外構とは、住宅の家周りの庭を含む全てを指し、駐車場やアプローチ、フェンス、植栽や芝張りなどの庭づくりを含みます。
そんな家づくりに重要な外構工事は、大工さん等ではできず、外構専門の職人が存在します。
そんな外構(エクステリア)職人になりたい方に向けて外構工事の主な仕事内容と、外構職人に向いている人の特徴などを紹介いたします。
未経験から外構職人として活躍したい方はぜひ参考にしてください。
静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。
目次
外構(エクステリア)工事の仕事内容は
外構工事とは、住宅以外の工事のことです。具体的には「駐車場」「ウッドデッキ」「コンクリートブロック」などの建設を外構工事(エクステリア工事とも言う)と言います。
ここでは外構工事を行う職人さんが、どんな仕事をしているのかについて解説していきます。
主な仕事内容を中心に紹介していきますので、参考にしてください。
※営業や施工管理の仕事内容も一部含まれます。
ブロック積み
外構職人の主な仕事として「ブロック積み」があります。
ブロック積みは隣接する住宅との境界や、道路との境界に建設することが多いのが特徴です。また最近では化粧ブロックと呼ばれるオシャレなブロックもあり、花壇やテラスに使用されることも。
外構職人はブロックを1つ1つ手作業で積んでいきます。重いコンクリートブロックを手作業で真っ直ぐに積んでいく必要があるので、力と正確さが求められる仕事です。
生コンクリート打設
「生コンクリート打設」も外構職人の主な仕事の1つです。
具体的には駐車場や駐輪場の土間コンクリートを作る際に必要な作業です。コンクリートを打設する際の仕事としては、地盤の掘削から砕石基礎工事、コンクリートを流し込む型枠造り、鉄筋メッシュ、コンクリートを流し込んだ後に必要なコンクリート仕上げ作業があります。
そのため外構職人は目的や敷地に合わせた型枠を組み、コンクリートを流しこむことから仕上げまでする必要があります。コンクリートを綺麗に仕上げるためには、熟練の左官技術が必要です。
カーポート設置
車を雨や雪から守る「カーポートの設置」も、外構(エクステリア)職人の仕事です。
基本的にはカーポートの仕入れから設置までを外構職人が請け負うことが多く、依頼者の要望に合わせたカーポートの提案を行うことが必要です。各メーカーの特徴やメリット、デメリットなどを把握することも外構職人の仕事になります。
また豪雪地帯では、雪の重みに耐えられるカーポートを設置しなければならないので、地域に合わせたカーポートの提案から設置まで行う必要があります。
テラス・ウッドデッキ設置
またテラスやウッドデッキの設置も、外構職人の仕事内容に含まれます。
テラスやウッドデッキもカーポートと同様に種類が豊富にあるので、メーカーや品番とその作り方への理解が必要になります。
テラスやウッドデッキは住宅の景観に大きく影響するため、景観を損わないようなテラスやウッドデッキを作ることが求めらるでしょう。
目隠しフェンス・境界フェンス設置
住宅の敷地内を囲むフェンスも外構職人の仕事です。
フェンスには「メッシュフェンス」や「目隠しフェンス」などがあり、住宅周辺の状況に合わせて最適なフェンスを設置します。フェンスは基礎から設置することもあれば、コンクリートブロックを基礎代わりに設置する場合もあります。
フェンスの設置箇所によってはフェンスを適切な長さに切断するといった加工が求められるでしょう。
外構職人に向いてる人とは?
外構職人の魅力や、外構職人に向いている人について紹介します。
外構職人に向いている人は下記のような方です。
- 体力があり正確性のある人(大雑把な性格の方は向いていない)
- 物造りが好きな人
- オシャレなエクステリアに興味を持っている人
- 遊び心を持っている人
体力があり正確性のある人
外構職人に最も必要なこととして「体力がある」ことがあります。
なぜなら外構職人は外仕事なので、天候に左右されることが多いからです。また掘削土やコンクリートブロック、金属の部材などを人力で運ぶこともあるため、体力があるというのは必要不可欠な要素です。
ただ体力があれば良いというわけでもなく、前述したように正確さや緻密さが求められる仕事でもあります。体力があり緻密な作業ができる方にはピッタリな職業でしょう。
物造りが好きな人
物造りが好きな人は、外構職人に向いていると言えるでしょう。
なぜなら外構職人は敷地内にある住宅以外の構造物を、全て造る仕事と言っても過言ではないからです。また同じ工事内容でも依頼者や住宅によって毎回異なる工事が求められるので「毎回違うもの作りたい」「お客さんの要望を汲み取った工事をして、満足して欲しい」と考えている方にピッタリです。
外構工事が完成する前と、完成した後では住宅の景観が全く異なり、外構工事が完了してようやく完成した実感を持つことが出来るでしょう。新築住宅の最後の仕上げを行うことで、依頼者からも感謝の言葉をもらえるのは外構工事の魅力です。
オシャレなエクステリアに興味を持っている人
またオシャレなエクステリアに興味を持っている人も、外構職人に向いている人と言えるでしょう。
なぜなら外構工事にはトレンドがあるので、最新のトレンドを取り入れた施工が求められるからです。また外構工事の部品を製造しているメーカーも、毎年新しい製品を提供しているため、最新の製品についての理解が必要になります。
そのためエクステリアに興味がある方や、エクステリアについて知ることが楽しいという方におすすめです。
遊び心を持っている人
遊び心を持って仕事ができる人も、外構職人に向いていると言えるでしょう。もちろん、お施主様の価値観に合わなければいけませんが、例えばコンクリート土間にオシャレな石を埋め込んだり、貝殻を埋め込んでみたりなどです。
住宅の景観を崩さない程度に遊び心を持って依頼者を満足させたいですよね。ただ依頼者の許可なく、アレンジを加えてしまうのはトラブルの原因になるので注意しましょう。基本的には設計士やデザイナーによるデザインの段階でのご提案とはなりますが、依頼者の理解を得た上で、遊び心のある施工ができれば、他の職人さんとの差別化ができるようになりますよ。
外構工事の職人の種類と求められる資格
ここでは外構工事の職人の種類と、外構職人に必要な資格について紹介していきます。
事前に知っておくことで、外構工事職人についての理解が深まるので参考にしてください。
主な外構職人の種類は?
外構職人の種類は下記の通りです。
- ブロック職人
- 左官職人
- タイル職人
- 型枠職人
- カーポートやフェンスなどのアルミ職人(金物職人)
各専門分野の職人が工事を行う場合もありますが、工事の規模によっては外構工事業者の職人さんが工事全てを自社で施工することもあります。
民間の住宅規模の外構工事であれば、各専門分野の職人には依頼せずに自社で抱えている職人で施工してしまうのが一般的でしょう。
ただ、企業や公共施設、マンション等で規模の大きい工事の場合は、各専門分野ごとの職人が、それぞれの専門分野の工事を行います。
外構職人に必要な資格とは?
外構工事において必須な資格は特にありませんが、あると良い資格は主に下記の通りです。
- エクステリアプランナー
- 土木施工管理技師
- 造園施工管理技師
- 登録エクステリア基幹技能
- 建築コンクリートブロック工事士
- ブロック塀診断士
外構職人が工事を行う際に必要な免許(技能講習・特別教育)は主に下記の通りです。
- 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)
- 玉掛け技能講習
- 小型移動式クレーン運転技能講習
- ローラーの運転の業務に係る特別教育
- 車両系建設機械(コンクリート打設用)の作業装置の操作の業務に係る特別教育
などがあります。
ただ、未経験から外構職人になる場合は、資格を所有していなくても補助者として手元作業から始めることが出来ます。
もちろん資格を有していれば就職しやすいだけでなく、収入がアップするといったメリットもあるので事前に資格を取得してから外構職人になるのも手段の1つでしょう。会社によっては資格取得支援を行っている会社もあり、会社のサポートを受けながら資格を取得した方がお得な場合もあるので注意してください。
まとめ
この記事では、外構職人に向いている人を中心に外構工事の仕事内容や、外構職人の種類について紹介しました。
外構工事と言っても造成などの土系の作業からコンクリート打設などの左官系の作業、石積みなどの石系の作業、フェンスやカーポートなどの金物系の作業などなど、仕事内容の幅が広いので、具体的にどんな仕事をしているのかイメージできなかった方も多いと思います。
この記事が未経験から一人前の外構職人を目指している方の参考になれば幸いです。