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ケヤキ お庭の窓口植物図鑑
2020.08.21

ケヤキ

街路樹や公園樹としてよく植えられる。竹ぼうきを逆さにしたような樹形が特徴的。

基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Zelkova serrata (Thunb.) Makino
  • 科・属名ニレ科ケヤキ属
  • 別名ツキ、タイワンゲヤキなど

街路樹や公園でもよく見るケヤキ

ケヤキとは

 
ケヤキとは、北は青森から南は鹿児島まで自生する落葉高木です。本来渓流沿いなどに自生する木ですが、乾燥した場所でも育つ適応性の高さや横に広がらない樹形などが人気で、街路樹や公園樹としてよく植えられています。
 

枝ごと種を飛ばす

 
植物には綿毛によって種を飛ばしたり、鳥に種を運んでもらったりと、種を運ぶための戦略がたくさんあります。ケヤキはその中でも珍しく、「枝ごと種を飛ばす」という戦略をとるものです。春に芽吹きと同時に枝先に花を咲かすのですが、秋になり果実ができると、果実のついた小枝を葉っぱがついたまま落とし、葉っぱを翼代わりにして風に乗せて運ぶ、という戦略です。そのため秋に公園のケヤキの周りなどを探してみると、葉っぱの脇に小さい種のような果実がついた小枝がたくさん落ちているのが観察できます。
 

剪定不要の便利な樹形

 
ケヤキは、竹ぼうきを逆さにしたような細長い樹形が特徴的です。他に同じような樹形の木がないので、遠目に見てもケヤキだとわかるほど。枝が横にあまり広がらず、特に仕立てる必要もないので扱いやすい木です。街路樹などでは、「むさしの1号」というさらに細長い品種がよく植えられています。ただし、街路樹や公園樹だと環境があまりよくないためか材を腐らせるキノコが比較的多く発生し、やむなく伐採されているものも見かけます。
 

天然記念物級の大物が各地に

 
ケヤキは長生きな木で、大きくなると30m近くの高さになることもあります。「〇〇の大ケヤキ」というような名前の大木が全国各地にあり、天然記念物として保護されているものも多いです。大きく育ったケヤキは、街路樹で植えられるようなものとは一線を画す圧倒的な迫力があります。もちろんそこまで育つのに百年単位の時間が必要なのでお庭でそこまでになることはありませんが、自分の庭に植える木がそこまでのポテンシャルを秘めていると考えると、少しワクワクしますね。

ケヤキの木の楽しみ方は?

庭の立派なシンボルに!

 
植え方は自由ですが、ケヤキは庭のど真ん中に植えて、シンボルツリーにするのがおすすめです。あまりスペースをとらないのが特徴なので、大きくなっても他の植物の生育を邪魔しません。大きくなったケヤキはちょうどいい木陰をつくりだしてくれるので、快適なお庭をつくるのに一役買ってくれることでしょう。何十年経ってもそこにいてくれる安心感があり、まさに庭のシンボルとなってくれます。
 

紅葉を楽しむ

 
ケヤキの木は、きれいに紅葉することも魅力の一つです。もみじのように赤一色というふうにはなりませんが、赤、オレンジ、黄色と、多彩な表情を見せてくれます。グラデーションがかかったような紅葉は、見る人を優しい気持ちにさせてくれることでしょう。自分の庭に植えたケヤキはどんな色を見せてくれるのか、楽しみにしてみるのも良いですね。ただ、大きくなって実をつけるようになったとき、乾燥していると枝先の実をつける部分だけ茶色く枯れてしまうことがあります。その場合は夏に土が乾燥しないようにつとめることが大切です。
 

盆栽、原木など多彩な用途に

 
ケヤキは植木以外にも、いろいろな用途で使うことができます。一年でいろいろな姿を見せるケヤキは盆栽にもよく使われるほか、木材としての価値も高いです。ケヤキの木材は材としての質もさることながら、木目の美しさにとても人気があります。大きな一枚板が数百万円もの価格で売れることもあるほどで、立派な大木に育てばいざというときにも役立つかもしれません。種をつけるようになると庭のあちこちでケヤキの赤ちゃんが見られるようになるので、お庭のスペースが許せば木材用に育ててみるのもいいですね。
 

お子様と虫捕り+樹皮パズルで遊ぶ

 
ケヤキの木が大きくなってくると、樹皮が水玉模様のように剥がれるようになります。少しずつ樹皮が浮いてきて剥がれていくのですが、冬になるとその隙間で小さな虫たちが冬眠していることがあります。大きさが1~2㎜くらいのテントウムシやタマムシの仲間などが見られることもあり、お子様と一緒に樹皮をめくってみると、次はどんな生き物が出てくるかと思いのほか盛り上がります。また、めくれた樹皮が結構しっかりしたつくりになっているので、それを集めるだけでも遊ぶことができます。パズルにしてみたり、なんの形に似てるか当ててみたりしても楽しいでしょう。お庭の景観をつくるだけでなく、まるで家族のようにいろいろ遊ぶことのできる木です。

育て方・管理方法

詳細情報

 

草丈・樹高

20~30m

 

栽培可能地域

北海道南部以南

 

花色

緑~赤(風で花粉を媒介するため、あまり目立たない)

 

開花期

4~5月

 

結実期

10月

 

耐暑性/耐寒性

どちらも強い
 

 

育て方

 

植え付け・植え替え

植え付けは11月~3月の葉っぱが落ちている時期に行いましょう。環境への適応性は広いですが、水はけのよい肥沃な土を好みます。比較的植え替えしやすい木ですが、同じ時期に行うと良いです。

 

肥料

特に必要ありません。気になるようでしたら、寒肥として有機質の肥料などをあげるようにしましょう。

 

剪定

11月~3月の葉っぱが落ちている時期に行います。自然樹形が美しい木なので、特にこれといって仕立てる必要はありません。剪定するにしても中の枝をすかしたり、枯れ枝をとったりするくらいにとどめておくと良いでしょう。あまり横に広がらない樹形なので、邪魔になるようなことも少ないです。

 

病害虫

ケヤキの病気としては、褐斑病や白星病など、葉っぱに斑点ができるようなものが多いです。そこまで木の生育に影響するものではないですが、美観を損ねることがあります。ほとんどの場合落ち葉で菌が冬越しているので、それを集めて土に戻さず、焼却処分することで対処できます。その他の菌による被害だと、幹や根に傷がついたとき、そこから木材を腐らせるキノコが侵入することがあります。幹から直接キノコが生えていたら植木屋さんや樹木医の方に相談するようにしましょう。

害虫としては、葉を網目状に食べるアカアシノミゾウムシやヤノナミガタチビタマムシなどが発生します。どちらも普通そこまで大した被害になりませんが、年によっては大発生することがあります。最初はびっくりするかもしれませんが、何年も害が続くものでもないので、気になるようであれば成虫を捕殺するなどして対処するくらいで大丈夫です。また、葉っぱに細長いこぶのようなものができることがあります。これはケヤキフシアブラムシの仕業で、こちらは登録された薬剤があるので、4月の芽吹きの時期に散布するようにしましょう。他に見られるものとして、ガの仲間の幼虫が葉っぱを食べたり、カミキリムシの仲間が幹を食べることがあります。
 

日当たり

半日陰でも育ちますが、日なたの方がよく育ちます。
 

水やり

植え付け後以外は特に行う必要はありませんが、あまり乾燥すると枝先だけ紅葉せず茶色く染まってしまいます。気になる場合は水やりして調整してみても良いでしょう。

 

育てやすさ

★★★

出典(引用元)

日本樹木医会
「樹木医必携」
矢口行雄監修
「樹木医が教える緑化樹木事典―病気・虫害・管理のコツがすぐわかる!」
岩谷美苗著
「散歩が楽しくなる樹の手帳」
成美堂出版
「増補改訂版 実用庭木・花木の手入れと剪定」

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