基本的に会社員なら誰でも定年を迎えると定年退職して老後の生活を送ることになりますが、定年退職後は、いわば定年退職によって失業したとも言えます。それなら、失業保険を受け取ることができるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
失業保険を受け取ることができたなら、老後の生活のために仕事を見つけるという選択肢も生まれます。それでは、定年退職後でも失業保険を受け取ることができるのか解説します。
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。
ライター歴8年以上の中里 涼子です。 引っ越しや不動産投資、美容、医療、クレジットカード、ビジネス、ペット、株式投資、食品、健康、占い、住宅、宝くじ、防犯、リフォーム・リノベーション、ダイエットなどの多種多様なジャンルの記事を執筆しております。
目次
定年退職後の受給条件/手続き
失業保険は基本的に様々な理由によって失業した人が再就職するまでの生活をサポートする制度です。大前提となるのは失業保険が適用されている事業所で雇用され、31日以上で週に20時間以上雇用される場合は失業保険への加入が義務付けられるのでアルバイトもパートも失業保険を受け取ることができます。
ただし、65歳で定年退職を迎えた人は失業保険を受給することはできません。何故なら、失業保険が受給される最低条件は、被保険者が65歳未満の時だからです。65歳未満で定年退職した場合は失業保険の対象になりますが、それでは定年退職後はどうすればいいのか気になりますよね。
そこで活用できるのが、高年齢求職者給付金の存在です。それでは、失業保険の受給条件や高年齢求職者給付金についてご説明しましょう。
失業保険を受給する条件
失業保険の受給条件は、以下の通りです。
- 離職日以前の2年間に失業保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること
- 積極的に就職しようとする意思があること
- いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があること
- 積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと
要約すると、再就職したいという明確な意欲があり、今後も問題なく働けるほどの健康体であるにもかかわらず就職できない人が対象となります。もちろん再雇用されることが確定している場合は受給対象になりません。
失業保険で給付される金額
失業保険で給付される金額は、失業した日より前の賞与を除く6ヶ月分の合計を180で割り出した時の賃金日額の、およそ50%~80%です。ただし、60歳~64歳で失業した場合は、45%~80%の日額となります。
失業保険が給付される日数
失業保険が給付される日数は、雇用保険の被保険者だった期間によって変わります。10年未満であれば90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日となります。なお、受給期限は失業した日の翌日から1年間です。
失業保険の受給手続き
失業保険を受給する手続きを行う際に必要なものは、以下の通りです。
- 雇用保険被保険者離職票
- マイナンバーカードや通知カードを初めとする個人番号確認書類
- 運転免許スポートなどを初めとする身元が確認できる書類
- 2枚の証明写真
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳、あるいはキャッシュカード
以上を用意したら、現住所がある地域を管轄するハローワークに行って、求職申込みと雇用保険被保険者離職票を窓口で提出しましょう。再就職する意思を示し、離職理由が自分の認識と間違っていないかを確認したら、受給資格があると認められて雇用保険説明会の日時が案内されます。
雇用保険説明会は基本的に1週間後に行われ、説明会の中で指示される失業認定日まで求職活動をしなければなりません。失業認定日を迎えたら失業認定報告書を提出した後、何も問題が無ければ失業給付金が給付されます。
失業給付金が給付されても安心することなく、次に再就職できるようになるまで頑張りましょう。
定年退職後なら高年齢求職者給付金
定年退職後は失業保険の対象にはなりませんが、代わりに高年齢求職者給付金の対象になるのでこちらを申請しましょう。なお、高年齢求職者給付金の受給条件は、以下の通りです。
- 失業した日より前の1年間に賃金支払い基礎日数が11日以上の月が6ヶ月以上ある
- いつでも就職できるのにもかかわらず、職を探しても就職できない「失業の状態」にある
定年退職を迎えてもまだまだバリバリ働けるという人もいるので、再就職を目指したい人は高年齢求職者給付金を受給してもらうのがおすすめです。
なお、給付される金額は失業保険と同じ計算で算出されるものであり、失業保険で給付される金額は、失業した日より前の賞与を除く6ヶ月分の合計を180で割り出した時の賃金日額の、およそ50%~80%です。ただし、60歳~64歳で失業した場合は、45%~80%の日額となります。
ただ、高年齢求職者給付金は失業保険と同様に雇用保険の被保険者だった期間によって変わりますが、1年未満であれば30日、1年以上なら50日となるため、給付日数が短いので注意が必要です。
再就職手当をもらう方法もある
失業保険ではなく、再就職手当をもらう方法もあります。再就職手当とは受給条件を満たした場合、次の職場でなるべく早めに働いてもらうための手当で、定年退職御でも失業手当を受け取ることができます。失業保険が全額給付されるよりも、早めに再就職することができれば賃金と一緒に再就職手当が給付されるのでトータルで見れば多くの収入が得られることになるでしょう。
退職後に休養したい場合は
退職した後はすぐに再就職するのではなく、しばらく休養したい人もいるでしょう。その場合でも、以下の条件を満たすことで給付されます。
- 60歳以上であること
- 失業した日の翌日から2ヶ月以内に申請すること
- 就職を希望しない期間は1年が限度
以上の条件を満たすことで再就職活動をしない分の期間が延長されます。なお、再就職活動を始める時はハローワークに雇用保険被保険者離職票と受給期間延長申請書を提出することになります。
まとめ
失業保険が受け取れるのは65歳未満なので、流石に定年退職後は給付金を受け取ることができません。ただ、再就職手当や高年齢求職者給付金などは定年退職後でも給付されるので、条件を満たしているかどうかチェックして手続きを行いましょう。