「一人親方は従業員を雇えるの?」

「雇えるならメリット・デメリットを知りたいな」

「手続きはあるのかな?」

 

上記のお悩みを解決する記事です。

 

結論: 一人親方でも従業員を雇えます

 

しかし、一人親方が従業員を雇う場合、さまざまなメリットとデメリットがあります。

 

そこで本記事では、一人親方が従業員を雇うメリット・デメリットと、雇用する際の2つの手続きについてお伝えします。

 

最後まで読むと、一人親方が従業員を雇う際に困らなくなります。

ぜひ最後まで読んで、従業員を雇うかどうかの判断材料にしてみてください。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。

目次

一人親方が従業員を雇うメリット

一人親方が従業員を雇うメリットは下記のとおり。

  • 生産性の向上
  • 事業の拡大
  • 優遇処置の対象となる
  • 人材育成や事業拡大につながる

1つずつ見ていきます。

生産性の向上

一人親方が従業員を雇うことで、事務作業や単純作業を任せられます。

これにより、一人親方は本来の業務に集中できるので生産性の向上が期待できます。

例えば、従業員に図面の作成や書類の作成などを任せることで、一人親方は現場監督や施工に専念できます。

従業員を増やせば、複数の工事の同時進行も可能です。

事業の拡大

一人親方が従業員を雇うことで、事業の拡大が期待できます。

従業員を増やすことで、受注できる仕事の量が増えるからです。

一人では請け負えなかった仕事も受けられるようになり、遠方の出張にも対応できるようになるかもしれません。

また、新たな事業にもチャレンジできる可能性もあります。

優遇処置の対象となる

従業員を雇うことで、公共工事の入札や融資などの優遇処置を受けられる場合があります。

例えば、国や地方自治体が発注する公共工事では、従業員を雇用している事業者を優先的に選定する可能性が高くなります。

また、金融機関から融資を受ける際にも、従業員を雇用している事業者の方が有利な条件で融資を受けられる場合があります。

人材育成や事業改善に繋がる

従業員を雇うことで、人材育成の機会を得られます。

例えば、従業員に一人親方のスキルや経験をしっかりと伝えて腕の良い職人を育てたり、事務作業を担当してもらうことで業務改善にもつながります。

職人の腕が上がれば会社の評判も良くなるので、仕事獲得の機会が増える可能性もありますね。

また、従業員とのコミュニケーションを重ねることで、事業方針の見直しや新たなアイデアを得るきっかけにもなるでしょう。

一人親方が従業員を雇うデメリット

続いて一人親方が従業員を雇うデメリットをご紹介しますね。

手続きが必要

従業員を雇うには、さまざまな手続きが必要になります。

具体的には、以下の手続きが必要になります。

  • 雇用契約書の作成
  • 労働基準監督署への届出
  • 社会保険への加入
  • 税務署への届出

これらの手続きには、時間や費用がかかるためデメリットになってしまいます。

責任が増える

従業員を雇うことで、労働基準法などの法律を遵守する義務が生じます。

具体的には、以下の義務が生じます。

  • 労働時間の制限
  • 休憩時間の確保
  • 最低賃金の支払い
  • 安全配慮義務の履行

つまり、従業員の管理が必要になるので、自分のことや現場のことだけ考えれば良いというわけにはいかないということですね。

従業員の退職リスク

従業員を雇うことで、従業員の退職リスクが発生します。

例えば下記が考えられます。

  • 仕事が追いつかなくなる可能性がある
  • 新たに従業員を雇う必要がある
  • 退職手続きが必要になる

特に、多くの仕事を受注していた場合、従業員の退職によるデメリットは大きくなると言えるでしょう。

しかし、迅速に新たな従業員を探し引き継ぎを行うことで、ある程度は対処できる可能性があります。

従業員の各種保険の加入手続き

一人親方が従業員を雇う場合雇用保険、労災保険、社会保険の3つの社会保険への加入が必要です。

どんな保険なのかそれぞれ解説します。

雇用保険

雇用保険は、労働者が失業した場合に給付を受けられる保険です。

雇用保険に加入するには、雇用保険被保険者資格取得届を、従業員の住所地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に提出します。

雇用保険被保険者資格取得届には、従業員の氏名、生年月日、住所、入社日などの情報を記載します。

また、雇用保険料の算定基礎となる報酬の額も記載する必要があります。

労災保険

労災保険は、労働者が業務上または通勤途上で負傷・疾病・死亡した場合に給付を受けられる保険です。

労災保険に加入するには、労災保険被保険者資格取得届を、従業員の住所地を管轄する労働基準監督署に提出します。

労災保険被保険者資格取得届には、従業員の氏名、生年月日、住所、入社日などの情報を記載する必要があります。

社会保険

社会保険は、健康保険・厚生年金保険の総称です。

【健康保険】

  • 労働者が病気やけがで療養する際に給付を受けられる保険。

【厚生年金保険】

  • 労働者が老齢や障害、死亡した場合に給付を受けられる保険。

社会保険に加入するには、健康保険・厚生年金保険適用事業所設置届を、従業員の住所地を管轄する社会保険事務所に提出します。

健康保険・厚生年金保険適用事業所設置届には、事業所の名称、所在地、事業内容、従業員の氏名、生年月日、住所、入社日などの情報も記載する必要があります。

労務関連の手続き

従業員を雇う際には、労働条件の通知、雇用契約の締結、36協定の締結、就業規則の届け出、給与計算の準備などの労務関連の手続きも必要です。

労働条件の通知

労働基準法第15条では、使用者は、労働契約の締結に際し、労働条件を明示しなければならないと定められています。

  • 労働時間
  • 契約期間
  • 就業場所
  • 業務内容
  • 賃金
  • 休日・休憩
  • 給料に関する事項

などの内容が含まれ、書面には労働基準法で定められた事項をすべて記載しなければなりません。

雇用契約の締結

雇用契約とは、労働者と使用者の間に結ばれる契約のことでです。

具体的には、従業員が行った仕事の対価として給料を支払うことを指します。

雇用契約には、労働条件や労働者の義務、使用者の義務など労働基準法で定められた内容が含まれます。

雇用契約は口頭でも締結できますが、雇用契約書を発行するのが望ましいでしょう。

雇用契約を締結したという証明になるからです。

また、雇用契約書は一人親方と従業員のものをそれぞれ用意してください。

36(サブロク)協定の締結

36(サブロク)協定とは、労働時間の上限を超えて労働させることを認める協定です。

原則として時間外労働の上限は「月45時間、年360時間」と定められています。

36協定は使用者と労働者の代表とが締結し、作業場の見やすい場所への備え付け、書面の交付などの方法により労働者に周知する必要があります。

就業規則の届け出

就業規則とは、労働条件や労働者の義務、使用者の義務などを定めた規則です。就業規則は、労働基準法で定められた事項をすべて記載する必要があります。

就業規則を作成したときは、労働基準監督署に届け出なければなりません。

給与計算の準備

従業員を雇う際には、給与計算の準備も必要です。

給与計算には、給与計算ソフトや会計ソフトを活用するのがおすすめです。

給与計算の効率化と、計算ミスを防げるからです。

給与計算ソフトにはさまざまな種類があり、機能や価格もさまざまなので自社の規模やニーズに合わせて選ぶことが大切です。

給与計算ソフトによってはデモや体験版が用意されていることもあるので、お試しで使用してから決めても良いでしょう。

まとめ:一人親方は従業員を雇える【分からない場合は専門家に依頼】

一人親方が従業員を雇う場合、メリットとデメリットをよく検討した上で従業員を雇うか決めることが大切です。

最終的には以下の点に注意して従業員を雇うか検討しましょう。

  • 事業の拡大を考えているか
  • 優遇処置を受けられるか
  • 手続きの負担を負えるか
  • 労働基準法などの法律を厳守できるか

初めて従業員を雇う一人親方にとっては手続きが難しいと感じるかもしれません。

もし、手続きがわからない場合は、専門家に相談することも検討しましょう。

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