同士が重なりあって音が出るのは、ソヨゴの葉が硬い証拠です。葉の硬さは根の深さと比例し、成長すればするほど葉音は大きくなります。
ソヨゴの別名「フクラシバ」の名前の由来は、葉を火で炙ると、葉に含まれていた水分が気化または沸騰することで葉が膨れる現象からつけられました。「ソヨゴ」と「フクラシバ」、どちらの名前も葉が丈夫で表皮が厚い特徴が理由とは興味深いですね。
 

倒木に注意

 

ソヨゴは直行根を持たず、地面から浅い場所に細い根を張る特徴があります。そのため、成長して樹高が高くなったソヨゴは傾斜、または強風が原因で倒木する可能性があります。庭木で長くソヨゴを楽しむなら、強風を受けない場所の選択が大切です。特に毎年台風が通過するような地域は注意が必要です。

育て方・管理方法

詳細情報

 

草丈・樹高

10m

 

栽培可能地域

東北以南

 

花色

白色

 

開花期

5月~6月

 

結実期

10月~11月

 

耐暑性/耐寒性

強い/強い

 

 

育て方

 

植え付け・植え替え

ソヨゴの苗の植え付け時期は、4月~5月上旬または8月下旬~9月。用意したソヨゴの根鉢に麻布が巻かれているものはそのままの状態で、鉢やビニールポットに入っているものは取り除いておきましょう。植え穴は地面に対して垂直で深めに、根鉢よりも一回り大きく掘るのがポイントです。土壌改良として穴の底には、緩効性化成肥料か有機質肥料を元肥として入れておきましょう。植え付け時の高さは、地面と根鉢の高さが同じになるか少し浅植えにとどめ、幹が地面に対して垂直になるように位置づけます。植え穴に土を戻すときは数回にわけて、都度土をしっかり踏み固めながら作業をすすめましょう。ソヨゴの植え付けが終了したら周りにある土を幹の根元に集め、「水鉢」を作ってから十分な水やりをしてください。水鉢を作ることで根にしっかりと水分が行き渡ります。

 

肥料

ソヨゴの根が定着するまでの植え付けから約2年の間に葉が落ちたり、葉色が黄緑色に変化したりして元気がないようであれば、油かすや化成肥料を与えて根の生長を促します。また植え付けからの年数に関係なく、毎年2月頃には有機質肥料を株元の周りに埋める「寒肥」を施しましょう。

 

剪定

ソヨゴは定期的な剪定を必要としません。ただし樹形が乱れたり、内側に枝が密集してきたりした場合は11月後半から2月頃に剪定をします。ソヨゴの剪定では樹勢の衰えを避けるため、強剪定は禁物です。切り戻しや、混み合っている枝を間引く「枝抜き剪定」程度にとどめて手間をかけすぎず、樹形を整えつつ、病害虫にかからないような風通しのよい環境を整えましょう。

 

病害虫

ソヨゴは基本的に病害虫にかかりにくい庭木です。ただし葉が混み合って風通しが悪くなると、カイガラムシがついたり、すす病になったりすることがあります。吸汁性害虫のカイガラムシは国内に数百種類存在しますが、ソヨゴに見られるカイガラムシの多くは「ルビーロウカイガラムシ」です。

6月中旬~7月の幼虫の時期は薬剤の散布、その後成虫になり体がロウ質で覆われた状態になったものは、幹に傷をつけないように、割り箸や竹べらで掻き落として対処しましょう。カイガラムシの排泄物は「すす病菌」の栄養素になり、すす病発生の原因になります。葉、幹、枝が「すす」をかぶったように黒ずんだり斑点が見られたりしたら、すす病と判断して間違いないでしょう。すす病は美観を損ねるだけでなく、光合成を阻害します。すす病に侵された部分は早期に取り除き、周辺部分には殺菌剤を散布して対処しましょう。

 

日当たり

ソヨゴの好む環境は日当たりの良い場所。ただし西日の当たる場所は、葉焼けを起こす可能性があるので可能な限り避けましょう。また、ソヨゴは少々の耐陰性も持ち合わせているので、若干日陰になるような場所でも育ちます。

 

水やり

ソヨゴの根が張り出す時期は、植え付けをしてから約2年後。そのため植え付けから2年未満の株は、土の表面が乾燥したら十分な水やりが必要です。2年以上経過した株は降雨のみで育つので基本的に水やりの必要はありません。しかし夏季などに1週間以上の日照りが続く場合は、朝か夕方の気温の低い時間帯にシャワーノズルを利用して、地面に水が十分に染み込むように水やりをしてください。

 

育てやすさ

★★★★★

出典(引用元)

誠文堂新光社『緑化樹木辞典』(東京農業大学教授 矢口行雄監修)

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