土木や外構の建設材料に使われるモルタル・コンクリート・セメントですが、それぞれの違いがよく分からないといった方もいるのではないでしょうか。
モルタル・コンクリート・セメントは混ぜ合わせる材料が異なり、それぞれ用途や強度に特徴があります。

この記事では

「セメント・モルタル・コンクリートの違いってなんだろう?」

「それぞれの作り方、用途や強度も知りたい」

そんな疑問を持った方のために、セメント・モルタル・コンクリートの違い、作り方、用途、強度を解説します。

高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。

目次


モルタル・コンクリート・セメントの違いとは?

土木業界

さっそくモルタル・コンクリート・セメントの違いを見ていきましょう。

セメントはモルタルとコンクリートの材料

モルタル・コンクリート・セメントは土木建築材料として使われています。
どれも水と混ぜ合わせると固まる特徴がありますが、大きな違いは「強度」にあります。

セメントとは…
水と混ぜて単体で使用されることもありますが、強度が低くひび割れやすいため主にモルタルとコンクリートの材料として使われています。

モルタルとは…
「セメント・砂・水を混ぜ合わせたもの」です。強度や柔軟性、防水性が高いため、門柱や門塀、外壁や土間のコンクリートの上塗りや補修にも使われます。
また、モルタルはコンクリートよりもセメントの配合量が多いため、値段が高いという違いもあります。

コンクリートとは…
モルタルの材料に砂利を加えたものです。装飾性は低いですが、強度が高いといった特徴を持っているので、建築物の基礎や構造部分に使われます。

セメントの作り方と用途

セメントの作り方

セメントの主材料は「石灰石」です。
その石灰石と粘土を焼いて作った「クリンカ」と、「石膏」を混ぜて焼き粉末状にしたものがセメントです。

日本で販売されている7割のセメントは「普通ポルトランドセメント」と呼ばれています。
その他にはゆっくり固まる「高炉セメント」、早く固まる「早強ポルトランドセメント」などがあります。

普通ポルトランドセメントが多く使われている理由は、万能性が高く広い範囲で使えるからです。

セメントの用途

セメントは、水と混ぜ合わせると固まる特徴を持っています。
また、セメントと水を混ぜ合わせたものを「ノロペースト」と呼びます。
固まりやすくひび割れやすいため、そのまま構造物の柱や壁に使われることはありません。主にコンクリートやモルタルの材料に使われています。

その他には、コンクリートやモルタルで作った構造物の補修、タイルやレンガの接着や目地などに使われています。

コンクリートやモルタルは固まってからしばらくすると、劣化によりひび割れが発生することがあります。
その小さなひび割れを補修するには、細かい粉末でできたセメントが適しています。

モルタルの作り方と用途

次にモルタルの作り方と用途について解説します。

モルタルの作り方

「セメント・砂・水」を混ぜ合わせたものがモルタルです。
一般的なモルタルは、「セメント1kg:砂3kg」の割合で混ぜ合わせ水を加えます。
しかし用途によって割合は変わり、砂を多めにすることもあります。

また配合する順番は、最初に砂とセメントを混ぜてから水を足して硬さを調節するのが正解です。

現場でモルタルを作る際は、船という容器に材料を加えて桑やスコップで混ぜる方法と、モルタルミキサーに材料を加えて混ぜ合わせる方法があります。
モルタルミキサーは一度に大量に作れる、かつ効率よく混ぜ合わせられるので、住宅の外構工事など、小規模な工事現場ではよく使われている機械です。

モルタルの用途

モルタルは主にコンクリート壁の上塗り・補修、レンガの下地や目地などに使われます。
ひび割れや振動、耐火性に強いため広い用途に使われるのが特徴です。
固まると防水性に優れているモルタルですが、外壁に使うときなどは防水材や防凍剤を使い、雨や雪による濡れにさらに強くさせることもあります。

コンクリートと違い装飾性が高いため、左官工事としてコテやシーラーを使って、様々なデザインで壁や柱を仕上げることができます。
コンクリート打設後の仕上げ、段差埋め、穴埋めにも使われています。

厚く塗る際には「ラス網み」という網を張ってその上にモルタルを塗っていきます。
そうすることで、剥離防止やダレを防ぐことができます。
塗った部分が乾燥すると高さが低くなるため、2回、3回と塗ることもあります。

また販売店に売られている「樹脂モルタル(セメントではなくレジンを使用)」という材料は、さらに細かい部分の穴埋めや仕上げ材に使われています。

まとめ:モルタル・コンクリート・セメントの違いを理解して現場で活かそう!

この記事では、モルタル・コンクリート・セメントの違いや使用用途を記載しましたが、最後に簡単に下記の取りまとめます。

  • セメントはモルタルとコンクリートの材料として使われるのが一般的。
  • モルタルは粗骨材(砂利)が入っていないため、きめ細かく装飾性が高い。
  • コンクリートは主に生コンクリート製造業者で作られる。強度が高いが引っ張る力に弱いため鉄筋コンクリートとして使用される。

このように、モルタル・コンクリート・セメントの違いが分かったかともいます。
土木業はもちろん、外構業や造園業もモルタル・コンクリート・セメントはよく使用します。
必ず、違いと使用用途を理解して、作業に活かしてください。

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