日本にも自生するニシキギ科の常緑樹で、生垣として普及している。
様々な品種があり、近年ではキンマサキやオウゴンマサキといった葉色の明るいものが人気。丈夫ではあるが、ミノウスバによる食害に注意が必要。
基本データ
- 分類
- 庭木-生垣
- 学名
- Euonymus japonicus
- 科・属名
- ニシキギ科 ニシキギ属
- 別名
- フユシバ、シタワレ
- 草丈・樹高
- 2~6m
- 栽培可能地域
- 北海道南部以南
- 花色
- 白
- 開花期
- 6月から7月にかけて
- 結実期
- 11月から1月にかけて
- 耐暑性 / 耐寒性
- 耐暑性:高い 耐寒性:高い
生垣に適した常緑樹で、葉色も様々
日本にも自生する常緑樹で、大気汚染に強い
マサキは日本全国や中国を原産とする常緑樹で、成長スピードの早さや刈り込みに対する強さから、生垣として人気があります。
潮風や排気ガスに耐性があり、土質を選びません。
樹高は2~6mほどで、上方向に向かって伸びる性質が強いのが特徴です。ただし、横方向への広がりは少ないためシンボルツリーには向かず、生垣にするにも数が必要になります。
様々な種類がある園芸品種
通常のマサキは濃い緑1色のシンプルな姿をしており和風住宅との相性が良いですが、洋風住宅にマッチしやすい班入りやカラーリーフの品種も存在します。
新芽の美しさが特徴的なオウゴンマサキや、黄色と緑のコントラストが印象的なキンマサキなど、より明るい雰囲気を持つ品種が人気です。
丈夫だが病害虫には注意が必要
マサキは丈夫な庭木ではありますが、病害虫の被害を受けやすいので注意が必要です。
特に、ミノウスバと呼ばれる毛虫はあっという間に葉を食べ尽くしてしまいます。この害虫は小さいうちから葉を食べ始めるため、その姿に気づかず、いつの間にか被害を受けているということも珍しくありません。さらに成虫になると、マサキの葉に卵を産み付けます。ミノウスバを見つけたら、殺虫剤をまんべんなく散布しておきましょう。対処が遅れるとすぐに被害が広がります。
ミノウスバ以外にも、マサキが被害を受ける害虫がいくつか存在しますが、それらは後ほど紹介します。
葉や実は食べると危険
マサキは初夏になると白い花弁が4つの小さな花を咲かせ、それが終わると実をつけます。実が熟すのは11月頃で、実から飛び出す種子の赤色がとても美しいのが特徴です。
一見綺麗で「食べられるのでは?」と思われるかもしれませんが、マサキの葉や実、樹皮には脂肪油が含まれており、これが下痢や嘔吐の症状を引き起こします。お子さんがいるご家庭では、誤って口にしないよう気をつけましょう。
日陰の雰囲気も変えてくれる庭木
生垣として楽しむ
やはりマサキの楽しみ方といえば、生垣としての利用です。
種類が多く、住宅やお庭の雰囲気にマッチした品種が見つかるでしょう。大気汚染等にも耐性があるため、道路沿いにも取り入れることができます。
挿し木で増やす
マサキは挿し木によって増やすことが可能です。6月頃にその年に伸びた枝から10~20cm程度を穂木として切り、水揚げを行います。
水揚げ後は十分に水分を含んだ土に挿し、直射日光の当たらない明るい場所で保管しましょう。この際、土が乾いてしまわないよう注意してください。
半日陰にもおすすめ
マサキにはある程度耐陰性があるため、日陰でも育てることが可能です。日陰は雰囲気が暗くなりがちですが、葉色の明るいカラーリーフの品種を取り入れることで、その印象を変えられます。
ただし日陰で育てる場合は、うどんこ病の原因となる風通しの悪さには注意が必要です。
マサキの育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
植え付けは、地植えと鉢植えどちらの場合でも、3月から4月中旬、9月中旬から10月中旬が適期です。土質をあまり選ばないため、市販されている培養土でも問題なく使用できます。
地植えの場合は苗よりも1回り大きい穴を掘り、掘り返した土に腐葉土を混ぜ込んで水はけを良くしましょう。鉢植えの場合は1回り大きい鉢を用意し、後は同様です。
植え付けや植え替えの際は、地植え・鉢植えともに有機質肥料もしくは緩効性化成肥料を元肥として与えます。
肥料
肥料は2月頃と9月頃に、油粕などの有機質肥料を与えます。地植えの場合は2月頃の寒肥だけでも問題ありません。
肥料が多すぎる場合、徒長枝が発生しやすくなってしまうため注意が必要です。
剪定
生垣にする場合は、年に2回の刈り込みが必要です。1回目は6月頃、2回目は9月頃に行います。1年に2回刈り込むことで、葉が密になりやすくなる上、うどんこ病の予防にもなります。
仕立て直しが必要になり、太い枝を剪定する場合は、3月から4月にかけての芽吹きやすい時期が良いでしょう。
病害虫
先程紹介したミノウスバに加えて、カイガラムシやユウマダラエダシャクに注意が必要です。どちらも初夏から秋にかけて発生しやすいため、時期が来たら入念にチェックするようにしましょう。
カイガラムシは成虫になると薬剤が効きにくく、ユウマダラエダシャクは放置すると葉を食べ尽くしてしまうため、できるだけ早く殺虫剤を散布しておくことをおすすめします。
また、マサキが発症しやすい病気としてはうどんこ病が挙げられます。うどんこ病は風通しが悪いと発生しやすくなるため、剪定によって混み合った枝を切り除いておくのが良いでしょう。
日当たり
植え付けから1年経っていない場合は、地植え・鉢植えともに水やりが必要です。
土の表面が乾いたらしっかり水を与えましょう。地植えのもので1年以上経過している場合は、長い間雨が降らない日が続かない限りは水やりは不要です。
水やり
植え付けから1年経っていない場合は、地植え・鉢植えともに水やりが必要です。
土の表面が乾いたらしっかり水を与えましょう。地植えのもので1年以上経過している場合は、長い間雨が降らない日が続かない限りは水やりは不要です。
熊本県の海と山に囲まれた田舎で育ち、幼少期からガーデニング好きの祖母を手伝う。高校時代には、音楽を中心に様々な芸術分野に興味を持つようになり、同時に自然の持つ面白さや奥深さに気づく。現在はライターとして活動し、多趣味を活かして幅広いジャンルで執筆。他にもカメラやデザインについて勉強中。自然に囲まれて暮らすのが1つの目標。