「一人親方が現場に入れないことがあるって本当?」
「一人親方が現場に入れないのはどんな理由があるの?」
「そもそも自分は一人親方なのかな?」

こんな疑問に答える記事です。

結論から言うと、一人親方が現場に入れない原因は社会保険の未加入が原因です。

本記事では、社会保険未加入の一人親方が現場に入れない理由と、社会保険の加入方法、偽装一人親方ついてお伝えします。

本記事を最後まで読めば、あなたが現場に入れるかどうかが分かりますのでぜひご覧ください。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。

目次

一人親方が現場に入れないのは社会保険の未加入が原因

一人親方が現場に入れない理由は、社会保険未加入が原因です。

建設業は特に危険な作業が多いため、作業者の社会保険社会保険加入は必須となります。

これまで建設業の一人親方は社会保険未加入の方が多くおり、病気や怪我などをした場合の補償がないので建設業界では大きな問題になっていました。

このことから、最近では社会保険未加入の一人親方の現場入場を厳しく制限するようになりました。

社会保険未加入者は現場入場を認めない

国土交通省は「社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン」を策定しています。

「社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン」とは、元請け企業に対し社会保険に未加入である建設企業を下請け企業として選定しないよう要請するものです。

このガイドラインにより、各建設現場は社会保険未加入の一人親方に対して入場を制限するようにしています。

(参考元:国土交通省 社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン

もしあなたが社会保険未加入の一人親方の場合、現場に入れないので適切な保険に入る必要があります。

建設業は危険が多く労災のリスクが高いです。自分と家族を守るためでもあるのできちんと加入することが大切です。

一人親方の社会保険未加入の問題点とは

一人親方の社会保険未加入の具体的な問題点はどういったところにあるのでしょうか。

社会保険未加入の問題点は大きく分けて以下の3つです。

  • 休業したときの収入がなくなる
  • 一人親方の安全が守られない
  • 公共工事の入札で不利
  • 医療費が全額負担になる

1つずつ見ていきます。

休業したときの収入がなくなる

労災保険に未加入の一人親方が怪我をして休業した場合、収入がゼロになってしまいます。

休業した場合の収入がなくなるのは大きなリスクと言えるでしょう。

特に建設業は危険性が高い環境で仕事をするので、怪我をする可能性も高くなります。

収入がなくなると生活に困ることもあるので、必ず社会保険に加入するようにしましょう。

公共工事の入札で不利

社会保険未加入の一人親方は、公共工事の受注で一次下請け契約ができなくなり、公共工事の入札で不利になります。

また、銀行などの金融機関から融資を受けにくくなる可能性があります。

一人親方が社会保険に加入することは、一人親方の労働者の権利や安全を守り、建設業の安全性を高めるために重要であるとともに、公共工事の受注や融資の獲得にも有利になります。

医療費が全額負担になる

国民健康保険に加入していないと、医療費は全額負担になります。

医師の診察が必要な大きな怪我や病気をした場合に、医療費が全額負担だとかなり大きな出費になります。

手術をして通院ということになれば、さらに医療費が高額になるので、必ず国民健康保険に入るようにしてくださいね。

一人親方が加入すべき社会保険と加入方法

一人親方が最低限入るべき保険は健康保険と労災保険の2つです。それぞれ重要性と加入方法について解説します。

健康保険

健康保険は、病気やケガで働けなくなったときに医療費を補償する保険です。

一人親方は健康保険に加入していないと、病気やケガで働けなくなったときに、医療費を自己負担する必要があるので必ず加入しておきましょう。

一人親方が加入できる健康保険には、国民健康保険または健康保険組合があります。

国民健康保険は市町村が運営する保険であり、保険料は世帯の収入や所得によって異なります。お住まいの市町村で加入しましょう。

健康保険組合は、企業や業種ごとに設立される保険です。保険料は、企業や業種によって異なります。

労災保険

労災保険は、仕事中にけがや病気になった場合に、補償する保険です。

労災保険の加入は通常、労働者を雇用する事業所が行います。しかし、建設業に従事する一人親方の場合、特別加入制度を利用して労災保険に加入できます。

特別加入制度とは、建設業に従事する一人親方が労災保険に加入できる制度のことです。加入は任意ですが、建設業は労災のリスクが高いため一人親方も労災保険に加入することが大切でしょう。

下記の加入条件のいずれかに当てはまれば加入できます。

  • 一人親方として個人で仕事を請け負っている
  • 労働者を雇用していない
  • 労働者を雇用している場合でも年間の使用日数が100日未満
  • 会社に所属しているが請負で仕事をしている
  • グループで仕事しているがお互いに雇用関係がない
  • 法人化しているが役員のみで仕事している
  • 一人親方と同居および生計をともにしている家族

上記のいずれかを満たし、一人親方労災保険の特別加入団体を通じて手続きを行います。

労災保険に加入すると万一のときに補償を受けられますし、入場できる現場が増えるのでメリットが大きいと言えます。

参考文献(厚生労働省 特別加入制度のしおり)

偽装一人親方を指摘された場合は現場に入れません

偽装一人親方とは、本来は雇用契約にある従業員なのに請負契約の一人親方として扱うことです。

国土交通省は、この偽装一人親方の現場入場を厳しく扱っています。ですので、偽装一人親方が下請けにいた場合は現場に入れないことがあります。

例えば下記に当てはまるのに、雇用関係を結んでいない場合、偽装一人親方として判断される可能性があります。

  • 企業から労働日数や就業時間の指示を受けている
  • 企業から資材や機械を支給されている
  • 仕事を断る自由がない
  • 報酬が日給や時給である
  • 特定の会社だけ長期にわたって仕事を受けている

自分が適正な一人親方なのか考えてみてくださいね。

ちなみに国土交通省のチェックリストでも判断できるので、心配な方はご覧になってみてください。

(国土交通省 働き方自己診断チェックリスト

偽装一人親方のデメリット

偽装一人親方は、労働基準法などの適用を受けないため、労働者の権利が侵害される可能性があります。

例えば、労働時間や休憩、賃金などの面で、労働基準法の最低基準を満たさない可能性が出てくるケースがあるでしょう。

さらに、偽装一人親方として働く労働者は、労災保険の加入も義務づけられていないため、仕事中にけがや病気になった場合、補償を受けることができません。

このように、労働側にとってはあまりメリットが無い契約になってしまいます。

結論:適正な一人親方になりましょう

そもそも一人親方は、労働者を雇用せずに個人で事業を行う事業主のことです。請け負った仕事を自分の手で完成させられる腕をもっているなら、適正な一人親方になりましょう。

適正な一人親方になれば報酬や時間の制限がなくなるので、人によっては働きやすい環境になります。ただし、当然リスクもあるので慎重に考えてみてくださいね。

下記の記事では一人親方の保険やおすすめの職種を解説しています。これから一人親方になろうと考えている方にとって有益な記事になっていますのでぜひご覧ください。

まとめ:現場に入れない一人親方は社会保険に加入しましょう

本記事をおさらいします。

  • 社会保険未加入者の一人親方は現場に入れない
  • 一人親方が加入すべき保険は「健康保険」「労災保険」
  • 偽装一人親方とは、雇用契約にあるのに請負契約の一人親方として扱うこと
  • 偽装一人親方を指摘されると現場に入れなくなる
  • 偽装一人親方はデメリットが多い

今回お伝えしたように、社会保険に入ることで多くのメリットを得られます。

怪我や病気をしたときのことを考えて、労災保険と国民健康保険には必ず入るようにしましょう。

これから一人親方になる方も同様ですので注意してくださいね。

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