庭木には害虫や病気がつきもの。
薬剤を使って適度に消毒し、庭木を健康に保ちたいですよね。
ただ、消毒はむやみやたらにすればよいというものではありません。
庭木の消毒時期や、おすすめの薬剤などをご紹介します。

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 瀬尾一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。

目次

用途別おすすめの消毒剤!


庭木の消毒をするのにも、用途や対象に応じて様々な薬剤が開発されています。
それぞれ役割が違っていて、正しく使用することでより高い効果を発揮することができます。
対象の庭木の種類や発生している病害虫などに応じて使用するべき薬剤が変わってくるので注意しましょう。
また、薬剤の種類や使用する対象によっては、使用基準を越えて薬剤を使用すると、農薬取締法に違反する可能性もあります。
 

殺虫剤

 
殺虫剤は、その名の通り害虫を退治するための薬剤です。
殺虫剤と聞くとゴキブリやスズメバチを退治するようなものを思い浮かべる方も多いと思いますが、庭木には一般的に園芸用に開発されたものを使う場合が多いです。
 
代表的なものではオルトランやスミチオン、それらを混合したオルチオン乳剤などがよく使用されます。
アブラムシやグンバイムシ、毛虫類など広い範囲の害虫に対処できるのが特徴で、長く愛されてきています。
ただし、アブラナ科植物やナシ、キクなど、植えている植物やその品種によっては薬害が発生する場合もあるのでよく注意事項を確認するようにしましょう。
 

殺菌剤

 
殺菌剤は、カビなどによる病気の予防や初期治療、蔓延防止などに使われます。
庭木の種類やかかりやすい病気などによって使用する薬剤は変わりますが、ベンレート水和剤やトップジンM水和剤などが幅広い病気に対応でき、よく使われます。
 
注意しなくてはいけないのが、一度広がった病気を治療するものではないこと。
薬剤によって効果が違いますが、病気の予防やこれ以上広がるのを阻止する役割しかありません。
一度斑点だらけになった葉っぱに薬剤をいくらかけても、薬剤の種類によって被害が抑えられるかもしれませんが、斑点が消えるわけではないということです。

殺虫殺菌剤

 
殺虫殺菌剤は、病気の予防と殺虫が同時にできる薬剤です。
そう聞くと万能薬のように思えるかもしれませんが、これらで対処できる害虫、病気の範囲は殺虫剤、殺菌剤それぞれに比べて狭いのが一般的です。
 
薬剤にもよりますが、庭木に使う場合はうどんこ病の予防や初期治療をしつつ、アブラムシやカイガラムシなどを退治するようなイメージの使い方になります。
手間が減って非常に便利なものですが、「これ一本かけておけば病気も害虫も寄り付かない!」といったものではないことに注意しましょう。
ベニカXネクストスプレーや、GFオルトランCなどがよく利用されます。

庭木別おすすめ消毒剤!


庭木ごとのおすすめの消毒剤をご紹介します。
庭木の種類やグループごとに、つきやすい害虫やかかりやすい病気、対応する薬剤も違うので、自分の消毒したい庭木にはどんな薬剤が適しているのか、覚えておくようにしましょう。
 

花木・観葉植物用

 
屋内で育てる観葉植物には、斑点性病害やハダニなどが発生する場合があります。
そうしたものへの対処として、STダニコール1000やバロックフロアブルなどがおすすめです。

STダニコール1000は斑点性病害やうどんこ病など、バロックフロアブルは主にハダニの対策となります。

■STダニコール1000

■バロックフロアブル

バロックフロアブルは樹木類全般のハダニに、STダニコールはバラなどの病害にも対処が可能です。
STダニコールの場合、一部の花木しか適用範囲に含まれていないので、花木類に使用する場合はベニカXネクストスプレーなどの樹木全般に使えるものを使用しましょう。
 
薬剤の適用範囲に「花き類」とあるものがありますが、これは「花木」ではなく切り花などをあらわしているので、間違えないよう注意が必要です。
 

野菜類用

 
野菜類には適用範囲の広い薬剤が多数開発されています。
よく使われるのがベンレート水和剤やアミスター20フロアブル、ICボルドー銅水和剤など。
どれもさまざまな野菜類に対応していますが、適用外の野菜に使うことはできないので、自分の育てている野菜や、よく発生する病気がなんなのかよく調べてから使うようにしましょう。

■ベンレート水和剤

■アミスター20フロアブル

■ICボルドー銅水和剤

果樹用

 果樹に使う殺菌剤としては、ドキリンフロアブルやデランフロアブルなどがおすすめです。
野菜類に使う殺菌剤が使えることもありますが、果樹の適用範囲は狭いことが多いので可能なら果樹用の殺菌剤を手に入れた方が良いです。
 
野菜類とおなじで適用範囲にないものには使えないので、自分の育てている果樹や、よくかかる病気に合ったものを選びましょう。

時期別おすすめの消毒法!


殺虫剤にしろ殺菌剤にしろ、正しい時期を選んで散布しなければ効果は少ないです。
多くが発生初期に散布する必要があり、基本的に病害虫の種類やその特性に応じて時期を決める必要がありますが、中でも代表的なものをご紹介します。
 

3月〜5月 害虫と病気の対策

 
春の間は、アブラムシなどの害虫が卵から孵化し、活発に動き出します。
また、病気が発生し始めるのもこの時期が多いです。
病気も害虫も発生初期に対処するのが良い場合が多いので、早いうちから病害虫の発生に目を光らせておきましょう。
 
特にアブラムシだと数が増えると防除が難しくなるだけではなく、夏までに別の植物に移動してしまう場合があります。
そうなると数を増やしたアブラムシが次の春に襲ってくるようになるので、春の発生初期の対応が大事です。
 

4月〜6月 チャドクガ対策

 
ツバキ類につくチャドクガの対策です。
チャドクガは毒のあるガの仲間で、ツバキやサザンカ、チャノキなどに発生します。
冬の間は葉っぱの裏などで卵の形で越冬し、4月下旬ごろから孵化します。
よほど小さい木でなければ全て退治することは難しいですが、発生初期に対処すれば密度も下がるし、人の手が届く範囲内の対処だけでも安全性は高まるでしょう。
 
散布時期は4月~6月で、若い幼虫は集まって葉っぱを食べているので見つけやすいです。
薬剤はベニカS乳剤などの毛虫に効くものを使用します。
持続性のあるものだとなお良いです。
また、チャドクガは年2回発生するので、7月~9月にも幼虫が見られます。
4月~6月に対処しきれなかったらそちらの時期にも散布しておきましょう。
 

5月〜7月 カミキリムシ対策

 
カミキリムシの幼虫は、木の幹に潜っているので普通に薬剤を撒いたところで効果がありません。
果樹など食害するカミキリムシの種類がある程度決まっているものの場合、成虫の発生時期に合わせて薬剤を使用し、卵を産ませないという対策方法があります。
 
カミキリムシの成虫は多くが春から初夏までに発生します。
種類によって微妙に違いますが、5月~7月ごろにガットサイドSなどの薬剤を幹や枝に塗布して対策が可能です。
また、通年使える方法として専用ノズルを差し込んで中の幼虫を直接退治するという方法もあるのでそちらと併用しても良いでしょう。

タイプ別おすすめ消毒剤!


殺菌剤や殺虫剤には、散布方法によっていくつかのタイプがあります。
広く散布したいのか、特定の木にだけ散布したいのかなどによってどのタイプの薬剤を使えばよいかが変わってきて、薬剤の中身は同じでも散布方法で効果や使用目的が変わることも珍しくありません。
代表的なタイプと、それぞれでおすすめの薬剤をご紹介します。
 

スプレータイプ

 
スプレータイプは家庭用園芸では最もオーソドックスなものの一つで、ファブリーズのようなものをイメージしてもらえるとわかりやすいです。
特定の木に散布するだけなので使いやすく、散布量が調節できるものも多くて便利です。
GFモストップジンRスプレーなど、適用範囲が広いものがよく売られているので、散布したい庭木に合ったものを選びましょう。
 

エアゾールタイプ

 
エアゾールタイプは噴射ノズルから霧のように薬剤を散布できるタイプです。
広い範囲に散布できるのが特徴で、大きな木や生垣に使う場合も手間がかかりません。
ベニカXファインエアゾールなどが家庭園芸用として販売されています。
 
エアゾールタイプが特に気を付けなければいけないのは周囲への薬剤の飛散。
隣の家に薬剤が飛んでしまい、何かしらの被害が出てしまった場合は最悪の場合警察沙汰や裁判沙汰になることもあります。
他のタイプでも飛散する場合がありますが、いずれにせよ風の強い日には散布自体を行わないことや、周囲で養蜂や養蚕を行っていないことなど、よくチェックしておきましょう。

粒タイプ

 
粒タイプは薬剤が小さな粒状に加工されたもので、そのまま木の根元に撒くなどして使用します。
周囲への飛散が少ないことや、特定の箇所にだけ使用できるというのが特徴です。
また、植物が吸収し体内を移行する浸透移行性の薬剤の場合、効果が比較的長期間続くことも。
GFオルトラン粒剤など、薬剤の適用範囲に合わせて使用するようにしましょう。

自分で消毒する際の注意点4つ!


自分で庭木などに殺菌剤や殺虫剤を散布する際、気を付けなくてはいけないことがいくつかあります。
消毒というと聞こえは良いですが、虫や菌を殺す薬剤はれっきとした毒であり、使い方によっては他の生物に対して悪影響となることも少なくないためです。
悪意が無くても自分や他人に被害が及ぶ可能性があるので、使用にあたっての注意点を覚えておきましょう。
 

庭木の特性にあった消毒を選ぶ

 
薬剤は害虫や病原菌の性質に合わせてつくられたもので、効く種類と効かない種類、効く時期と効かない時期、有効な散布方法とそうでないものがそれぞれあります。
また、薬剤に記載されている使用基準から外れて薬剤を散布すると、農薬取締法に抵触する可能性もあるので注意が必要です。
 
いずれにせよ、使用方法や種類が違うと散布しても全く意味がない場合があるので、病害虫を恐れてむやみに散布するだけだと効果が少ない上に経済的にも良くありません。
どの木に散布するのか、どんな病害虫に対処したいのか、使用する薬剤の適用範囲にその病害虫は含まれているかなど、よく確認してから散布するようにしましょう。
 

安全な服装と場所で

 
薬剤を散布する際には、ゴム手袋とマスク(農業用マスク)が推奨されます。
庭にちょっと散布するくらいならあまり影響はないでしょうが、対策をするに越したことはありません。
また、疲労していたり体調が悪かったり、または妊娠していたり手足等に外傷がある場合などの散布は控えた方が良いです。
 
また、ペットを飼っている場合や近所の庭によそのペットがいる場合など、悪影響を避けるためにペットのいない時間帯にするか、家にしまうかして対策しましょう。
 

使用上の注意事項を確認

 
薬剤のパッケージや販売サイトには、使用上の注意事項が書いてあります。
使用できる植物や病害虫のほかに、散布時期や散布回数の制限などの注意、それ以外にも散布にあたっての注意事項がたくさん書いてあります。
全部読むのは億劫かもしれませんが、思わぬところで悪影響が出る場合があるのでよく読んでおきましょう。
 
こうした薬剤は基本的に残留性や他の生物への危険性など、厳しい試験に合格したものが販売されているので、安全性には十分配慮されていますが、注意事項を守らないと思わぬ危険が隠れている場合が少なくありません。
 

周囲への飛散に気をつける

 
薬剤散布のうえで気を付けなければいけないのは、周囲への飛散(ドリフト)です。
近所で養蚕や養蜂をしている場合や、薬剤の種類によっては池の鯉やメダカなど、風に乗って噴射した薬剤や蒸発した薬剤が飛んでいき、被害を与える可能性があります。
 
まず前提として風のある日は散布をしない(風速3m以上だと散布は推奨されません)ことや、必要最低限の範囲にのみ薬剤を散布することなどの配慮が必要です。

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