ジューンベリーの育て方・特徴

ジューンベリーの育て方と特徴

カナダ・アメリカ原産の落葉樹。サクラと同じバラ科で、春に花を咲かせ、食用になる実をつける。
アメリカザイフリボクという名前もあるが、6月に実が熟すことからつけられたジューンベリーの名前の方が通りが良い。

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基本データ

分類
庭木-落葉
学名
Amelanchier canadensis (L.) Medik
科・属名
バラ科ザイフリボク属
別名
アメリカザイフリボク、アメリカザイフリボク、アメリカザイフリボク、アメリカザイフリボク
草丈・樹高
6~10m
栽培可能地域
全国
花色
開花期
4~5月
結実期
6月
耐暑性 / 耐寒性
どちらも普通

ジューンベリーとは

ジューンベリーはカナダ~アメリカを原産地とするのバラ科の落葉樹です。
サクラが咲き終わるころ、芽吹きの前か同時に白い花を咲かせ、6月頃実をつけます。
日本にもザイフリボクという同じ仲間の木が自生しますが、そちらに比べて花びらが広く、花の咲くタイミングや実の熟す時期などが違うことで見分けられます。
育て方がそう難しくないためか、公園樹や庭木などでよく植えられ、園芸品種も多いです。

見て楽しい、食べておいしい、花木であり果樹でもある素敵な木

春から可憐な白い花を見て楽しみ、初夏に可愛らしい真っ赤な果実(直径7~10ミリ)をつけるまで、華やかなお庭にワクワクさせられますね。
ブルーベリーほどの大きさの実はほんのり甘くそのまま食べることもできます。
実が終わってからも夏の緑、秋には明るい黄色に染まる葉が楽しめます。
一年を通して様々な変化があり、まさにお庭を彩る樹木だと言えます。

おいしい実やきれいな花がつく

ジューンベリーの魅力はやはり食べられる実です。
甘酸っぱい実がとてもおいしく、ジャムとして使ったり、ケーキやタルトに入れて使ったりします。
実が熟すのは花が終わってすぐの6月頃で、ジューンベリーの名前もそこからきているといわれています。
また、サクラと同じバラ科なこともあって花がきれいなのも魅力的です。
葉っぱが芽吹く頃に花を咲かせるので、木全体が白く染まります。

品種がたくさん

花木であり果樹でもあるので、たくさんの品種が作り出されています。
代表的なのは実が他のものと比べて1.5~2倍くらいの大きさになる「バレリーナ」、花の色がピンクになる「ロビンヒル」などがあります。

ジューンベリーの実がなる時期

早い年には5月下旬から実がつくようですが、名前の通り6月に収穫時期を迎えます。
実が真っ赤な状態では少し酸味が強いため表面が赤黒く熟したら収穫しましょう。

ジューンベリーの種類

ジューンベリー・リージェント

●リージェントの特徴●
原産は北アメリカ東部~中部で、ジューンベリーの品種中で最小だと言われています。
玄関などでも育てられるほどコンパクト。
成木の樹高が1.5m程度で、こんもりと茂みのような樹形となります。
果実も甘みが強く改良された新品種で、色・形はブルーベリーによく似ています。
寒さや暑さにも強い品種で鉢栽培にも向いています。

基本データ
タイプ バラ科の耐寒性落葉低木
栽培可能地域 北海道南部~沖縄
開花時期 4~5月
収穫時期 6~7月
日照条件 日向または半日陰むき
栽培用途 庭木、花壇、鉢植え

ジューンベリー・ハニーウッド

●ハニーウッドの特徴●
病害虫に強く、潮風などにも強い丈夫な品種で初心者におススメです。
樹高が約3~4mほどですが、概ね3m程度でおさまります。
他のジューンベリーの果実は約10mm程度に対してハニーウッドの果実の大きさは13~15mm程と大きめ。
実はほんのり香りがあり、ジャムや果実酒などに利用して楽しめます。

基本データ
タイプ バラ科の耐寒性落葉中高木
栽培可能地域 北海道西部~九州
開花時期 4~5月
収穫時期 6月頃
日照条件 ※寒冷地では鉢植えの管理が適している
栽培用途 庭木、花壇、鉢植え

ジューンベリー・バレリーナ

●バレリーナの特徴●
バレリーナは花付き、実付きが良く、果実の大きさも径は約15mm前後と通常のジューンベリーよりも大きく果肉も柔らかくて甘みがあります。
花も他の品種より大きく、樹高が1mくらいから実をつけます。
枝が横に広がらないホウキ性の樹形で場所をとりません。
比較的暖地向きの品種で、病害虫に強く手間がかかりません。

基本データ
タイプ バラ科の耐寒性落葉高木
栽培可能地域 北海道南部~沖縄
開花時期 4~5月
収穫時期 6月
日照条件 庭木、花壇、鉢植え
栽培用途 日向または半日陰むき

ジューンベリー・ラマルキー

●ラマルキーの特徴●
ジューンベリーの中で最も一般的な品種です。
自然に樹形も整い、花付きもよく多くの実がなります。
実の大きさはジューンベリーの平均的な大きさで果実の直径約10mm程度で、色はブルーベリーに似ており、青紫色になったら収穫です。
そのままでも食べても良し、ジャムや果実酒でも楽しめます。

基本データ
タイプ バラ科の耐寒性落葉中高木
栽培可能地域 北海道西部~九州
開花時期 4~5月
収穫時期 6月
日照条件 日なた~半日陰、耐陰性普通、土壌酸度:弱酸性
栽培用途 庭木、花壇、鉢植え、シンボルツリー、記念樹、目隠し、花壇、街路樹

ジューンベリー・ロビンヒル

●ロビンヒルの特徴●
多くのジューンベリーは白い花ですが、ロビンヒルは珍しい品種で紅色の蕾から淡いピンクの花が咲き、全開すると白花になります。
すっきりとした樹形になりやすく、果実の大きさは10mmと平均的で、クセのない甘さでジャムやパイなどにも利用されています。
寒さには強いですが、夏期の乾燥にはやや弱いところがあります。

基本データ
タイプ バラ科の耐寒性落葉中高木
栽培可能地域 北海道西部~九州
開花時期 4~5月
収穫時期 6月
日照条件 日なた~半日陰、耐陰性普通、土壌酸度:弱酸性
栽培用途 庭木、花壇、鉢植え、シンボルツリー、記念樹、目隠し、花壇、街路樹

ジューンベリーの利用・楽しみ方

春から夏を彩る楽しみ方いっぱいの木

ピンクから白い花は約2センチ程度の大きさで、4月~5月の春本番の時期に咲きます。
品種によって多少の違いはあるのですが、若木の頃から花をつけます。
初夏には真っ赤な実をつけ、6月に収穫の最盛期を迎えます。
青々と葉が茂っていく中、白い花から赤い実、紫色の実と鮮やかに色を変えていきながら収穫という楽しみもあるジューンベリー。
コンパクトな樹形の品種なら鉢植えで楽しんだり、品種を変えて地植えでシンボルツリーとして育てていくのも楽しみですね。

花や実を楽しむ

ジューンベリーを植えたら、シンプルに花や実を楽しむことができます。
花はサクラが終わった晩春頃に咲くので、サクラと一緒に植えておけば春の間中ずっと花を楽しむことができます。
ちょっとサクラより花びらが細い感じで、独特な爽やかさというか雰囲気があり美しいです。
実もかわいらしく、熟していく様子は見ているだけでウキウキしてきます。

実を料理に使う

植えた者だけの特権として、実を存分に料理に使ってみるのが良いでしょう。
甘酸っぱい実なので、基本的にはデザートに使うのがおすすめです。
品種がたくさんあるので、大きな実がなる「バレリーナ」を中心に、いろいろ植えて食べ比べてみるのも楽しいです。
なんにせよ、ほとんどスーパーなどには出回らないので自分達だけが楽しめる実というのがたまりませんね。

他のバラ科の木と一緒に植える

ジューンベリー以外にも、バラ科で花や実を楽しむための庭木がたくさんあります。
どれも多くが春ごろに白、ピンク、赤などの花を咲かせるので、統一感を持たせつつ春に花でいっぱいになる素敵な庭になることでしょう。
代表的なものとしてはサクラ、ウメ、モモ、ボケ、カリンなどがあります。
ジューンベリー自体にもいろいろな品種があるので、植え比べてみても楽しいですね。
ただその場合、病気が発生するとそれぞれの木にも移る可能性があるので、そこだけ気を配るようにしましょう。

シンボルツリーとして楽しむ

ジューンベリーは、シンボルツリーとして欧米でも人気があります。
「庭木に最適な木」だといわれることも。
近年は日本での人気も高まってきており、お子様の誕生記念や家族お祝い事の記念に植えられる方も増えています。
育っていく木を見るたびに記念の思い出も胸に呼び起こされるでしょう。
またお子様の誕生の記念とあれば、毎年誕生日に一緒に写真を撮ることもできますね。
「あなたが生まれた記念に植えたんだよ」と言われたら誰もが喜んでくれるでしょう。
ジューンベリーの花言葉は「穏やかな笑顔」「穏やかな表情」。
白い花を家族で眺め、赤い実を収穫する思い出が積み重なって、穏やかな日々の暮らしが続くよう見守ってくれる存在となったら嬉しいですね。

庭木として楽しむ

ジューンベリーの和名は(アメリカザイフリボク)です。
その名の通りアメリカ・カナダの標高200m以下の低地に広く分布しています。
ザイフリボク属の木ですが、このザイフリボク属は北米だけでなく、アジア、ヨーロッパなど北半球の温帯にも見られ、日本でも山地に自生しています。
ただ、ザイフリボク属には地域によって多様な品種がありますので、ジューンベリーはその中の一種となります。
欧米で人気の庭木だと前述でもご紹介しましたが、森や林で自然に育ったような飾り気のないナチュラルなイメージが魅力で、自然な樹形から和洋どちらのお庭にも馴染みます。
洋風な庭ではないから…と諦めてしまうのはもったいないかもしれません。
庭木の候補として一度検討してみるのはどうでしょう。
意外とお庭に馴染んできます。

ジャムや果実酒として楽しむ

日本でも花木として楽しめ実がなる木はいくつかありますが、代表的なものでは「梅」でしょうか?
梅も5~6月中旬に収穫された青梅を氷砂糖とホワイトリカーで漬けて熟成させ梅酒を作ることができますね。
スーパーなどでもよく氷砂糖や大きな保存瓶が販売されています。
ジューンベリーも梅酒と同じように氷砂糖とホワイトリカーで漬けて作ることができます。
また、ジャム作りはイチゴジャムを作るようなレシピでOK!
実をしっかりと水洗いしてから砂糖で煮詰めます。
種が硬いので煮詰めた後に裏ごしをすると滑らかなジャムになります。
収穫後にジャムやお酒の楽しみがあると実が成る時期がより待ち遠しくなりませんか?

ジューンベリーの育て方・管理方法

植え付け・植え替え

水はけがよく水もちが良い、西日の当たらない場所に植えましょう。
元肥として堆肥などの肥料を与えるとよいです。植え付け・植え替え作業は11月~3月の落葉期がおすすめ。

肥料

植え付け時に堆肥などの有機質肥料を与えるほか、11月~2月頃の落葉期に緩効性の化成肥料を与えるのがおすすめです。

剪定

剪定作業は11月~2月頃の落葉期か、花や実が終わった6~7月頃に行います。
樹高があまり高くなる木ではありませんが、実を収穫するなら管理しやすいように樹高は低めに抑えましょう。
樹形をきれいに整え、なおかつ実つきをよくするためには、枝を間引いて風通しを良くし、徒長枝を切って伸びすぎないようにするのが良いです。

病害虫

病気として目立つものはそこまでありませんが、「ごま色斑点病」には注意が必要です。
バラ科樹木がかかる病気で、葉っぱに赤黒い斑点ができます。
木を枯らすほどのものではありませんが、たくさん発生すると流石に少し樹勢が弱くなるのと、見た目の問題が発生します。
発生した場合、斑点の出ている葉っぱを取って焼却処分し、必要であれば発生を抑えるための薬剤を散布します。
生垣にカナメモチがよく使われる地域などでは大発生していることがあるので、周囲の庭木を注意してみるようにしましょう。
害虫は、「モンクロシャチホコ」という毛虫の被害が多いです。
こちらも木を枯らすほどのものではありませんが、葉っぱをたくさん食べてしまいます。
また、毒はありませんが見た目的に完全に毛虫なので、不快に思う人も多いでしょう。
直接取って駆除するか、薬剤で対処すると良いです。

日当たり

日なた~半日陰で育ちます。
基本的には日当たりのよいところに植えるのがよいでしょう。

水やり

植え付け後以外は特に気を使う必要はありませんが、湿った土を好む木です。
夏などに土があまりに乾燥する場合は水やりをすると良いでしょう。

出典(引用元)

日本樹木医会
「樹木医必携」
村越邦弘監修
「庭に植えたい樹木図鑑」
佐藤勇武監修
「庭木・花木の手入れと剪定」
ブティック社
「増補改訂版 実用庭木図鑑」

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 瀬尾一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。

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