造園業界の仕事内容や勤務形態、働き方について解説した記事です。造園会社といっても様々な会社があり、大きく分けて「元請け」と「下請け」2種類の会社があります。勤務形態や働き方に違いあるので、元請け会社と下請け会社を比較していきます。

氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 お庭の窓口(転職情報)編集部

お庭の窓口転職情報の編集部です。 社内の造園・外構のプロたちから助言をいただきつつ、皆様に有益な情報を提供できるように頑張ります。

目次

造園会社といっても様々な規模、取り扱う工事の内容があるってご存じでしたか?

造園会社といっても、会社の規模や取り扱う工事によって、仕事内容や勤務形態が異なります。造園会社に転職する前に、どのような会社に分けられるのかを確認しておきましょう。具体的には下記のような造園会社に分類できます。

・公共・ゼネコン工事の元請け会社
・公共・ゼネコン工事の下請け会社
・公共事業の管理やハウスメーカーの植栽を行う会社
・個人邸の施工をメインで行う会社

同じ造園会社でも仕事内容や勤務形態、働き方に違いがあるので、詳しく解説していきます。

公共・ゼネコン工事の元請け会社の仕事内容や勤務形態、働き方

公共・ゼネコン工事の元請け会社は、基本的に職人が在籍しておらず、施工代理人や営業職がほとんどです。

仕事内容

職人が在籍していない場合がほとんどなので、工事は下請け業者に外注します。ただ現場を管理する施工代理人(監督)の工程管理や安全管理、発注管理などの業務は、公共・ゼネコン工事の元請け会社の仕事です。また仕事を受注するために入札や工事の積算といった業務も行います。案件を獲得しても、自社で施工することができないので、職人の人手不足の影響を受けやすいです。

勤務形態

公共・ゼネコン工事の元請け会社の勤務形態は、日勤の土日・祝日休みが多いです。配属される部署によっては変則勤務になる可能性がありますが、一般的なサラリーマンと同じ勤務形態です。そのため社会保険はもちろんのこと、福利厚生が充実しており、有給休暇やボーナスもあります。

働き方

公共・ゼネコン工事の元請け会社の働き方は、一般的なサラリーマンとほとんど変わらない働き方です。もちろん管理している現場の工期や繁忙期によっては、土日・祝日出勤をする必要がありますが、造園会社の中で最も働きやすい環境になります。規模の大きい会社がほとんどなので、個人個人の役割が明確に決まっています。

公共・ゼネコン工事の下請け会社の仕事内容や勤務形態、働き方

公共・ゼネコン工事の下請け会社は、基本的に職人のみ在籍しており、施工を中心に業務を行う会社です。

仕事内容

公共・ゼネコン工事の下請け会社は、現場の施工をメインに行っているので、造園工事がほとんどです。営業や見積もりなどの業務もあるのですが、基本的には社長が担当していることが多いです。そのため営業や見積もり経験がなければ、現場での施工を担当することになります。ベテランの職人になると、職長としてグループを持ち、責任者としてチームを率いることもあります。

勤務形態

公共・ゼネコン工事の下請け会社の勤務形態は、週休1日の土日祝日なしの会社が多いです。その理由としては、現場の工期に追われ、週休2日休む余裕がないからです。また公共・ゼネコン工事の下請け会社は、職人の入れ替わりが激しいので、人手不足の会社が多いのも理由です。ただ公共工事やゼネコンの下請けをしているので、収入は安定しており仕事が途切れることはほぼありません。

働き方

公共・ゼネコン工事の下請け会社は、先ほども紹介したように工期に追われていることが多いです。そのため繁忙期には、残業や休日出勤が当たり前という会社がほとんどです。しかし昨今では、働き方改革の影響などもあり、残業や休日出勤が少ない会社もあるようです。閑散期には週休2日休める会社もあるでしょう。

公共事業管理やハウスメーカーの植栽の会社の仕事内容や勤務形態、働き方

公共事業の管理やハウスメーカーの、植栽をメインに工事を受ける会社は、施工を行う職人がメインの会社です。

仕事内容

主な仕事内容は道路や公共施設の植栽や、ハウスメーカーの花壇の植栽などがメインです。また植えた植物の管理やメンテナンスなどの業務もあります。小規模な仕事が多いので、複数のグループを形成し、1つのグループで複数の現場を掛け持ちます。

勤務形態

勤務形態は正社員として勤務している職人がほとんどで、社員は多くて10人、通常は4〜5人くらいの会社が多いです。また週休1日の会社がほとんどですが、閑散期は週休2日休める会社があります。

働き方

ハウスメーカーに時期は関係ありませんが、公共事業では6〜11月が繁忙期になります。そのため6〜11月は工期に追われることになり、残業や休日出勤が必要になるかもしれません。ただ基本的には、ハウスメーカーも公共施設も土日・祝日が休みになるので、会社によっては土日祝日休みの会社があるようです。

個人邸メインの会社の仕事内容や勤務形態、働き方

個人邸をメインに施工を行う会社は、一人親方の場合が多く、職人がいても2〜3人です。また法人登記をしていないことが多く、家族経営のところも多くあります。

仕事内容 

仕事内容は、個人が所有する住宅の庭剪定や、植栽がメインになります。一人親方の場合は営業から見積もり、施工までを全て1人で行います。少人数で施工することが多いので、1人で行う業務の幅が広いのが特徴です。

勤務形態

一人親方の場合は、個人事業主になるので成果報酬型の収入になります。もちろん社会保険や福利厚生もありません。一方で個人邸をメインに施工を行う、会社に勤める場合の勤務形態は、正社員でないことがほとんどです。そのため、こちらも社会保険や福利厚生、有給休暇などは期待しない方が良いでしょう。ただ収入は成果報酬型ではなく、給与収入になります。

働き方

基本的に週休1日です。ただ雨が多い梅雨の時期には、雨が降った日が休日になります。個人邸をメインに仕事をしているため、工期に影響がなければ自由な働き方が可能です。しかしその反面で、日給月給の会社が多く、毎月の給与が不安定なのがデメリットです。

まとめ

この記事では造園会社を大きく分けて4つに分類し、それぞれの会社の、

・仕事内容
・勤務形態
・働き方

上記をメインに紹介しました。同じ造園会社でも仕事内容や勤務形態、働き方は大きく異なります。そのため転職をする際は、自分がどんな仕事がしたいのかで転職する会社を選びましょう。また家族がいる場合には、なるべく安定した収入を期待できる、規模の大きい会社に転職することがおすすめです。

お庭業界での
転職なら

造園、園芸、外構、土木業界での転職を今すぐ探すなら業界専門の求職サイトがオススメ!