「一人親方の経費はどこまで計上できるのかな?」

「例えば、休憩中のジュース代とか、プライベートと兼用しているものとかは経費計上していいか迷う」

「一人親方の経費はどれくらいが平均で上限はあるのかな?」

 

こんなお悩みを解決する記事です。

 

まず、どこまで経費にできるかは、「業務に関係しているかどうか」というのがポイントになります。

 

本記事では、一人親方が経費計上できるもの、経費の平均額、経費計上する際の3つの注意点について解説します。

 

一人親方の経費計上で迷わなくなるので、ぜひ最後までご覧ください。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。

目次

一人親方の経費計上はどこまで申告OK?ジュース代は?

一人親方はどこまで経費として計上できるのでしょうか。

結論から言うと、業務に必要なものであれば原則として何でも認められます。


例えば、一人親方の業務に必要なものは主に下記が挙げられるでしょう。

  • 材料費
  • 工具費
  • 車両費
  • 交通費
  • 組合費

 

業種によっては他にもあるかもですが、上記はどの一人親方の業務にも必要不可欠なものですよね。

ですので、上記の経費計上に関してはあまり悩む必要もないかと思います。

 

しかし、上記に当てはまるのか微妙なものもありますよね。

例えば、ジュース代。

業務の休憩中に飲んだジュース代など、多くの一人親方が悩むところだと思います。

 

結論から言うと下記のようになります。

 

【経費として認められるケース】

  • 取引先のお礼
  • 会議のときに出したジュース

 

【経費として認められないケース】

  • 休憩時間の個人的に購入したジュース

 

取引先のお礼は「接待費」会議のジュースは「会議費」として認められる可能性が高いです。

しかし、休憩中に購入したジュースは個人的なものなので経費として認められない場合があります。

 

どの勘定項目においても、経費計上の考え方は「業務に必要なものかがポイント」になるので頭に入れておきましょう。

 

一人親方が経費として申告できるもの一覧

勘定項目概要
材料費セメント、モルタル、木材、などの購入費
消耗品業務で使用する事務用品などの購入費
車両費車両購入費用、ガソリン代など
地代家賃事務所の家賃、駐車場代など
水道光熱費事務所を運営するために必要な水道光熱費
旅費交通費現場までの交通費、宿泊費
荷造運賃業務で荷物を送る際の運賃
通信費業務で使用する携帯電話や通信機器、はがき、切手などの費用
接待交際費取引先との業務上の会食費、お歳暮、弔事見舞金など
会議費会議のためのジュース代など
損害保険料事務所の火災保険料、自動車保険など
研修費資格取得費用、研修費用(業務上必要なものに限る)
租税公課国や地方自治体に納める税金、組合費など
専従者給与家族を専従従業員として雇用する場合の給与
雑費当てはまる勘定項目がない費用

 

一人親方が経費にできるものって結構ありますよね。

また、勘定項目には厳密な決まりはありません。

例えば、ガソリン代(上記では車両費)を、旅費交通費としても問題ありません。

 

大事なのは、すべてが必ず経費として認められるわけではないといいうことです。

例えば、接待・交際費のような、プライベートと仕事との区別がつきにくいものは、場合によっては税務署のチェックが厳しくなることがあります。

 

一人親方の経費の平均額はどれくらい?

一人親方の経費平均額は、売上の3割から5割くらいと言われています。

しかし事業内容や規模によって差があるので、あくまで目安と考えてください。

 

そして一人親方の経費平均額を気にする必要はあまりないでしょう。

なぜなら、一人親方の経費に上限はないからです。

つまり、売上の6割、7割を超えても基本的には問題はありません。

 

きちんと正確に計算することのほうが重要なので、あまり経費の平均額に縛られる必要はないでしょう。

 

一人親方が経費計上する際の3つの注意点

ここまで一人親方が経費にできるものを見てきましたが注意点があります。

注意点は下記の3つ。

  • 個人的な費用は経費計上できない
  • 必ず費用を証明できるものを保管する
  • プライベートと兼用しているものは家事按分が必要

詳しく見ていきましょう。

個人的な費用は経費計上できない

当たり前ですが、個人的な理由で発生した費用は、経費計上できません。

例えば下記。

  • 個人的な飲み会費用
  • 見舞い金
  • 個人の生活費
  • 個人の各種税金や罰則金
  • 住宅ローン、借入金

 

節税したいからといって、個人的に発生した出費を経費計上するのは辞めましょう。

必ず費用を証明できるものを保管する

経費計上する際は、領収書やレシートを必ず保管しておきましょう。

かかった費用が事業目的であることを証明する証拠になるからです。

 

原則として、領収書やレシートが無ければ経費計上できません。

ですので、日頃から領収書やレシートを保管する癖をつけることが大切です。

 

しかし、インターネット通販で購入したものは、領収書やレシートが発行されない場合もありますよね。

インターネット通販で購入したものに関しては、取引画面または注文確認メールをプリントアウトすることで代用できる場合があります。

 

プライベートと兼用しているものは家事按分が必要

家賃や水道光熱費、通信費など、プライベートとと混同している点もありますよね。

 

その場合、プライベートで使った分と事業で使った分を分けるために、家事按分が必要です。

 

家事按分する際の算出方法に明確な基準はないですが、使用日数や時間で算出するのが一般的です。

判定方法は下記のように定められています。

 
(主たる部分等の判定等)
45-1 令第96条第1号《家事関連費》に規定する「主たる部分」又は同条第2号に規定する「業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分」は、業務の内容、経費の内容、家族及び使用人の構成、店舗併用の家屋その他の資産の利用状況等を総合勘案して判定する。
(業務の遂行上必要な部分)
45-2 令第96条第1号に規定する「主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち当該業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定するものとする。ただし、当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない。

国税庁 第4款 必要経費等の計算 第1目 家事関連費、租税公課等 法第45条《家事関連費等の必要経費不算入等》関係

 

経費の家事按分方法

経費の家事按分方法を例にしたので参考にしてみてください。

費用按分方法計算式
自家用車関連費走行距離総走行距離500km、業務使用走行距離200kmの場合

按分率は40%で、経費に計上できる金額は4000円(1万円×40%)
按分率 = 業務使用走行距離 / 総走行距離
通信費使用時間1週間の通信費1万円、仕事で使用した通信費20時間の場合

按分率は20%で、経費に計上できる金額は2000円(1万円×20%)
按分率 = 業務使用時間 / 総使用時間
家賃面積総面積100㎡、事業で使用している面積30㎡の場合

按分率は30%で、経費に計上できる金額は3000円(1万円×30%)
按分率 = 事業使用面積 / 総面積
電気料金コンセント数総コンセント10個、事業で使用しているコンセント4個の場合

按分率は40%で、経費に計上できる金額は4000円(1万円×40%)
按分率 = 事業使用コンセント数 / 総コンセント数
ガス、水道使用時間1週間の総使用時間100時間、業務使用時間50時間の場合

按分率は50%で、経費に計上できる金額は5000円(1万円×50%)
按分率 = 業務使用時間 / 総使用時間

 

算出方法に明確な基準はないとはいえ、合理的かつ客観的に算出することが大事です。

税務調査の際に納得してもらいやすくなるからです。

 

例えば、自家用車関連費を走行距離で按分するとします。

業務で使用した走行距離が全体の走行距離の半分以下の場合に、按分率を50%とすると事業で実際に使用した割合よりも高くなってしまいますよね。

このような場合、税務署に按分率の修正を求められる可能性もあるので、合理的かつ客観的に算出しましょう。

 

なお一人親方の確定申告方法については下記記事で解説しています。白色申告、青色申告、インボイス制度についても解説していますのでぜひご覧ください。

まとめ:一人親方は正しく経費計上して確定申告に備えよう

一人親方が経費として計上できるものは、業務に必要なものであれば、原則として何でも認められます。

しかし、個人的な費用や、プライベートと兼用している費用は、家事按分が必要です。

また、経費を計上する際は、必ず領収書やレシートなどの証拠を保管しておきましょう。

一人親方の経費の平均額は、売上の3割から5割程度と言われていますが、必ずしも平均額に縛られる必要はありません。

正確に計算して、節税に役立てましょう。

 

一人親方の経費計上はとても重要と言えます。

理由は節税につながるからです。

経費の算出は少しめんどくさいと感じるかもしれませんが、所得が増えるほど税金も上がるので、確実に経費計上できるようにしておきましょう。

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