「総合建設業に就職したいんだけど、年収はどれくらいなんだろう」
「高年収を目指せるならやってみようかな」

こんな疑問に答える記事です。

結論から言うと、総合建設業(ゼネコン)は「高年収」です!

総合建設業は大手がほとんどで、福利厚生が充実しており手当も付くからです。

年収1000万円も夢ではありません。

この記事では、大手総合建設業の年収、総合建設業の定義、将来性ややりがいまで解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。

高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。

目次

総合建設業とは?

基礎作り中の現場

まず初めに総合建設業とは何か解説します。

前提として、建設業は全部で29種類あります。

そのうち総合建設業に当たるのが「土木一式工事」、「建築一式工事」です。

「土木一式工事」は、ダムやトンネル、道路といった土木工作物の総合的な企画、指導、調整を行います。

「建築一式工事」は、ビルやマンションといった建築物の総合的な企画、指導、調整を行います。

その他には、大工、左官、とび、電気工事、鉄筋工事など、27の専門職に分かれています。

また、ある一定以上の金額の建設業工事(工事1件の請負金額が4000万円以上、建築工事業の場合は6000万円以上)を請け負うには、「特定建設業許可」を受ける必要があります。

その特定建設業許可を受けた工事業者が「総合建設業者」となります。

総合建設業は「ゼネラルコンダクター(ゼネコン)」とも言われます。

つまり、お金の掛かる規模の大きな工事を請け負うのが「総合建設業」ということです。

総合建設業の職種って?どんなお仕事があるの?

総合建設業が請け負う仕事には、高層ビル、工場、ショッピングセンター、ダム、空港、道路、橋、トンネル、鉄道などがあります。

人が生活するために必要なものや、水害や地震などの自然災害から守るものなど、様々な公共工事を請け負っています。

具体的な仕事(職種)は以下のようなものがあります。

【営業】
工事の受注。
発注者の要望を聞く。
情報提供をして売り込む。

【研究開発】
工事方法、資材の開発、実験、解析など。
工期の短縮、効率化、建築物の精度を高めるために行う。

【設計】
設計図面の作成・確認、管理、デザインの提案など。
耐震性など、安全な建築物を作るために行う。

【施工管理】
工事のスケジュール作成から、図面チェック、資材調達、品質、資金、安全性など現場全体の管理を行う。

建設業というと現場で作業するイメージがありますが、実際には様々な職種の方が関わっています。

転職する際には、どんな仕事なのかイメージだけでもしておきましょう。

総合建設業に就職するには

総合建設業に就職するのに必須となる資格はありません。

ただし、土木施工管理技士や建築士など、建設業に関連する資格を持っていると面接で有利になります。

また、土木系、建築系の学科を修了していればアピールできますが、未経験でも応募可能です。

内定を得るためには、事前に受ける企業のことを調べておくことが大切です。

例えば、どんな構造物や建築物を作っているのか、過去の代表的な工事、得意分野などです。

自分がこの企業に入ったら何ができるのか、なぜこの分野を選んだのかを事前に考えてください。

面接を受けるときの持ち物は・履歴書・職務経歴書・筆記用具最低でも上記3つは用意しましょう。

履歴書の詳しい書き方はこちらの記事で紹介しています。

土木に特化した求人サイトのおすすめ

総合建設業のお仕事情報は、建築、土木に特化している求人情報サイトで集めるのがおすすめです。

どれも登録は無料!損はしないので、とりあえず登録だけしておきましょう。

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総合建設業に就職した場合の年収

札束を数える人

総合建設業(大手ゼネコン23社)の平均年収は「946.4万円」です。

その中でもスーパーゼネコンと呼ばれる総合建設業の年収が高くなっています。

令和3年賃金構造基本統計調査による日本の平均年収は433万円ですので、非常に高いことが分かります。

もう少し詳しく見てみましょう。

会社別年収ランキング

会社別の平均年収ランキングを調べてみました。

【スーパーゼネコン】
鹿島建設:1135.2万円
大林組:1032.1万円
竹中工務店:1007.3万円
大成建設:985.1万円
清水建設:971.2万円

【準大手ゼネコン】
奥村組:932.2万円
前田建設工業:927.3万円
長谷川コーポレーション:923.8万円
東亜建設工業:913.4万円
五洋建設:878万円
西松建設:866.2万円
フジタ:864万円
三井住友建設:863.6万円
東急建設:859.9万円
戸田建設:858.4万円
安藤ハザマ:853.2万円

【中堅ゼネコン】
鉄建建設:848.5万円
淺沼組:831.1万円
飛鳥建設:819.5万円
東洋建設:803.6万円
大豊建設:803.5万円
錢高組:802.3万円
熊谷組:802.2万円

スーパーゼネコンである鹿島建設、大林組、竹中工務店、大成建設、清水建設の平均年収は1026.6万円

準大手、中堅ゼネコンでも867.4万円
と、非常に高い年収であることが分かります。

(出典:ゼネコンの平均年収ランキング|ゼネコンランキング【2021年版】 アーキブック)

新卒・20代・年代別

今回は、スーパーゼネコンの鹿島建設と中堅ゼネコンの熊谷建設の年収を見ていきます。

【鹿島建設の年代別平均年収】
20〜24歳:309万円
25〜29歳:873万円
30〜34歳:931万円
35〜39歳:963万円
40〜44歳:1043万円
45〜49歳:1181万円
50〜54歳:1284万円
55〜59歳:1275万円
60〜65歳:843万円

【熊谷組の年代別平均年収】
20~24歳:322万円
25~29歳:555万円
30~34歳:594万円
35~39歳:614万円
40~44歳:685万円
45~49歳:781万円
50~54歳:858万円
55~59歳:850万円
60~65歳:553万円

20代前半のうちは、ゼネコンの規模による年収の差は少ないですが、20代後半を超えると大きく差が出て来るようです。

50代に入ると、年収が最も高くなることも分かります。

(出典:鹿島建設の年収|平均年収.jp)
(出典:熊谷建設の平均年収|平均年収.jp)

職種・役職別

職種・役職別の違いも見ていきます。

【鹿島建設】
(職種別)
総合職:1426万円~1526万円
技術職:968万円~1068万円
一般職:990万円~1090万円
(役職別)
主任:1062万円
係長:1199万円
課長:1584万円
部長:1751万円

【熊谷建設】
(職種別)
総合職:1029万円~1129万円
技術職:690万円~790万円
一般職:706万円~806万円
(役職別)
主任:786万円
係長:887万円
課長:1172万円
部長:1296万円

総合職が圧倒的に年収が高く、一般職が低い傾向にあるようです。

とはいえ、スーパーゼネコンの鹿島建設であれば、一般職でも年収1000万円を超えています。

役職別で見ても、鹿島建設のほうが高年収であることが分かります。

熊谷組でも課長クラスになれば、年収1000万円を超えています。

(出典:鹿島建設の年収|平均年収.jp)
(出典:熊谷建設の平均年収|平均年収.jp)

どうすれば年収1000万円達成できる?

暗い部屋でプロジェクターを見る人

今回調査したデータから考えると、総合建設業(ゼネコン)では、資格取得と役職に就くことが重要と言えそうです。

一般職ではなく、出世チャンスの多い総合職に就いたほうが年収1000万円に達する可能性が高いです。

総合職に就くには大卒であることが重要ですが、高卒でもスーパーゼネコンに就職できれば、福利厚生や手当も充実するので、一般職でも年収1000万円を目指せます。

入社したら、実務経験が必要な「1級建築士」や「1級施工管理技士」の資格取得を目指し、現場監督や主任になることで徐々に年収が上がっていくでしょう。

年収を上げるために転職する際にも、「1級建築士」「1級施工管理技士」を取っておくと非常に有利です。

建設業は終わってる?将来性や仕事のやりがい

東京オリンピックが終わったこともあり、建設業は終わってると思われがちです。

しかし、そんなことはありません。

今後は大阪万博、リニア新幹線といった大規模な新規工事。

高速道路リニューアル工事など、建設業の需要は拡大すると予想されています。

また、建設業は「作業員の高齢化」、「イメージの悪さによる人手不足」、「残業と休日出勤の多さ」が問題でした。

しかし、2024年4月からは「時間外労働に上限」が設定されます。

ですので、今後は残業時間が減り、作業員の負担が随分と軽減される予定です。

そして最近では、建設機械のAI化が進んでおり、人手不足の解消や建設業の悪いイメージが改善される可能性があります。

実際に、国土交通省は、新3Kとして「給与」「休暇」「希望」を与えることを公表しています。

今後は、総合建設業のやりがいである「給料の高さ」、「構造物を作り上げたときの達成感」は維持しつつ、残業が減り働きやすい環境になると予想されます。

まとめ:総合建設業は高年収!

ガントリークレーンと鳥

今回は、大手総合建設業の年収と、稼げる理由、将来性までお伝えしてきました。

まとめると
・総合建設業は高年収である
・20代前半から徐々に年収が上がる
・年収1000万円
を達成するには、資格取得と役職に就くことが重要・建設業は今後も需要が高まる・2024年から残業が減り、働きやすくなる総合建設業の将来性は明るく、とてもやりがいのある仕事です。

この機会にぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか。

この記事が、総合建設業に就職する際の参考になれば幸いです。

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