「造園の道具ってどんなものがあるの?」
「造園の道具の使い方をしりたい」
「造園道具を購入する際の参考にしたい」
造園業界で働いている方にとって、道具はとても重要ですよね。
造園の道具は基本的な道具から、あると便利なものまで様々です。
そこで今回は、造園の作業内容である剪定と石工事に必要となる基本道具とレベルアップ道具の紹介、使い方までお伝えします。
造園の道具を購入する際の参考になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。
目次
そもそも造園とはどんな仕事?
造園とは、庭園などの空間を造ることです。
人工的な材料だけではなく、植物や水などの自然素材、石などの鉱物資源を使い空間を整えていくのが特徴です。
造園業の仕事内容は、庭園空間のデザインや維持・管理、資材の仕入れなど多岐に渡ります。
具体的には、庭に木を植える植栽業務、植木の手入れをする剪定業務、石やレンガを使い景観を整える石工事などがあります。
その造園工事の範囲は幅広く、住宅の庭だけでなく、公園、街路樹、ビル、工場、テーマパークのような施設まで請負います。
造園の現場で基本的に必要な道具・工具10選!
それではまず、基本的に必要となる造園の道具や工具を見ていきましょう。
植木鋏
植木の刈り込みに使う小型の鋏です。バネが無いので長時間使用しても疲れずに作業をすることができます。
様々な植物に対応できるように刃合わせをしており、太さが約7mm〜8mmくらいまでの枝を切るのに適しています。
見た目は、刃が小さく手持ち部分が輪っかのようになっています。
大きさは20cm〜25cm程度、重さは200g〜250g程度が一般的です。
値段は2000円〜3000円程度です。
人によって手の大きさが違うので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
剪定鋏
庭木の枝を切るために使います。切れ味が鋭いため、植木鋏では切れない太めの枝も切ることが可能です。
自然に開くようにバネが入っており使いやすく、細い枝から太い枝まで切れるので、使用頻度の高い万能のハサミといえるでしょう。
刃が半月型で切断面が綺麗になるバイパスタイプと、弱い力でも切断できるアンビルタイプの2種類があります。
サイズは約20cmほどのものが多く、重さは200g〜250gほどです。
2000円〜3500円ほどで購入できます。
植木鋏同様、自分の手の大きさに合うものや、長時間使用するときは軽めのものを選ぶのがおすすめです。
バネの強いものは手が疲れやすいので、握力に自信がない方はバネが弱めのものを選びましょう。
両手鋏(刈り込み鋏)
庭木の全体的な見た目を整えるための、両手で扱う大型の鋏です。伸びすぎた枝や枯れ木などの、細かい部分を切るのに使います。
見た目を整えるだけでなく、必要な部分に栄養を行き渡らせるためにも使用されます。
見た目は50cmほどの小さめのものから、100cmほどの大きなものまで様々です。そのため重量も500g〜1kgほど幅広く、使用用途や体の大きさによって使い分ける必要があります。
グリップが滑りにくい素材のもの、軽量のものなら女性にも扱えるでしょう。
小さめのもので2000円〜3000円ほど、大型のもので6000円ほど。
錆びにくいステンレス製刃がおすすめです。
高枝剪定鋏
手の届かない場所にある枝を切るための鋏です。手動と電動、伸縮可能なタイプやノコギリ付きのものまで様々あります。
細い枝を切るだけなら手動で軽いもの、太い枝を切るならパワーが強い電動のものがおすすめです。
ただし、電動タイプは重量が2kgを超えるものもあるので注意してください。
長さは3m〜5mほどまであります。切りたい枝までの距離を考えて選びましょう。
伸縮タイプなら、切りたい枝に合わせて距離を変えられるのでおすすめです。
剪定ノコギリ
太い木を剪定するときに使うノコギリです。一般的なノコギリとは違い、枝との摩擦が少なくスムーズに切れる構造になっているのが特徴です。
持ち運びに優れ安全なおりたたみタイプ、手軽に枝を選定できるピストル型、刃が長いもの、目が細かいタイプ、荒いタイプなど、様々な種類があります。
切りたい枝の太さなど、使用用途によって選ぶことが大切です。
刃は20cm〜25cmで、200g〜300gほど。
2000円〜3000円ほどで購入できます。
脚立(三脚)
高い場所にある枝を切るときに使います。脚立といえば四脚ですが、ここでは三脚の脚立をおすすめします。
庭木の剪定には、凸凹している地面でも安定しやすい3脚のほうが向いているからです。三脚は左右に力を分散できるので、地面が凸凹していても倒れにくいようになっています。
全高が30cmから3mを超えるものまで様々な大きさがあります。
金額はメーカーによってかなりバラツキがありますが、全高が1m〜2mで、2万円〜3万円程度。
3mを超えると4万円〜7万5千円程度になります。
安全に剪定を行うなら天板に乗らないことが重要です。
たたき鏝
植木や芝生を貼る際に、土や土間を締め固めるときに使う道具です。
鏝といえば壁塗りのイメージがありますが、庭園などの地面を固める際にも使われます。
刃の先が三角で、刃の厚みが6mmから8mmほどになっているのが特徴です。
手持ち部分を合わせた長さは35cm〜40cmほど、重さは850g〜900gほどです。
金額は9000円〜1万円程度です。
ブロック鏝・レンガ鏝
ブロックやレンガを積む際に、モルタルをすくったり塗ったりする鏝です。
基本的に刃が桃のような形をしていますが、縦に長いものから横に広いものまで、形状が微妙に異なります。
重さは200g〜280gほど、刃の大きさは130mm〜150mmほどです。
1400円〜3000円ほどで購入できます。
モルタルを多く乗せるなら幅がある大きいもの、綺麗にならすなら細めのものが良いでしょう。
目地鏝
ブロック、タイル、レンガ、石などを積んだり貼ったりする際に目地を仕上げるための道具です。
無駄にはみ出た接着剤を削ったり、見た目を整えたりする目的で使われます。
細いので接地面が少なく、目地詰め以外では使われない鏝です。
種類は6mm〜3cmほどの幅のものがあります。
500円〜1500円ほどで購入できます。
目地の幅によって使い分ける必要があるため、何本か持っておくのが良いでしょう。
剣スコップ(植木ショベル)
先が尖っているので根切りや根回しに最適なスコップです。
刃の反対部分に足を乗せて、踏み込んで土を掘ることもできます。
スチール制であれば重さは1.5kg〜1.8kgほど、全長は94cm〜97cmほど。
1000円〜3000円ほどで購入できます。
女性にも扱える軽めのものがおすすめです。
あると便利なレベルアップ道具・工具
ここからは、持っておくと便利な道具・工具をご紹介します。
・電動ノコギリ(ハンディタイプ)
大きな木を伐採するときは、刃が自動で回転する電動ノコギリが便利です。片手でも扱えるハンディタイプは、取り回しがよく持ち運びにも便利です。
エンジン搭載チェーンソーよりは流石にパワーは落ちますが、庭木にも十分使うことができます。
全長は約40cm、重さはバッテリーをつけた状態で2kg〜3kgほどです。
5000円〜1万5千円ほどで購入できます。
キックバックと呼ばれる、刃が木に挟まり反動で作業者に跳ね返ってくる減少には、十分に注意する必要があります。
また、バッテリーの減りが早いので、予備を持つようにしましょう。
・ヘッジトリマー
庭木などの枝の長さを揃えて、見栄えを良くするために使います。硬い枝には適さず、枝が柔らかい木や生垣を刈り込むときに有効です。
全長70cm〜80cmで重さが1.5kg〜2kgほどの小型ヘッジトリマーなら、8000円〜1万5千円ほどで購入できます。
コードレスタイプはバッテリーの消耗が激しいですが、持ち運びに便利です。
・ブロア
風を送り出してゴミを吹き飛ばす掃除機です。送風だけでなく集塵できるものもあります。
小型のハンディタイプなら4000円〜9000円ほど、背中に背負って使う大型のものは2万円〜4万円ほどで購入できます。
・ブルーシート
剪定作業後の枝や葉を集めるのに役立つアイテムです。
1.5×1.5m、1.8m×2.7m、1.8m×3.6m、1.8m×5.4mなど、様々な大きさがあります。
木の大きさや作業場所によって使い分けると良いでしょう。
1500円〜3000円ほどで購入できます。
造園の道具を揃えて職人を目指そう!
今回は造園業で基本となる道具と、あると便利な道具をご紹介しました。
しかし、今回ご紹介したものが全てではないので注意してください。
造園道具は丈夫で長持ちするものを持つのがおすすめです。
なぜなら道具にこだわることは、仕事の質や生産性、モチベーションに大きく影響するからです。
良い道具を持ち、一流の職人を目指しましょう。
造園道具購入の参考になれば幸いです。