「建設業で独立ってできるの?」
「年収はどれくらいなんだろう…」
「稼げないなら辞めたほうがいいかな」
「開業資金はいくらあればいいの?」

こんな疑問や悩みをもつ方のための記事です。

まず、建設業で独立は可能です!建設業は比較的独立しやすい業界です。

とはいっても、年収はどれくらいになるのか、やっていけるのか気になりますよね。

結論から言うと、建設業で独立した場合の年収は様々です。

理由は、稼ぎやすい業種と稼ぎにくい業種があるからです。

そこで今回は、建設業で独立した場合の年収、稼ぎやすい業種、稼ぎにくい業種、開業資金や運転資金についてもお伝えしていきます。

高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。

目次

建設業とは?それぞれの業種と稼げる業種

色んな色の作業服を着た人

建設業とは、住宅、マンション、ビルや、道路、橋、鉄道、ダムなどの構造物を作る仕事です。

つまり、人が快適安全に生活するために必要なものを作る仕事ということですね。

【建設業は29種類に分かれる】

建設業は全部で、以下の29種類あります。

  • 土木一式工事
  • 建築一式工事
  • 大工工事
  • 左官工事
  • とび・土木・コンクリート工事
  • 石工事
  • 屋根工事
  • 電気工事
  • 管工事
  • タイル・れんが・ブロック工事
  • 鋼構造物工・鉄筋工・舗装工事
  • しゅんせつ工・板金工事
  • ガラス工事
  • 防水工事
  • 内装仕上工事
  • 機械器具設置工事
  • 熱絶縁工事
  • 電気通信工事
  • 造園工事
  • さく井工事
  • 建具工事
  • 水道施設工事
  • 消防施設工事
  • 清掃施設工事

どの業種で独立するかが非常に重要になります。

一般的に会社員時代の専門職で独立することがほとんどです。

自分がどの分野が得意なのか把握しておきましょう。

今回はこの中から、稼ぎやすい職種の仕事内容と平均年収を見ていきます。

独立する際の参考にしてみてください。

なお、年収に関しては
「平均年収.jp」
「求人ボックス」

のデータを参考にしています。

塗装

塗料を壁や柱に吹き付ける、塗る、貼り付ける仕事です。

需要が高いのと、覚えることも難しくないため稼ぎやすい業種です。

作業範囲は広く、住宅の壁や、ビルやマンションの柱などをがあります。

平均年収は「約310万円」となっています。

ただ色を塗るだけでなく、錆止めや防水の効果もあるので、新規工事だけでなくリフォーム工事も多い職種です。

足場/とび

足場/とびは、足場の組立て、機械器具や資材の運搬配置、鉄骨等の組立て、くい打ち、くい抜き、土砂等の掘削、盛上げ、締固めなど、建設物を作る際に必要なものを準備する仕事です。

平均年収は「約424万円」となっています。

足場の設置、鉄骨などの資材は、建設現場では欠かせないものです。

運搬も必須になるため、需要が高く稼ぎやすい職種です。

大工

木材の加工又は取付け、工作物に木製設備を取り付ける工事を指します。

型枠工事や造作工事も大工に分類されます。

平均年収は「約356万円」となっています。

ビルやマンションなどの大型施設を作る工事が続いている昨今では非常に需要があるので、仕事が全く無いということはないでしょう。

内装

木材や石膏ボードの設置、壁紙、カーペットなどを貼る仕事です。

建物内部を作る仕上げ工程で活躍する職種です。

平均年収は「約429万円」となっています。

新規工事だけでなくリフォーム工事も豊富にあるため、需要は高く稼ぎやすい職種です。

設備組み立て

設備の仕事は、電気工事、管工事、機械器具設置工事、空調設備、など様々です。

例えば、電気工事なら建物の照明や配線の設置。

管工事は水道設備。

機械器具設置はプラント設備や発電設備など大型のもの。

空調設備は冷暖房などの設置です。

年収は「約438万円」となっています。

ビルや住宅には必須となる設備なのと、修繕工事も豊富にあるため需要が高く稼ぎやすい仕事です。

外構

外構工事は、住宅やビルの外側に必要な物を設置する仕事です。

設置する物は主に、生け垣、植栽、門、フェンス、カーポート、物置などがあります。

同じような言葉で使われるものに「エクステリア」があります。

平均年収は「約400万円」となっています。

見栄えだけでなく、住む人や利用する人が快適に生活できるような物が多いため、住宅工事から公共工事まで幅広く活躍できる業界です。

工事単価が高いのも稼ぎやすい理由の1つです。

解体

壁や柱など、コンクリートやボード類など、構造物をを取り壊す仕事です。

現代ではショベルカーなどの重機を使って取り壊しを行います。

平均年収は「約404万円」となっています。

住宅、ビル、マンションなど幅広く関わるのと、近年では建物の老朽化による取り壊しが増えているため、仕事の多い業界です。

稼ぎにくい業種

反対に稼ぎにくい業種は「タイル職人」です。

最近では、住宅、ビルやマンションもタイルを設置することが減ってきているからです。

タイル工の平均年収は「433万円」となっています。

建物の老朽化により、タイルの張替えを行う補修工事が増えているので、今後は需要が高くなるかもしれません。

建設業で独立するために必要な準備

フロー図

独立するために準備することは以下のとおり。

  • 知識・経験を積む
  • 資格の取得
  • 開業資金、事務所
  • 開業届、許可の申請
  • 集客、元請けなどからのルートを確保

1つずつ順番に解説します。

下準備として、企業で働き知識や経験を積む

建設業者で働いて知識を蓄え、実務経験を積んでから独立しましょう。

中途半端な知識と経験では、独立してもお客さんに信用してもらえないからです。

まず自分の得意分野を作ることが最優先です。

現場で知り合った業者と積極的に交流し、人脈を築いていくことも重要になります。

資格を取得し、仕事に対する信頼を獲得

経験を積むだけでなく、専門分野の資格を取得しましょう。

お客さんは信頼できる業者を求めているからです。

いくら腕が良くても、資格があるのと無いのとでは、お客さんの信頼が全然違います。

中でも「施工管理技士」は独立するなら持っておいたほうが良いです。

権威性を持たせるためにも、資格は絶対に取得しておきましょう。

開業資金と事務所の準備

一人親方か、法人かで必要な資金や事務所は変わってきますが、「最低500万円以上」はほしいです。

自分がどういう経営方法で独立するかをイメージすることが大事です。

例えば、従業員数、請け負う仕事の量や規模などは重要です。

それにより事務所の大きさや、必要な開業資金などを設定しなければなりません。

まずは、およそでいいので、開業前に把握しておくことが大事です。

しかし、いざ開業したらイメージどおりに行かないこともあります。

社会情勢により、仕事が減ることも考えられますよね。

数ヶ月収入が無くても生活に困らないくらいの資金を貯めておくと、独立後に慌てないで済みます。

また、設備や仕入れに投資できるだけの資金を十分に確保しましょう。

開業届けや各種申請、許可を得る

独立の際には、開業するための書類を申請することになります。

個人事業なら「開業届」「青色申告申請書」を税務署に提出すればOK。

法人なら会社を設立することになるので「登記申請書」を提出します。

その他には、
「登録免許税納付用台紙」
「定款」
「発起人の決定書」
「設立時取締役の就任承諾書」
「設立時代表取締役の就任承諾書」
「設立時取締役の印鑑証明書」
「資本金の払込みがあったことを証する書面」
「印鑑届出書」
「登記すべき事項を記載した書面又は保存したCD-R」
が必要です。

建設業許可を取得するかも決めておく必要があります。

建設業許可を取得すると請負金額「500万円以上」の仕事を受注することが可能になります。

建設業許可の取得条件は、一般建設業、特定建設業でかわってきます。

詳しくは「建設業許可サポートセンター」をご覧ください。

人によって変わるので、事前に要件を確認しておきましょう。

集客、元請などから受注するルート確保

集客のためのルート、元請けから仕事を受注するためのルートを確保することが大切です。

なぜなら、開業してから仕事を探しても見つからない可能性があるからです。

すぐに仕事を受注するためには、先程もお伝えしましたが、会社員時代に人脈を築いておくことが大切です。

開業すると決めたら、まずは人脈をフルに活かし仕事を受注しましょう。

独立した場合の年収

札束を持つ手

建設業で独立した場合の年収は業種にもよりますが、「600万から1000万」くらいのようです。

しかし、独立した人が全員稼げるわけではありません。

毎年安定して稼げる保証は無いですし、請け負う工事の規模や仕事量にもよるからです。

自分の得意分野であれば早く仕事を回せるので、小さい工事でもそれなりに稼げる可能性があります。

さらに上を目指すのであれば、まず建設業許可を取得して法人化すること、元請けに近い仕事を請け負うことです。

後に元請けとして直接契約できるようになると、年収1000万円も達成しやすくなります。

いずれにしても、他の業者より稼ぐためには、信用を勝ち取ることです。

信頼を得るには、資格取得はもちろんですし、
「事故を起こさない」
「スピーディーに作業する」
「要望にきちんと答える」
などを意識して、実践していかなければなりません。

上記のことが実践できれば、徐々に仕事が増えていき高年収も目指せるでしょう。

建設業で独立後のリスク対策

摩天楼を見上げる人

建設業で独立後、全く仕事が無い可能性があります。

知り合いからの仕事だけでは頭打ちになることも考えられます。

そのことを見越して、自社のホームページを作り周りにアピールすると良いです。

最初は慣れないかもしれませんが、現代ではWEB集客で新規顧客を増やすことはとても重要です。

できればすぐにホームページを作ると良いでしょう。

仕事を行い実際に入金されるのは、翌月または翌々月になります。

入金前に手元にお金が残っていないと、仕入れ・設備費などの支払いに追われ黒字倒産する可能性もあります。

先程もお伝えしましたが、仕入れや設備投資できるだけの資金を持っておく必要があります。

人手不足の場合、業務の一部を家族にお願いしたり、業務委託するのも手です。

例えば、経理だけでも任せられれば社長の負担はかなり軽減できるので、考えてみるのも良いでしょう。

建設業の独立でよくある失敗とは?

顔を覆い絶望する人

建設業でよくある失敗は以下です。

  • 営業力が無い
  • 経理ができない
  • 会社経営の崩壊

【営業力が無い】
よくあるのが現場で仕事はできるのに、営業ができなくて失敗するパターンです。

当然ですが、経営者になれば自分で仕事を取ってこなければなりません。

しかし「営業の仕方が分からない」では仕事は0です。

仕事ができなければ独立した意味がありませんよね。

必ずインターネットや本で「営業」を学びましょう。

【経理ができない】
独立するなら、経理業務は必須です。

事務所の家賃、仕入れ、従業員の給料など、毎日のようにお金は動いています。

経理ができないと、収益を伸ばせません。

ですので、こちらもインターネットや本で勉強する必要があります。

【会社経営が崩壊する】
従業員の裏切りや、ケンカなどのトラブルで仕事が回らなくなるパターンもあります。

従業員が社長についてこないと経営は成り立ちません。

従業員が離れていくと、規模の縮小をするしかなくなります。

せっかく仕事はあるのに、会社内部のゴタゴタで倒産してしまってはもったいないので、必ず「マネージメント」を勉強するようにしましょう。

まとめ:建設業で独立した場合の年収【全員稼げるはありません】

手前に花、奥にビル群

今回は、稼ぎやすい建設業、独立した場合の年収、必要な準備、リスク対策、よくある失敗をお伝えしました。

最後にまとめると

  • 稼ぎやすいのは「塗装」「足場/とび」「大工」「内装」「設備」「外構」
  • 稼ぎにくいのは「タイル職人」
  • 開業前に企業で働いて知識を得る、経験を積む。
  • 開業資金は最低500万円。
  • 開業に必要な申請書類を把握する。
  • 建設業許可を申請するか決める。
  • 仕事を確保するためのルートを作る。会社員時代に人脈を築いておくのが大事。
  • 独立した場合の年収は、600万から1000万円だが、全員が稼げるわけではない。
  • 年収を上げるには信頼を得ることが大事。
  • ホームページを作成してWEB集客する。
  • 報酬が支払われるのは翌月か翌々月。黒字倒産しないように、仕入れや設備費を確保する。
  • 営業力、経理、マネージメントも勉強する。

大事なのでもう1度言いますが、
「独立したら高年収になれるというわけではありません。必ず稼げるようになるとも限りません」

このことを踏まえた上で独立するようにしましょう。

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