コンクリートはセメント、骨材、水を配合し練り合わせ固めたものです。
使用する用途によって配合のバランスを変えるため、硬さや耐久性、品質などが違うさまざまなコンクリートがあります。
コンクリート技士、コンクリート診断士は、コンクリートに関する業務のスペシャリストであり、コンクリート製造工場や建設現場で活躍できる貴重な存在です。
この記事では、「コンクリート技士、コンクリート診断士に興味がある」「作業内容と資格を取得するための方法を知りたい」という方に向けて、コンクリート技士とコンクリート診断士について詳しく解説します。
静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。
目次
コンクリート技士、コンクリート診断士とは
コンクリート技士、コンクリート診断士は、コンクリートの製造や検査のプロフェッショナルです。
コンクリートはビルや橋などに使われているので、コンクリート技士、コンクリート診断士は建設業界では欠かせない存在と言えます。
どちらも、公益社団法人日本コンクリート工学会が実施する試験に合格、登録されると与えられる資格です。
コンクリート技士
コンクリート技士は、コンクリートの製造、検査、施工、管理など、日常の技術的業務を行うための能力を持つ技術者です。
コンクリート構造物を作る建設技術者にとっては、コンクリートに関する幅広い知識がいるため必須の資格になります。
また上級資格には、コンクリート主任技術者があります。
コンクリート主任技術者は、コンクリートの製造や工事に加えて、研究においての施工、管理、指導などを行うための能力を持つ技術者です。
コンクリート診断士
コンクリート診断士は、完成済みコンクリート建造物の劣化状況の調査、維持管理を行うための知識、能力を持つ技術者です。
実際に現場に出向き、検査をしたり補修計画を立てたりします。
コンクリート技士、コンクリート診断士の仕事内容、年収、就職先は?
高層ビルやダム、橋梁、高速道路などに使われるコンクリートは現在一番使われている建築材料です。
そのためコンクリート技士、コンクリート診断士の需要は高くなっています。
コンクリート技士の仕事内容と就職先
コンクリートの製造、施工、製品の検査などが主な仕事内容です。
配合から、検査、運搬まで、コンクリート製造における管理全般を任されます。
コンクリート技士の主な就職先は、生コンクリート製造、コンクリート試験員などがあります。
生コンクリート技術者、試験員として生コンクリートの品質管理、試験を行います。
具体的には、生コンの配合設計、品質に問題がないか検査をしたり、書類作成をしたり出荷先での打ち合わせなどを行うこともあります。
コンクリート診断士の仕事内容と就職先
コンクリート診断士の仕事内容は、竣工、施工済み構造物の劣化状況の検査、補修計画の提案です。
コンクリート構造物の劣化の程度を見極め、どのように補修するのかを支持します。
診断次第では構造物の寿命を大きく延ばせるため、適切な検査と指示能力が求められます。
コンクリート診断士の主な就職先は、建設会社、建設コンサルタントなどがあります。
実際に現場に足を運びコンクリートの強度、劣化状況のチェック、劣化原因を特定し図面を作成、補修計画を提案します。
コンクリートに関する知識はもちろんのこと、パソコン操作能力やコミュニケーションスキルも必要になるでしょう。
コンクリート技士、コンクリート診断士の年収
コンクリート技士、コンクリート診断士の年収は500万から700万円です。
日本の平均年収は503万円、建設業においては493.9万円になっており、平均より上回っていることが分かります。
求人情報サイトを見ると、コンクリート技士やコンクリート診断士の資格を持っていれば、資格手当が付く企業が多くなっています。
コンクリート技士、診断士になる方法
コンクリート技士、コンクリート診断士になるには、コンクリートの配合、試験、計画管理、品質管理、施工、法律など幅広い知識と技術が必要です。
優秀な土木技術者を目指す、キャリアアップを目指す上でも取得しておきたい資格になります。
コンクリート技士の受験資格
コンクリート技士の受験資格は以下です。
・コンクリート診断士、一級建築士、技術士(建設部門)、技術士(農業部門、農業土木)、土木技術者、RCCM、コンクリート構造診断士のいずれかに登録している。
・1級土木施工管理技士または1級建築施工管理技士の資格者証を有している
・3年以上の、コンクリートの実務経験
資格がない場合
・大学、専門学校、高等学校でコンクリートに関する科目を履修、卒業しており2年以上の実務経験
上級資格である、コンクリート主任技士は
・コンクリート診断士、一級建築士、技術士(建設部門)、技術士(農業部門、農業土木)、土木技術者、RCCM、コンクリート構造診断士のいずれかに登録している。
・1級土木施工管理技士または1級建築施工管理技士の資格者証を有している
・7年以上の実務経験、またはコンクリート技士合格後2年以上の実務経験
資格がない場合
・大学、専門学校でコンクリートに関する科目を履修、卒業しており4年以上の実務経験
・高等学校でコンクリートに関する小目を履修、卒業しており5年以上の実務経験
コンクリート技士の受験方法
コンクリート技士の試験は年に1回開催されます。
受験時期 | 受験地 | 受験料 |
---|---|---|
11月下旬ごろ | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄 | 技士:8800円(税込) 主任技師:11000円(税込) |
受験するには受験願書を購入する必要があります。
購入の仕方は、
・受験願書請求書を日本コンクリート工学会ホームページでダウンロードし記入。
・郵便局で手数料を支払い、簡易書留で願書請求書と手数料のレシートを郵送。
詳しい情報は、日本コンクリート工学会ホームページを御覧ください。
コンクリート技士の試験内容、難易度
コンクリート技士の試験内容はコンクリート用材料の品質、試験、管理、法令などの、四肢択一問題が40問、◯✕式問題が20問出題。
合格率は約30%となっています。
コンクリート診断士の受験資格
コンクリート診断士の受験資格は以下です。
・コンクリート主任技士、コンクリート技士、一級建築士、技術士(建設部門、農業部門-農業土木)、1 級土木技術者、RCCM、コンクリート構造診断士のいずれかを登録している
・1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士の資格者証を有している
・大学、高等専門学校でコンクリートに関する科目の履修、卒業、4年以上の実務経験
・短期大学、高等専門学校でコンクリートに関する科目の履修、卒業、6年以上の実務経験
高等学校でコンクリートに関する科目の履修、卒業、8年以上の実務経験
・コンクリート診断士講習eラーニングの受講(9時間)
コンクリート診断士の受験方法
受験時期 | 受験地 | 受験料 |
---|---|---|
10月下旬ごろ | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄 | 11000円(税込) |
日本コンクリート工学会ホームページにてeラーニングの受講申込をします。
メールアドレスの登録、受講料23000円の入金が必要です。
その際に願書を一緒に購入します。
詳しい情報は、日本コンクリート工学会ホームページを御覧ください。
コンクリート診断士の試験内容、難易度
コンクリート診断士の試験内容は、コンクリートの変状の種類と原因、劣化の機構、調査手法などの四肢択一問題が50問、記述式問題が2問出題。
合格率は14%〜15%前後となっています。
コンクリート技士、診断士はやりがいのある仕事!
コンクリートは古くからいたるところで使われており、現在もコンクリート構造の建物は増えています。
適切な設計、施工、維持管理ができれば長期間の使用が可能なので、コンクリート技士、コンクリート診断士の仕事は非常に重要と言えます。
ビルや橋、高速道路といった大きな構造物に関われることや高賃金は大きなやりがいにもなりますので、まずは資格取得を目指してみてください。